20話 魔人
潜入調査をしていたライガたち。そんなライガたちは大帝の間にて死んだはずの前大帝、ギールスが生きてるのを目撃する。何故、ギールスは生きている!!
大帝国を滅ぼす。そのために何か弱点のようなものがないかをライガはアルフリート・ルーンの専属騎士であるエイタと共に潜入調査をしていた。エイタの影魔法で運良く大帝であるクルーズの影に潜み大帝の間に忍び込むのに成功したのだがそこには死んで葬儀まで済ませたはずの前大帝、ギールスが生きて磔にされていた。しかも、そのギールスにより影にいる事がバレてしまいクルーズにより影から引っ張り出されてしまうというピンチに陥ってしまたライガたち。
「全く、お前の面は見飽きたつーのに何でまた来るんだよ」
「上の命令で潜入調査だよ」
「ふーん、なら殺さないいけないんだが今回は見逃してやる。そこの影浦魔法使い連れて消えろ」
てっきり戦闘になると思っていたライガであっがクルーズは見逃すと言った。
「ありがたい事だが本気で言ってるのか」
「本気だよ。見ての通り忙しい身なのでね」
そう言って磔になっているギールスに目線を移すクルーズ。ライガも同様に目線移す。
「全快大帝は死んだと聞いた。ここ数日の潜入で葬儀も済ませたと聞いたんだがそれはどういう事だ」
「当然の質問だな。答えてやる。あの日大帝は年齢による体力低下もありお前らの所のソーン家だったか? そことの戦闘で弱っていた。そこに駆けつけたんだが俺を含む五天星を馬鹿にしたんで俺が殺した」
「ソーン家が殺した訳じゃなかったのか」
「それはない。年を取り性格がゴミでも大帝国の大帝だ。魔法使い如きに殺されるかよ」
「結局何で生きてんだよ」
「俺もそれは知らん」
「はぁ! 何だよそれ!」
「それを知るために拷問するんだよ。忙しいって言ったろ?」
「言ったな。だが俺たちは帰らねぇぞ。死人が生き返るなんて普通はあり得ないんだからな」
「うぜぇな。だがまぁ良いだろう。何せお前はオズワルドも関わっているようだからな」
「何」
オズワルドもギールスが生きてるのに関係しているという言葉に反応する。
「オズワルドが関わっているらしいぜ。それも王族がな」
「出まかせを言うな」
「何だ、生きてたのか影使い」
「勝手に殺すな」
エイタは影から引きずり出された際に負傷してうめき声を上げていたが復帰してオズワルドが先の大帝が生き残っている事に関与している事を否定する。
「ほら、話せよ。先代大帝。お前が生きてる理由を」
そう言いながら剣を心臓に突き刺す。
「おまっ! そんな事したら喋る前に死ぬだろ!」
止めようとするライガであるが、
「問題ないんだよ。何せ10を超える数は心臓に剣を突き刺したがこいつは死ななかった」
「だからと言って何回も心臓を突き刺すな。不快だ」
「、、っ〝」
心臓に剣を突き刺した状態でも普通に話すギールスに絶句するライガとエイタ。
「不快なのが嫌ならさっさと生きてる理由を喋ろよ」
「喋った所でお前らの頭で理解出来るのか?」
「うるせぇから早く喋ろよ」
剣でグリグリするクルーズ。
「分かったからグリグリするな。教えてやろう。俺は魔人だ」
「魔人?」
「そうだ。はるか昔存在した最強の種族だ」
「そんな存在聞いた事がねぇ」
「何せ数が少ない上に一度滅びかけた種族だからだ」
「最強だったのに滅びかけたとかダサいな」
「うるさいぞ。アレはおかしい。たった1人の人間がこの世界の頂点として存在したんだからな。アレ1人で人類の敵となる生物をほとんど滅ぼしたんだからな」
当時の事を思い出したのかぶるりと震えるギールス。
「とはいえ所詮は人間だ。寿命には勝てずに死んだ。しかし、魔人はほとんど滅んだ。そんな中生き残った魔人を魔王様が纏めたのだ。こうして生き残った魔人は魔王様により人の体に魂を移す魔法を覚えて永遠を生きる事に成功したのだ」
「なるほどな。魂の存在だから首を斬ろうが心臓を破壊しようが死なないのか」
「そういう事だ」
ギールスが生きてる理由を知ったが、
「何だ。オズワルドは関係ないじゃないか」
ギールスが人間ではない魔人だと知って驚きはしたエイタだがオズワルドは何の関係もなくて安心する。
「ん? あぁ、オズワルドも関係するぞ。何せ、魔王様はオズワルドの女王に常に魂を移しているからな」
「はぁ!」
「それだけじゃない。貴様らオズワルドの王家の3つの内1つは魔人だらけだ」
「ふざけんな!」
「そんなの信じられるかよ!」
「ふん、だから言っただろ。お前らの頭で理解出来ないと」
オズワルドの女王と王家の1つが魔人だという話を聞いてしまったライガはどうするのか。
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