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俺の名前は 南風花 仁

しがない会社員で、27歳。

あと3年もすれば大魔導士になれる男、いや永世DT資格を保持できる男だ。


そんな俺は今自殺をしようとしていた。

何故かって?

そんなの決まってるだろ?


なんかもう人生全部面倒くさくなってきたし、面白くないからだよ。

やりたくない仕事して、休日はダラダラしながらSNSを見て一日を怠惰に過ごし、同年代が結婚や出世をしてるのを見れば妬み、悔しいと思っても行動せずに何の努力もしない。

努力した所で俺は……………


はぁ…こんな自分が嫌になる。分かってるんだよ。

頑張れば解決できる理由で自殺しちゃダメだって、生きて足掻けって事ぐらい。

でも…もう…そんなのどうでもいいんだ…どうせ努力したって俺には才能がないんだから。


小学生から高校生までやっていたサッカーも

どれだけ頑張っても、努力しても、才能の壁を越えられなかった。

勉強だってそうだ。人一倍頑張っても平均点しか取れずにいた。

俺自身は凡人だと、秀才にもなれない奴だと10代の頃に気づいた。

だからといって努力を怠ったことはなかった。

頑張れば俺もあの憧れのサッカー選手みたいに…!!

俺は遅咲きの才能なんだ!だから開花するまで頑張るんだ!って…認めることを、諦めることをしなかったんだ。


そしてその不屈の努力もついに折れた。

折れた俺には努力する気が無くなって…いや、努力に裏切られてるんだなと感じ、自分は何を行っても凡人のままだと再確認して絶望したんだ。


報われない世界なんて誰だって嫌だよな。


だから俺は死ぬんだ。解放されたいんだ。

こんな何も面白味のない人生から。


え?死ぬなって?悲しむ人がいるって?

…生憎俺には、悲しませる人、悲しんでくれる人がいない。

俺には親しい友人も、頼れる先輩とかも、会社で仲が良い人とかもいない。

家族とも3年前に大喧嘩したっきりで何も関わりがない。 

孤高になりたかった男は孤独の人間になるのだよ。


……じゃ、死ぬか。

部屋はガスで充満してる。

後はライターをつければ…


………………いや一人、悲しませる人が居たかもしれない。

俺を、俺の事を好きになってくれた女の子

蒼桜彩音という俺が唯一添い遂げたいと思った女だ。 


彼女は高校時代に2度、俺に告白してきた。

告白された時は正直嬉しかった。 


クラス1の美少女が、誰にでも分け隔てなく接する子が、こんな何も才能も取り柄のない俺だけに特別な感情を抱いていたのだから。


………でも俺は告白を2回とも断った。

理由は単純。

俺みたいな犬の糞以下の人間の最底辺が高嶺の花の彼女と一緒に幸せな道を歩んで行ける自信がなかったからだ。

それだけだよ。




……じゃあ………さようなら。

俺はライターから火を出して_______

ボフ!バァァァン!!!!






皆さんこんばんは、夕方のニュース速報です。

今日未明…○△□市に住む20代後半の男性の遺体が凹凸□アパートの部屋で倒れているのが発見されました。





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