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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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18話 協力

ソーン家が2年後には女王の座を継承するのがほぼ確定した状況でルーン家の女王候補であるアルフリートからアズサにとある提案がされた

「ルーン家とフルール家で手を組んで滅ぼしませんか?」


 アルフリートからの提案についてアズサは考える。


(ソーン家のステンノが女王となるのがほぼ確定した。それでも大帝国を滅ぼせば滅ぼした家の者が次の女王となれる。そのために手を組むというのは理解出来る。理解は出来るけど)


 手を組むのは理解出来るがだからといって組むかどうか決めるのはそんな簡単な事ではない。


「答えは先延ばしにさせてもらうわ」

「まぁ、突然の提案ですものね。待ちましょう。良い答えを期待していますね」


 そう言ってアルフリートはルーン家の屋敷に帰るのであった。


(即断出来ない時点で女王としての素質はあの出来損ないの姉のアリスの方が上ですね)


 アルフリートは魔法使いとしてはアズサを認めているが女王としての素質は全く認めておらず完全に舐めていた。


「下に見てるのが丸わかり。まだまだお子様ね」


 自分が下に見られているのに気づきながらも怒りは持たずに屋敷に帰るのであった。そして屋敷にある自分の部屋に戻る前に騎士団の寮に赴き部屋で安静にしているライガを自分の部屋に連れて行く。


「何かあったんですか? いや、あったんですよね。わざわざ連れて来るって事は」

「そうよ。次の女王はソーン家のステンノ様でほぼ確定したわ」

「ほぼ?」

「大帝は殺したけど大帝国を滅ぼしてはないから即座に継承はしないとの事よ」

「継承日は?」

「2年後よ。つまりお姉様の結婚と同じ年」

「2年後か。それまでに何とかしないとですね」

「それについてルーン家の女王候補のアルフリートから提案があったの」

「提案ですか?」

「協力して大帝国を滅ぼそうだって」

「協力するのは良い提案だと思いますけどクルーズの首を取るのが誰かで揉めそうじゃないですか?」

「そうなのよね」


 う〜んと悩む2人。そんな時にアズサの部屋の扉がノックされる。


「アズサいる?」

「お姉様、いるわよ」

「入るわね」


 アリスが部屋に入って来る。


「お疲れ様。無事に帰って来てくれて嬉しいわ」

「えぇ、ライガのおかげで無事に帰る事が出来ました」

「ありがとうね、ライガ。私の妹を守ってくれて」

「いや、その、専属騎士として当然ですよ///」


 アリスに褒められてデレデレするライガに蹴りを入れるアズサ。


「イッテ」

「デレデレし過ぎよ! 貴方はあたしの専属騎士なのよ! いくらお姉様が美女でもダメ!」

「はい、すみません」

「ふふっ、仲が良くて羨ましいわ。それでどうなったの?」

「はい、実は」


 戦争の結果、戦争の功績によりステンノが女王となる事、アルフリートから協力を提案された事を伝えた。


「受けなさい」

「えっ」

「受けなさないと言ったの。本気で女王を目指すならこの提案は受け入れるべきよ」

「で、でも」

「どちらが新しい大帝の首を取るかどうかで揉めるかを気にしてるんでしょうけどそんなものは大帝の首を取るとこまでいかないと意味がない。今はステンノを女王の座から引きずり下ろさない事には話にならないわよ」

「それはそうですけど」

「ほらほら、ルーン家に連絡入れてあげるから明日にでも提案を受けて来なさい」

「は、はい」

「それじゃあね。あっ! ライガも付いて行ってあげてね。協力関係を築くと言って罠にかけるとかもあるからしっかり護衛よろしくね」

「はい」


 そう言って自室に帰るアリスであった。


「はぁ〜お姉様をガッカリさせちゃったかも。即決するべきだったな〜」

「確かに即決するべき案件だったかもしれませんが別にガッカリしてないと思いますよアリス様は」

「そうだといいけど。それじゃあ、お姉様がアポ入れてくれるそうだしあたしたちは明日ルーン家の屋敷に向かいましょ」

「そうですね」


 こうしてゆっくりと休んでの翌日にライガはアズサの付き添いでルーン家の屋敷に向かう。


「ルーン家の屋敷も当然ながらデカいですね」

「当たり前でしょ。ルーン家は女王輩出率が3つの家の中で最も高いんだから」

「へ〜、勉強になります」


 そんな事を屋敷前で話していると、


「ようこそおいでくださいました。アズサ様。それから専属騎士のライガ様。代表とお嬢様がお待ちです。ご案内致します」


 執事が2人を案内する。そして、


「良く来たね。屋敷で会うの初めてだね。アズサくん」

「はい。お久しぶりです。オッズ様」

「そして、君が雷魔法の使い手のライガくんか」

「はい。初めまして」

「うちとしても雷魔法が欲しかっただけにフルール家に取られたのは残念だったがこうして協力関係を築けて嬉しいよ」

「そうですね。それで協力を提案したからには何か策があるのですよね」

「当然です。ねっ! お父様」

「ん? ないよ」

「「「えっ?」」」


 何か策があるのかと思ったがまさかのオッズの答えに3人は驚いた表情を見せる。


「策がないってどう言う事ですか! というか何でアルフリートが知らないのよ!」

「し、しょうがないじゃないですか! 私もてっきり良い策があると思っていたんですもの! というかどういう事ですか! お父様!」

「3つの家が協力しても大帝国を滅ぼせなかったんだ。2つの家で滅ぼせる訳ないだろ」

「そ、それではどうするのですか!」

「まずはゆっくり大帝国の情報収集だね。早速だがライガくんにはアルフリートの専属騎士であるエイタと共に潜入調査に行って貰うよ」

「出ておいで。エイタ」


 アルフリートが出て来るように言うと影から黒髪の目に隈のある細身の男が出て来る。


「よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」


 こうしてライガはエイタと共に大帝国へと向かう事になるのであった。


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