15話 ソール家vs大帝、ギールス
ソーン家は大帝の首を狙いセントラルセンターに侵入する。
大帝国の中央エリアにあるセントラルセンター。そこには大帝がいる。その大帝の首を狙ってセントラルセンターにソール家が侵入する。
「どんなに頑丈な建物でも穴を作ってしまえば簡単に侵入が、、、、あら? 穴を作れませんね。どうやら魔法に強い素材で作られた建物のようですね」
「魔道具の番だな。おい! お前ら!」
「はいっ!!」
兵士たちに強力な爆発を引き起こす魔道具をセントラルセンターに取り付けさせる。
「取り付け終わったな! それじゃぁ爆破しろ」
巨大な爆発によりセントラルセンターの正面入口が吹っ飛ぶ。
「よしよし。それじゃあ今度こそ突撃といこうか」
そう言ってメルト、ステイル、ステンノの3人はそれぞれ部下を引き連れて3手に分かれて大帝を狙う。そんなソーン家の中で最初に大帝のもとに辿り着いたのは、
「当たりは俺だな」
ステイルであった。大帝はベッドに寝ながらもスタイルたちを睨む。
「全くここまで侵入を許すとは五点星でもは何をやってるんだ」
「所詮は魔法を使えない人間の出来損ないだからな。そしてそのトップである死に損ないのあんたも死ぬ」
天帝に毒の雨が降り注ぐ。ステイルは毒魔法の使い手だ。ジュージューと溶ける音が響く。
「人体を溶かす猛毒だ。更に」
部下たちに魔法で攻撃させる。炎、水、風といった様々な魔法が天帝を襲う。
「呆気ないな。こんな簡単に終わるならもっと早くに我々ソーン家が王位を手に入れていたな」
そう言って帰ろうとするステイルだが、
「もう帰るのか?」
「何!!」
振り返ると無事な天帝が銃を構えて既に発砲していた。
「クソ!!」
毒の壁を作り防ぐが何人かの部下は倒れてしまう。
「普通の銃弾で死ぬとはな。魔法使いとは脆い生き物だな」
「テメェ!」
「ほれ追加の弾丸だ」
パチンと指を鳴らすと部屋の壁から銃が大量に現れて銃撃してくる。ステイルは毒のドームを展開して防ぎ切るつもりであったが、
「無駄だ。先程とは違い魔力耐性のある銃弾だ。そんなドームでは防ぐ事は出来ない、、、、、、なんて説明はもう聞こえんか」
ステイルとその部下は原型が残らないレベルの死体にされてしまった。それと同時にソーン家当主であるメルトと長女のステンノが大帝の部屋にたどり着く。
「お兄様!」
「妹か? 兄なら床のシミだ。そして、お前も同じように死ぬ」
ステイルを殺したのと同じように銃撃がソーン家を襲うが、
「舐めないで貰えますか」
穴を全方位に展開して銃撃を回収する。そして、
「お返ししますわ」
全ての銃撃を天帝に向けて射出する。
「!!」
驚く天帝はなす術もなく全ての銃弾を喰らう。
「お兄様が死んだしまうなんて。悲しい事ですが仇は取りましたわ」
「そうだったら良かったね。だが流石は大帝国のトップだ。そう簡単にはいかないようだよ」
「?」
殺したと確信していたステンノであったが優しくメルトは優しくまだ終わってないと教える。
「今のは驚いた。初めて見る魔法だ。欲しいな」
無傷で現れる天帝に、
「何故無傷なんですの?」
無傷の理由を聞くステンノだが、
「答える訳ないだろ。箱入り娘」
そう言って今の今までベッドで寝たままの天帝が起き上がる。
「新たな魔法は大帝国の新たな力となる。貴様は生け取りだ」
その言葉に反応するように床から剣が現れてそれを手に取り構える。構えを取った瞬間に年寄りとは思えない威圧感を放つ大帝に警戒するステンノであったが、
「速い!」
目の前に既に移動した大帝の剣がステンノを襲うも、
