2話 魔法と狼とそれから私
とりあえず 魔法の詳細 見てみよう
ふむ。季語がないから俳句じゃなくて標語だ。魔導書に転生した人標語なら間違いなく金賞だろう。
「魔法っ♪魔法っ♪」
テンションが上がるのも仕方ないよね!だって魔法だし!男の夢だよロマンだよ!さっそく見てみよう!
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火魔法レベル1(0/50)
イグナイト
ファイアボール
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「イグナイト!」
とりあえず使ってみた。何事もも実戦あるのみだからね!
「あっ!やばっ!」
僕がなんとなく見てたところに魔法陣が展開され、魔法陣に接してる地面の草が燃え始めた!そうだよね!着火だもんね!ヤバイよ!早く消さないと大火事になっちゃうよ!
「そうだ!水魔法で火を消そう!」
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水魔法レベル1(0/50)
クリエイトウォーター
ウォーターバレット
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ちょうど消火に適してそうな魔法があった!
「クリエイトウォーター!」
炎を見つめ魔法を放つと、炎の真上に魔法陣が出て大量の水が出てきた!
「あぶなぁい。よかったぁぁぁぁ。」
出てきた水で炎は無事に鎮火できた。
「それにしても、出てきた水の量、かなり多かったな。」
「クリエイトウォーター!」
なんとなく、さっきより少なく出ないかなぁ、と思いながら魔法を放つ。
「おぉっ!」
魔法陣が現れるところまではさっきと同じだが、出てくる水の量が明らかに違う!さっきはバケツをひっくり返したぐらいの水量だったが、今度は蛇口ぐらいだ。
「魔法!おもしれぇぇぇぇぇぇぇ!」
なにこれ!楽しすぎるでしょ!水量が変わったのはイメージ?それとも別の何かのせい?僕はのめりのむと深くまで掘り下げたくなるタイプなんだ!
「よしっ!もう一回!」
ガサッ
「なんだろ・・・・・うっ?」
僕が魔法を使おうとすると、後ろて物音がしたので振り向く。するとそこには、灰色の毛並みの狼が佇んでいた。
(絶対味方じゃないよね!グルグルって威嚇してるし!どうしよう!もう一回死にたくなんてないよぉぉぉぉ!)
驚愕と恐怖で動けないが、幸いにも狼が襲ってくることはなかった。というか、宙に浮いてる魔導書を見て警戒してるって感じっぽい。
「ごめんね。ファイアボール!」
恐怖で火事とか気にしてる余裕はない!早く倒さないと!それでも謝罪を口にしたのは、地球にいた頃の倫理感のせいだろう。僕の目の前に魔法陣が展開される!そこから頭ぐらいの大きさの火の玉が射出される。
幸い、火の玉は狼に直撃した。燃えながら地面をのたうち回る狼。肉が焼ける匂いがするが、食欲をそそられるようなものじゃない。僕が人間だったら確実に嘔吐していただろう。
しばらくすると狼は息絶えたのか動かなくなった。
ファンファーレのような音が聞こえるが、僕はただ狼の亡骸を見つめる事しかできなかった。
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