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2話 魔法騎士試験

 新連載2話をお楽しみに!!

 魔法騎士とは王族を守る者たちの総称でありなれるのは優秀な魔法使いのみ。しかし、なれたら高収入の身となりエリート人生が約束されている。そんな魔法騎士を目指して5年間修行してライガとクウガは15歳となり魔法騎士の試験会場に来ていた。試験会場には10人以上いる。


「合格するぞ!」

「当たり前だ」


 やる気満々の2人そんな2人の所に試験参加者の内の1人がよってくる。


「何だ何だ? お前らも受けるのか?」

「ヒール」


 ニヤケ面の男のヒール。彼らと同い年の15歳で近所に住んでいる。そんなヒールに2人は嫌な顔をする。何故なら、


「やめとけよ。ライガは魔力量は並なんだからよ。それにあ〜、えっと〜く、、クウ〜〜、、、、そこの奴は魔法使えない体質のゴミなんだからよ」


 オズワルドらしい魔法を使えない人間を馬鹿にする典型だからだ。


「記念受験だよ。察しろ馬鹿。行こうぜ、クウガ」


 そう言って受付にクウガと共に行くライガ。受付にて登録を終える。そこで教えて貰ったのは今回の試験参加者は18名との事だ。試験はくじ引きで相手を決めての1対1の戦闘のみ。そこで試験を見に来た3つの王族専属の魔法騎士団長たちが気に入った者を勧誘するというものだ。お眼鏡にかなえば勝敗関係なく受かるというものだ。人数に制限もない。しかし、お眼鏡にかなわないと1人も受からない。実際過去にそういった事例はいくつもある。


「互いに潰し合いたくないな」

「そうだな。手の内を知られているからな」


 この5年間の修行で2人は何十、何百と模擬戦をした。そのため互いの手の内を知っている。出来れば戦いたくないのだ。そして運命のくじ引きは、


「俺は5試合目だ。そっちは?」

「1試合目だ」

「初っ端か。その方が目立てそうだな」


 なんて言ってたら、


「俺の相手はゴミじゃん。勘弁してくれよ。これじゃアピールになんねぇよ」


 1と書かれた紙を持ったヒールがニヤニヤしていた。


「そうだな」


 素っ気ないクウガ。


「ゴミのくせに態度が悪いな。まぁ、ゴミは態度が悪くて当然か」


 既に一触即発だ。そんな両者の耳に、


「それではこれより試験を始める。番号1番の者はステージに上がれ!」


 試験官の言葉が届く。


「本物のゴミにしてやる」


 なんて言葉を残して先にステージに上がるヒール。そんなヒールに続くようにステージへ向かうクウガにライガは話しかける。


「負けんなよ」

「あんなのに負ける方が難しいだろ」

「そりゃそうか」


 クウガとの問答に笑うライガ。ステージにてクウガはヒールと睨み合う。


「ルールは簡単。相手をステージから落とす、気絶させる、降参させるの3つだ。それから殺しはなしだ。殺した場合は失格だ。それでは始め!」


 始めの合図と同時にヒールが仕掛ける。


「風よ!」


 突風を発生させる。人1人を吹っ飛ばすのには充分な威力だ。これだけの威力を持った魔法を使える者は中々いない。観戦している王族たちも感心している。放った本人も、


(魔法を使えないゴミが出しゃばるとどうなるか教えてやるよ!!)


 自信を持っていた。そんな魔法に対してクウガは腰にさした刀で居合切りをする。それだけで、


「はっ??」


 突風が切り裂かれた。それが信じられなくて間抜け面をさらすヒール。周囲よ人間も驚いている。しかし、ライガだけは当然だろという顔をしている。


(魔法を使えないから鍛えまくったクウガは魔法を切れるようになった。初めて見た時は俺も驚いた)


 初めてクウガに魔法を切られた時は本当に驚いたものだ。


「何かの間違いだ! ゴミに魔法は使えない!」


 小さな台風の塊をいくつも作りそれを発射させる。全てが人体を壊すのに充分な威力をしているが全てを切り裂くとクウガは一瞬で間合いをつめると峰で思いっきり顔面をぶっ叩いてステージから叩き落とす。


「勝者! クウガ!」

「ナイス! クウガ!」


 試験官から勝率宣言を貰いクウガよりも先に喜ぶライガであったが、


「ちょっと待った!」


 待ったが入る。観戦していた王族の1つであるルーン家の者だ。


「今のは魔法じゃない。身体能力だ。そんなのはこのオズワルドに入らない。失格だ!!」


 なんて言われてしまう。それに対して、


「違いますよ! 今のは身体強化の魔法です! 刀も魔法で強化してるんですよ!」


 ライガが必死に誤魔化す。予め考えていた言い訳であるが、


「誤魔化されると思ってるのか。王家をバカにするのも大概にしろよ。しれ者が」

「そんなつもりは」


 なんとか他の言い訳を言おうとするライガの肩をクウガが掴む。


「反抗するな。お前まで失格になる」

「だけどよ!」

「ヒールのバカ面をぶっ叩けだけでも充分だ。俺は帰る。お前は受かれよ」

「だけど、お前は俺よりも努力して」


 失格になったクウガよりも悔しそうにするライガに、


「じゃあな」


 とだけ言ってその場から去るクウガ。それを黙って見送るしかないライガであった。しかし、自分の番が来るまでの間に、


(決めた。圧倒的な実力を見せる! そんで魔法騎士になる。そっから魔法騎士のトップになってクウガを特別枠で魔法騎士にする!)


 今後の事を考えていた。魔法騎士になる前提の作戦だが問題はない。何故なら、


「第5試合始め!」


 瞬殺だった。開始宣言が終わった瞬間に雷が相手を襲って黒コゲにした。当然失格にならないように死なせていない。あまりの瞬殺劇に周りは理解が追いついていない。ライガが使うのは雷魔法だ。これは使い手が少ない希少な魔法だ。もちろん欠点はある。威力が高い分の魔力消費が激しい点だ。平均値の魔力量のライガが扱うのは難しい。だから10歳まではザコ扱いだった。それでも5年の修行で雷魔法の効率的な使い方を掴んだのだ。そんなライガに勝てる魔法使いはオズワルドに片手で数える程しかいないだろう。そして、


「これにて試験を終了する」


 試験は終了した。後は観戦していた魔法騎士団長の指名を受けるのみとなりライガは、


「マジかよ」


 参加者の1人が思わず声に出す。なんとライガは3人からの指名があったのだ。複数からの指名はあるにはあるがこれは数10年振りらしい。この場合は指名された側が選べる。ライガが選んだのは、


「フルール家の魔法騎士となります」


 5年前のパーレドが今回の試験参加のキッカケなのだから当然フルール家だ。これにてライガはフルール家の魔法騎士となり、


(待ってろよ、クウガ。絶対にお前も魔法騎士にしてやるからな)


 魔法騎士となり次の夢にために決意をするのであった。


 

 

次回は土曜日です。更新をお楽しみに〜。

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