閑話 三人娘[白い羽]
ナード王国の南西にある奇岩地帯。
そこに大きな奇岩に隠されたように大穴があった。
その大穴に入ると中には古代遺跡があったの。
私、細剣士シルファと大剣士のアタリア、聖導士のソニア、4級冒険者[白い羽]が最初に発見した古代遺跡。
だから私達が誰よりも先に調べたいの!
最初来た時は奥の大扉までいったけど開かずに諦めた。
けど、今回は大丈夫!
「よしっ!また奥まできたね」
私達は最奥の大扉の前まで来ていた。
ここに来るまでにアーマースパイダーとか獣系の魔物が出てきたけど問題なく進めた。
「確か溝を探すんだったか?」
アタリアちゃんが男性口調で話す。中身は結構な乙女なのにね。
「ええ、モミジさんがそう言ってましたね」
普段は優しいソニアちゃん。でも怒ると怖い…
「カードキーが入る場所を探さないとね」
モミジさんに会えたのは幸運だった。カードキーの使い方がわかったし、直してももらった。
「でも不思議な人だねモミジさんて…」
溝を探しながらそんなことを思ってしまう
「ああ、そうだな…なんていうか隙があるのに無いというか…ただ者じゃないだろうな」
やっぱりアタリアちゃんも感じてたんだ。
「フードをあれだけ深く被ってたのですから、何か訳ありなのかもしれませんね」
確かにソニアちゃんの言う通りかも…顔が全然見えなかった。
でも声がよかったよね。
「! ありました。たぶんコレが溝です」
大扉のすぐ右横に隠すように溝はあった。
「じゃあ差し込んでみるぞ」
革袋からカードキーを取り出したアタリアちゃんが
溝にカードキーを差し込むと…
「うわ!カードキーが光った!」
カードキーにある模様が緑色に光りだす
「扉が開きます!」
重い音をたてて大扉が開いていく…
「よしっ!」
「やったね!二人共!」
大扉が開ききり私達は中に入る。
中は広い空間になっていた。
天井もかなり高い。
そして、その中心には全高2m立ち上がれば3mほどの石の人形が鎮座している。
再び重い音を響かせ大扉が閉まっていく。
「ゴーレムだ!」
石の人形[ゴーレム]が鈍く動きだす。
「動きを止めます」
ソニアちゃんが冷静に詠唱を唱える。
「光りの精よ 堅牢なる光鎖をによりて 縛めよ」
杖を立ち上がろうとするゴーレムに向け
「拘束!ライトバインドチェーン!」
光りの鎖がゴーレムの周囲の空間から現れ手足に巻き付き拘束する。
さすがソニアちゃん!判断早い!
「次!私が行くよ!」
ゴーレムはコアを壊さないとずっと動き続ける。
まずは頭からだね。
私は飛び上がりゴーレムの頭を狙う
「細剣技!トリプルピアッシング!」
細剣に魔力を纏わせ高速の3連突き!
ゴーレムの頭部に3つ穴が空く
「頭部にコアは無いみたい!アタリアちゃん!」
既に大剣を構えているアタリアちゃんに合図をおくる。
「まかせな!シルファ!」
アタリアちゃんの筋肉が膨張する。
「大剣技!クラックブレイク!」
[クラックブレイク]は打撃系の大剣技、大剣に魔力を纏わせて大剣の腹で思いっきり殴りつける脳筋技。
ゴーレムの胴体が破壊され崩れていく、コアが無事なら再生が始まるけど…
「再生しない!よしっ!コア破壊成功だ」
半壊していたゴーレムは崩れていく。
アタリアちゃんの本当に脳筋だよ。
「石のゴーレムで助かりましたね。魔銀製のゴーレムでしたらどんな目にあっていたか…」
ソニアちゃんの言う通りだよ。
魔銀製のゴーレムは本当にヤバい、少し前に合ったことあるけど一目散に逃げたからね。
「おいっ!奥の扉が開くぞ!」
部屋の奥に小さい扉があり自動的に開いていく。
私達はその扉に向かう
中は小さな部屋になっておりそこには……
「た、宝箱だ!」
「デカいな!」
「やりましたね!罠はかかっていないようです!」
私達は宝箱に駆け寄り3人で一斉に開けると…
「「「おお〜〜〜〜〜〜!」」」
私達は金銀財宝や魔導具を手に入れた。
これで装備を新調できるよ。
モミジさんに改めてお礼しないと。
できたら素顔を拝見したいな。
そうだ妹さんのところでお買い物もしよう。
私達4級冒険者[白い羽]は金銀財宝を手に入れ意気揚々と王都へと帰るのでした。