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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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22話 誘拐

第一王女、アリスが動く

 オズワルドの第一王女であるアリス・フルール。彼女は魔法の才能以外の全てを持って生まれた。容姿に優れ、頭脳明晰で、運動神経もあり、芸術でも才を発揮していた。しかし、そんなものはオズワルドでは何の役にも立たない。魔法が全てのオズワルドで彼女は生まれが良いだけの落ちこぼれ。そんな落ちこぼれの彼女には夢がある。その夢は、


「内緒よ」

「え〜、教えてくれないのですか〜」

「こればっかりは可愛い妹にも内緒♡」

「う〜可愛いから許してしまう」

「ふふっ。でもいつかは教えてあげる。それまで楽しみにしててね」


 内緒という事で実の妹であるアズサも知らない。そんな内緒の夢を持っているアリスは、


「お帰りなさい」

「ただいま戻りました」


 謎の人物と自室の窓越しに会話していた。


「突然の計画変更ごめんなさいね」

「謝る必要はありません。俺は貴女のモノです。モノに謝る必要はない」

「貴方はそう思っても私にとって貴方は大切な騎士だもの。そういう訳にはいかないわ」


 会話から察するに2人は主従関係のようだ。


「今回貴方を呼んだ理由なのだけど半年後にある形式上のお見合いで攫って貰う事にしたわ」

「計画を早めた上に変更した理由は?」

「魔人の存在をアルスとルーン家に知られたわ。正直彼女たちに魔人をどうこう出来るとは思えないけど2年もあればアルスとアルフリートは可能性が生まれる。ライガに至っては今でも可能性がある・・・・?」


 ライガの名前が出た瞬間に謎の人物が歯軋りをしたので疑問に思うアリス。どうやら謎の人物はライガと因縁があるようだ。そんな謎の人物にアリスは優しく語りかける。


「大丈夫ですよ。ライガよりも貴方の方がずっと強いのですから。さて、話を戻すと魔人たちを彼女たちに消されるのは困るので私が誘拐される事でアズサの注意を引きます。ルーン家は変わらず動くでしょうが戦力を分散出来ますからそれで十分です」

「分かりました」

「それでは半年後に」


 そう言って帰ろうとする謎の人物に、


「誘拐する時は私を殺す気で斬るのですよ」

「・・・・・・」

「沈黙は肯定と見做しますよ。貴方にとってそれが嫌なのは分かりますが貴方と私の関係を気づかれたくはないのです。それに知っているでしょ。私は剣で斬られた程度では死なないのを」

「・・・・・・」

「ライガに負けたいのですか?」

「・・・・・・了解」


 不服そうだが了解してから謎の人物は帰るのであった。


「辛い命令でしょうが期待してますよ。◯◯◯」


 そう言って眠りにつくアリスであった。そんな会話があってからはオズワルドと大帝国の両方で大きな出来事なく半年が経過した。


「はぁ〜本当に嫌だ。お姉様があんな変態とお見合いをやるなんて〜」

「そもそもお見合いやる必要があるんですか? 結婚は確定してるんですよね」

「向こうがお見合いというものに興味があるんですって。あ〜バカバカしい」

「それでどうするんですか?」

「どうにも出来ないわよ。まぁ、隣の部屋で待機はするわ。もし、セクハラしたら女王の娘に不貞を働いた罪でぶち殺すわ」

「それ、ソール家と戦争になりませんか?」

「なるけど負けないから問題なし! さぁ、行くわよ」


 そうしてライガはアルスに連れられてお見合い部屋の隣の部屋で待機する。そこから覗くと露出多めの赤のドレスに身を包んだアリスに思わず顔を赤くしてライガは頬をアルスにつねられる。


「デレデレしない。それよりもアレが変態三男坊よ」

「どれどれ」


 アリスと結婚予定のソーン家の三男坊ブロイトはイケメンではあったが下心がありありと見られた。その証拠にずっとアリスのおっぱいを見ている。


「女好きというかただのおっぱい好きじゃね?」

「あ〜マジでイライラする。あんなのがお姉様の結婚相手とか最悪。お姉様の綺麗な体に触れて欲しくないけど触れたのを理由に殺したい〜」


 物騒な事を言うアルスを、


「落ち着いて下さい。殺気でバレますから」


 優しく諭すライガ。そんなやりとりがあるのを知らずにブロイトはアリスの隣に座り抱き寄せる。


「よし! 殺す口実ゲット!!」

「ちょっ! 胸やら◯◯◯触ったなら分かりますけどこれで口実は弱いですって!」

「知った事か! 覚悟しろ! ソール家!」


 バン! と勢い良くお見合い部屋に突入するアルス。そんなアルスと仕方なく一緒に突入するライガ。そこで目にしたのは、


「は?」

「何、これ?」


 血を流して倒れているブロイトと肩から腰までざっくりと斬られたアリスを抱える黒いコートを着た剣を持つ人物。一瞬頭が真っ白になるライガとアルスだがすぐに、


「お姉様に何をした!!」


 激昂するアルス。そんなアルスの怒りと共にライガは即座に謎の人物に斬りかかる。


(アルス様の魔法ではアリス様が巻き添えを喰らう。俺がこいつを殺す)


 アルスが怒りのままに攻撃してはアリスが巻き込まれてしまう。そうなる前に行動したライガの判断は正しかったが、


「遅い」


 逆に斬られてしまった。


「う、そだろ(クルーズと同等かそれ以上の速さ)」


 自分が2度も敗北した相手であるクルーズよりも速い攻撃を仕掛けた相手に驚き倒れる。


「ライガ!」


 ライガは自分を心配するアルスの声が聞こえるも出血で意識が途切れそうになる。そんな状態で謎の人物に目を向けるとそいつはアリスを連れて離脱する。


(あの剣は・・・・)


 攻撃する瞬間は気づかなかったが謎の人物が持っている剣には見覚えがあり犯人に気づいてから意識を手放した。その後のオズワルドは大混乱であった。フルール家のアリスとソール家のブロイトのお見合いが襲撃されたのだから当然だ。お見合い中は護衛の両家の魔法騎士団員が10名いたのだが全員殺されておりブロイトは失血死してアリスは重傷を負い誘拐されたのだから。誘拐犯の捜索は行われたが全く見つからずにいた。


「お姉様はきっと生きてる」


 アルスは三日三晩寝ずにアリスを捜索していたが、


「出来損ないの娘を探すのをやめなさい」


 母親であるにも関わらず実の娘が誘拐された事を気にしないアリアに、


「この人でなし!」


 攻撃するアルスであったが、


「躾が必要ですね」


 返り討ちに合ってしまい病室に運ばれるのであった。そうして運ばれた病室で入院中のライガはアルスと相談する。


「これからどうします?」

「お姉様を助け出す!」

「そうですね。問題は相手がバケモノみたいに強い事ですね」

「そうね。まさかあんたを返り討ちにするなんてね。クルーズクラスじゃない?」

「いいえ。クルーズ以上です。ただ」

「ただ何よ?」

「多分なんですけど誘拐犯はクウガです」

「クウガってあんたの親友の!」

「はい」

「何であんたの親友がお姉様を誘拐するのよ!」


 掴みかかるアルス。


「分かりませんよ! 俺だって! 失踪したと思ったらアリス様を誘拐とか意味が分かりませんよ!(本当に何でなんだよクウガ)」


 親友の突然の凶行に戸惑うしかないライガ。そんな話題の中心となっているクウガは、、、、

アリスは計画通りクウガに誘拐された。その目的とは?

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