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魔法騎士となり第二王女の護衛となったが親友が第一王女と共に戦争を仕掛けてきました  作者: 夜桜陽炎


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11話 大帝国侵略戦

 戦争が始まる。勝者はオズワルドか大帝国か。

 南エリアを担当するルーン家当主オッズとその娘である最年少の女王候補である赤髪の美少女アルフリート(13歳)は移動中の馬車にて今回の作戦について話し合う。


「我々ルーン家は南エリアへと侵攻する。恐らくここが一番手薄だろう。先日、アルスの手駒が五点星を瀕死にしたからね」

「ですがお父様。弱点をそのままにするほど大帝国は愚かなのですか?」

「いいやそこまで愚かではないだろうね。腹立たしい事に。北か中央のどちらかの五点星が出しゃばるだろうね。だが勝つのは我々だ。何せルーン家歴代最強の魔法使いである君がいるのだからね」


 オッズは娘の頭を優しく撫でる。アルフリートは撫でられて嬉しそうだ。そんな親子の団欒はあっという間に終わり大帝国の南エリアへと到着した。南エリアに到着するなりミサイルが飛んでくる。


「アルフリート、力を見せてあげなさい。これから女王となる君の圧倒的な力を兵隊達に」

「はい。お父様」


 そう言って馬車から降りるアルフリートの赤髪は魔力を解放すると同時に青色に変わる。そして、


「炎よ。敵を焼き尽くせ」


 青い炎が全てのミサイルを跡形もなく焼き尽くす。被害はゼロだ。それを見てオッズは、


「これが我がルーン家最強の魔法使いアルフリート・ルーンだ! この娘がいる限り我々に負けはない。今日大帝国は滅ぶ! 兵士たちよ! 行けーー!!」


 号令をかけ、それを聞いた兵士たちは駆け出していく。それを見てオッズは、


「アルフリート。君はミサイルの迎撃に集中しなさい」

「戦わなくても良いのですか?」

「ミサイルは君か私でなくては対処出来ないからね。大帝国の兵隊共はこちらの兵隊に任せようじゃないか。我々が出るとするなら五点星が出た時だ」

「分かりましたわ。お父様」


 アルフリートはまた飛来するミサイルを燃やし尽くすのであった。一方で大帝国側は、


「おいおい。また攻めて来たのかよ。しかも大部隊で。こりゃ全戦力投入したな」

「しかし好都合ですね。医療技術が発達したからすぐに名誉挽回出来そうだ」


 中央エリアの病院にてクルーズとギリカが戦闘準備していた。ギリカは発達した医療技術により復帰していた。この時点でオズワルドの作戦が崩壊する。何せ大帝国は中央エリアを除いた東西南北のエリアに五点星を配置出来るからだ。


「それじゃ、俺は東エリアに行って来るからお前も頑張れよ」

 

 そう言って移動弾に乗り込み発射されるクルーズ。それを見届けてギリカも同じように移動弾に乗り込もうとするのだが、


「??」


 視界が急に反転する。何が起こったか分からない。分からないがドラグーンを起動して戦おうとするのだが起動出来ない。何故なら言葉を発する事が出来ないからだ。人間から発せられる声は肺から送り出された息が声帯を振動させることで音が発生する。つまりは、


(首を斬られたのか)


 首と胴体が離れ離れになった事を意味する。ギリカの死体の近くには例の辻斬りがいた。辻斬りはもう用事は済んだとばかりにどこかへ消えるのであった。ギリカの移動弾が発射されないのを不審に思った技術者が何かあったのかと思い発射地点に行き、


「そ、そんな。ギリカ様!」


 ギリカの死体を発見してすぐに各地に連絡する。移動弾の中でその報告を聞いたクルーズはというと、


「それは不味いな。南エリアは侵攻されている真っ最中だ。カズキ、お前が南エリアに行け」

「北エリアは良いのか?」

「立地的にオズワルドが北エリアを攻めるには遠回りだから問題ない。それよりも南エリアを取られる方が問題だ」

「分かった。移動弾の準備を急がせる」

「頼んだぞ」


 クルーズは北エリアのカズキに指令を出して思考する。


(ブライに続いてギリカまで殺されるなんてな。辻斬りめ。この戦争が終わったらぶち殺してやる)


 辻斬りに殺意を抱くクルーズの入った移動弾が東エリアへ到着する。東エリアはフルール家が侵攻中であり既に甚大な被害が出ていた。


「来やがったな」


 移動弾から感じる圧力でクルーズだと判断するライガ。


「ここでアレと戦えるのはあなたしかいない。任せるわよ」

「死んでも勝ちますよ」

「ダメよ。生きて勝ちなさい。命令よ」

「難しい命令ですね。でも、まぁやってやりますか!」


 移動弾に向けて駆け出し剣を振るう。移動弾から砲弾のような速度でクルーズが飛び出し2人は激突する。


「性懲りも無くやられに来たか」

「舐めんなよ。今度は勝つ」


 東エリアにて激闘が繰り広げられたと同時に北エリアからはカズキが移動弾にて発射される。それを確認してオズワルドの諜報部隊が行動を開始する。北エリアに仕掛けた爆弾を起爆する。その混乱に乗じて北エリアの兵隊を殺していく。


「何が起こっているの! 報告しなさい!」


 北エリアでの爆発を西エリアから見ていたフウカが北エリアの兵隊に通信機で聞く。


「分かりません! 突然各地で爆発が起きているんです」

「チッ! 北エリアにオズワルドのスパイがいたって事ね。とにかく消火作業よ! それからオズワルドからの刺客がいるはずよ。見つけたら拷問して大帝国に何人スパイがいるか吐かせなさい!」

「了解しました」


 通信を切断するフウカに部下の1人が、


「北エリアに援護に行かないのですか?」

「ダメよ。ここで西エリアをガラ空きにするのがオズワルドの狙いよ」

「ですがこのままでは北エリアが保たないのでは?」

「ここは我慢よ。絶対に主力部隊が潜んでいる。そいつらが出るまで我慢の時間よ」


 フウカの考えは当たっている。しかし、


「はい。到着」


 中央エリアのセントラルセンター付近の空間に穴が開いてソーン家が率いる部隊が現れる。ソーン家長女であるステンノ。彼女の魔法は(ホール)を作り出す。これにより東西南北のエリアを経由しないで中央エリアへと侵入した。


「狙うは大帝の首ただ一つ」


 オズワルドが王手をかけたかに見えたがオズワルド本国では、


「何者です」


 王宮にいる女王アリアの下に大帝国の混乱を起こした辻斬りがいた。


「その首貰い受ける」


 


次回はライガvsクルーズ、アルフリートvsカズキ、辻斬りvs女王のどれかが勃発!!

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