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ハイレベル門別への挑戦②

ホクトノキズナは次走をjbc二歳優駿へ定める、しかし実際は地方のG2(M2)を勝っただけの馬であり、ホッカイドウ競馬の選定をクリアしないと出走はできなかった、そして陣営が前哨戦として選んだのが兵庫ジュベナイルカップ1400m(重賞Ⅱ)であった、二歳優駿から距離が400メートル縮まるが、強力な瞬発力と勝負根性を持ち合わせるホクトノキズナには大したことではないと思っていた。しかし実際は心のなかでいきなりの距離短縮で大丈夫かと全員が思っていた。だがそんなものはただの杞憂に終わり、4コーナーから直線に入ると一気に大外から差し切るいつもの勝ち方で一着の栄光を手にしたのである。そしてjbc2歳優駿の地方馬枠に見事選定され、」残すは本番だけとなった。

迎えた当日、門別競馬場は真岡とは比べ物にならないほどの熱気に溢れていた。そしてこのレースがキズナにとってはじめてのjra所属馬との戦いであった。14頭による争い、門別所属の大逃げチッピは最内枠の1番、同じく門別の韋駄天ダテは大外14番、そしてJRAの5連勝での重賞制覇のかかるブラックタキシードと恐怖の大王キングドデデデ、そして閃光マルスフラッシュは紹介順から4,5,6,番、そして真岡の英雄ホクトノキズナは8番、ゲート入りが終わり緊迫の数秒間、ガコンッと言う音とともにゲートが開き大きな歓声に変わる、やはりトップはチッピチャッピー、二番手に恐怖の大王キングドデデデ、大きく離された中団にブラックタキシード、、マルスフラッシュ、そして今日のホクトノキズナはいつもとは違って一番内側での戦いを強いられている、その後ろには韋駄天ダテがレースを見守る展開。向正面3コーナー手前で一気にチッピとキングドデデデにムチが入り、各馬もムチが入る、そんな中ホクトは一向に動こうとしなかった、このとき騎手の斎藤はこう考える「ここで先に行かして前に道を作り、残り330mの直線に入ったところで一気にムチを入れる、この馬は簡単には負けない」、、、と、そして他馬が前に行き、直線コースに入ったところで、一気にホクトノキズナが動く、ダテを置き去りにして、一気に3番手に上り詰める、残り200mの標識を通過して、内ではチッピチャッピーが粘るがもう限界で後退、そして恐怖の大王キングドデデデが先頭でリードを広げる、ホクトも持ち味の瞬発力と根性で力強く追う、ゴール板が見えてくる、二頭の激しい競り合い、しかし、大外から思いもよらぬ馬が来た、「大外一気でマルスフラッシュだフラッシュがやってくる」場内は混沌を極め、全員が自分のかけた馬、愛する馬の声を必死に叫んでいた、残り50、外からはフラッシュ、内はデデデ、そんな中、一気にホクトが差し切る、しかし外のフラッシュが交わしそうだ、どっちかわからない、そんな状況でゴールイン、その時、騎手の斎藤は自分の目の前の景色が信じられなかったのである、なんと1着馬は内から最後の気力で差しかえしてきたキングドデデデだったのだ、そしてマルスが二着、ホクトは3着、地方馬では最速でゴールした馬であったものの、その日の厩舎内では、あと少しで勝てたという気持ちと、あと一工夫してやれたんじゃないかと、全員が葛藤していた。

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