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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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21話 帰還

前大帝であるギールスは魔人と呼ばれる存在であった。そのギールスからオズワルドの王族にも魔人がいるというのを知らされたライガはどうする!?

 オズワルドにも魔人がいる。しかも、


「王族が魔人だと」

「そうだ。特に現女王であるアリア・フルールは俺たち魔人の王である魔王様だ」


 更にに追い討ちをかけるようにギールスが新たな情報を与える。


「ククッ。良い情報だな、おい! どうするよ! お前らの女王様は魔人、しかもそいつらの王で魔王様だってよ!」


 クルーズは大笑いしてライガとエイタに話しかける。しかし、2人はそれどころじゃない。


(女王が魔人、どころか魔王だと。じゃあ、同じ血筋であるアズサ様やアリス様も魔人なのか)


 アリアが魔王ならその娘であるアズサやアリスも魔人なのではないかと疑うライガに、


(女王が魔王だとかいうバケモノが知られば他国に攻められる理由が出来てしまう。こんなスキャンダルは知られてはいけない!)


 エイタはオズワルドの存続のために女王の存在を隠したいと思っていた。


「まだまだ知りたい事があるがこれ以上の情報は他国に知られたくないな。お前らは帰れ。これ以上は尋問には立ち会わせない。ずっといるようなら殺す」

「っ(どうする! まだ情報は欲しい。欲しいがこいつ相手するのは)」


 どうするか悩むライガであるが、


「それじゃあ帰らせて貰おうか」

「なっ!」


 エイタがライガの肩を掴む。


「十分な情報を掴んだ。確かにまだまだ情報を得たいが帰るのが最優先だ」

「ベテランらしい奴は良く分かってるな。やっぱりお前はダメだな雷使い」

「チッ」


 まだまだ自分が半人前のような扱いをされる立場にイライラする。それでもエイタの言葉に納得する。


「帰りはお前に任せる」

「ビリビリするなんてレベルじゃないが良いのか?」

「多少はダメージを喰らうが魔力を防御に回すから問題ない」


 そう言って自分に防御の魔力を回したのを確認してからライガはエイタを抱えて雷化して雷速で大帝国を飛び出す。


「帰っても良いとは言ったが派手にやりすぎだっーつの」

「殺せば良かったのにそうしなかったからこうなったんだ。自業自得なんだよ」

「うるせぇな。そんな事よりお前はまだまだ喋ってない事を喋って貰うぞ」

「はぁ〜、面倒だな(だがまぁ俺が力を取り戻す時間を稼ぐには丁度良いな)」


 面倒だと思いつつも自分が回復する時間を稼げる事に内心ニヤリと笑うギールス。そんなギールスの内心を知っているのか知らないのか定かではないがクルーズはギールスへの尋問を続けるのであった。


「はぁ、はぁ、はぁー」

「お疲れ。完全に大帝国の領土からは出たし安全だ」


 ほんの数秒でライガはエイタを連れて大帝国から脱出に成功した。しかし、その顔は嬉しそうではない。ライガだけではないエイタも同様にだ。


「どうするんですか? 今回の情報は?」

「魔人の件だろ? 前大帝が魔人だという情報は話してもオズワルドに魔人がいるという話はダメだ。オズワルドが崩壊する」

「だが、現女王であるアリアが魔王だってのは教えた方がいいんじゃないのか。女王を降ろせる最強の手札だろ」

「その通りだがその必要はない。どうせ現女王は2年以内に確実にやめるのが確定しているからな。むしろ本当に喋っても良いと思ってるのか? アリアが魔王だというならその娘であるお前の主であるアズサも魔人かもしれないんだぞ」

「うっ」

「まぁ、ギールスの話が本当かは分からないがな。とにかく今回の情報は俺が話すからお前は黙っていろよ」

「はい」

「それじゃぁ休憩もしたしまた頼むぞ」


 休憩を挟んでライガたちはオズワルドへと帰還した。そしてルーン家の屋敷にて今回の大帝国への潜入調査で得た情報を話す。もちろん、休憩中に決めた通りオズワルドに魔人がいるという情報はなしでだ。