「手間のかかる娘だね」
すんでの所でメルトが斬撃を防ぐ。
「すみません。お父様」
「いくら優秀な魔法を持つお前でも大帝の相手は荷が重いな。ここは父の実力を見せよう」
「実力を見せる事なく死ぬと思うが?」
「老ぼれが何を言っても怖くはないですよ」
2人の高速戦闘が始まる。
(速い。実戦で見るのは久しぶりね。お父様の肉体強化の魔法)
メルトは魔法使いでは軽視されがちな肉体強化の魔法を極限まで使いこなせるようになった。そんなメルトの動きは人間とは思えないものであるがそれに魔法も使わずに大帝はついていく。
「魔法を使ってようやく互角か。所詮魔法に頼り切った堕落した連中だな」
「舐めていますね。これが全力だとでも? まだまだ速度は上げれますよ」
速度を上げるメルト。しかし、大帝は余裕でついてくる。それどころか、
「時間の無駄だ」
メルトの左腕を斬り落とす。
「ぐおおおお!!」
右腕を斬り落とされて絶叫するメルト。
「お父様!」
心配して駆け寄るステンノ。そんなステンノごとメルトを斬り殺そうとする天帝であったが、
「ごふっ!」
血を吐き手が止まる。
「はしゃぎ過ぎたか。ゲホッゲホッ!」
年齢を考えれば当然といえば当然だ。むしろ良く動いた方だ。そんな大帝に、
「今よ。やっておしまいなさい!!」
攻撃するよう部下に指示を出すステンノ。多種多様な魔法が大帝を襲うが、
「遅くなり申し訳ありません」
魔法攻撃により巻き起こった煙が晴れるとクルーズが大剣を振った態勢で現れる。どうやら大剣で魔法攻撃を斬って防いだようだ。
「謝罪はいらない。とっと殺せ、、、、あぁ、いや、あの娘は初めて見る貴重な魔法を使う。アレは生け取りだ。それ以外は殺せ」
「了解」
そう言って命令をこなそうとしたクルーズであったが殺気を感じる。
「大帝!」
大帝を何者かの斬撃を襲うのをすんでのところで防ぐ。
「何者だ? 建物の外からの斬撃がここまで届くとは」
斬撃が建物の外からから襲って来た。これにより建物は崩れてしまいソーン家とは分断される。見えはしないがソーン家の気配が離れていくので撤退したようだ。
「追撃は無理ですね。おまけに謎の襲撃者もいる」
「クソ! 他の五点星はどうした!」
「俺以外全滅です」
「チッ! 役立たず共が。魔法使いなんぞに負けおって」
自分の部下である五点星を役立たず呼ばわりす大帝は、
「お前もお前だ! 儂を助ける暇があれば奴らを殺せただろ! 手を抜きおって! 馬鹿者が!」
唯一生き残ったクルーズに暴言を吐く。
「そうでしたか。助ける必要がありませんでしたか。それは申し訳ない」
「だから謝罪はいらんと言って、、、、えっ?」
クルーズの大剣によって心臓を貫かれる天帝。
「昔は民を、部下を思いやる素晴らしい人だったのに。今ではただの老害。残念ですよ。大帝、ギールス」
「き、貴様!」
「安心してください。大帝の座は俺が引き継ぎオズワルドの連中は皆殺しにします。ですのであの世で待っていてください」
大帝から大剣を引き抜きその後首を刎ねるクルーズであった。そして通信機で兵士たちに連絡する。
「大帝は死んだ。オズワルドの兵と戦闘した事により寿命を縮めてしまったようだ。だが安心しろ! 俺がいる。大帝がいなくとも大帝国最強のクルーズが指導者となりオズワルドを殲滅しよう」
新たな大帝となったクルーズがオズワルドの兵士を襲う。
大帝死亡!&新たな大帝誕生!
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