「とんでもない情報だな」

「魔人ですか。お父様は知っていましたか?」

「知らないね。オズワルドは300年の歴史ある国だ。失伝した可能性があるな。アズサくんはどうだい?」

「いえ、あたしも魔人というのは初めて聞きました」

「ふむ、もう少し魔人についての情報が知りたいな。過去の資料を探してみるか」

「フルール家でも探しておきます」

「頼んだよ」

「大帝国はどうするのですか? お父様」

「うん。そっちはほっとこうか。前大帝が人でないというスキャンダルをこちらに知られているとはいえ国力を安定させるために当面は大人しくなるしかないからね。逆にこちらはスキャンダルを手に入れたんだ。魔人と呼ばれるバケモノの殺し方さえ分かれば前大帝が魔人というカードを用いていくらでも大帝国に混乱を作れる。そしたら大帝国を滅ぼして私たちルーン家もしくはフルール家が女王になれる。何も問題はない」


 こうしてフルール家とルーン家の会議は終わりアズサとライガが屋敷から出たのを確認してからオッズは、


「エイタ。何か話していない情報があるね?」

「ちょっと! エイタどういう事よ!」


 エイタがまだ話していない情報がある事を見抜く。


「あの場では話せないような情報です。ですがご安心を。フルール家が帰った今なら話せます」


 そうしてエイタは現女王のアリアが魔王と呼ばれる存在である事と王家に魔人がいる事を話す。


「なるほどね。確かにその情報が本当ならアズサくんがいるあの場では話せないね」

「この情報を使えば女王を引き摺り下ろせるしそのままフルール家の没落までいけるのでは!」

 

 テンションが高くなるアルフリートであるがオッズは冷静に、


「それは難しいだろうね。現状は大帝国の死んだとされる大帝からの情報だ。それだけでは証拠として弱い。それにアリアが魔王だからフルール家の全員が魔人とはならないから没落まではいけないな。何せ落ちこぼれのアリスくんがいるからね」

「あっ」

「もちろん魔人にも落ちこぼれがいる可能性もあるかもしれないがそんな可能性は0だろうね」

「そうなるとソーン家?」

「そうだと私は思っている。長男が死んだ割に慌てた様子がない。大帝は死んだと思われていた。しかし、生きていた」

「ソーン家の長男、スタイルが生きているとお父様はお考えなのですね」

「そういう事。まぁ現状は魔人について知るために資料探しだ」


 こうしてルーン家は魔人対策として資料探しをしている頃にライガは、


「何か言ってない情報があるでしょ」

「・・・・・・」

「沈黙は肯定とみなすわよ」

「悲しいわね。妹の騎士が嘘つきなんて」


 アズサの部屋にてフルール姉妹の前で正座していた。


(言えねえ! 貴女たちのお母様は魔王です。そんなの言えねえ!)


 貴女たちはバケモノの娘だよと言うよなものだから情報が言えずにいるライガ。そんなライガに、


「よっぽどやばい情報を手に入れたのね。でも安心してどんな情報でも揺らいだりするような弱い女じゃないのよ。私たちは」

「そうよ! 自分の主をみくびりすぎよ!」

「じゃあ話しますね」


 そしてライガは諦めて女王アリアが魔王である事と王家のどこかに魔人が潜んでいる事を話した。


「なるほどね。確かにそんな情報なら話すのを躊躇う訳だわ」

「でも何の問題もないわ。だって私たちが魔人のはずないもの」

「な、何故?」

「だって私が魔人とかいうバケモノなら落ちこぼれな訳なもの」

 

 と笑うアリスに気まずそうにするライガとアズサ。


「さて、この情報は重要だけど使うのは難しいわ。何故でしょうか」

「死んだはずの人間の情報だから?」

「正解よ。アズサ。だから、決定的な証拠が欲しい。それに関してはこっちでやっておくわね」

「えっ、そんな危険な事お姉様にさせるわけには」

「大丈夫よ。お母様は私の事を舐めているからね。だから安心してちょうだい。そっちは大帝国の滅亡に精を出しなさい」


 そう言って部屋から出るとアリスは通信機を取り出して謎の人物に連絡する。


「ごめんなさいね。計画変更よ」

「・・・・・・」

「ありがとう。それじゃあ私たちの計画を始めましょう」


 妖艶な笑みを浮かべるのであった。

アリスが謎の人物と立てた計画とは?

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