0話 転生
「ここは…」
気が付いたら真っ白な空間にいた。周りを見渡す……...
見渡すことができない!昔のRPGの戦闘画面みたいに視点が固定されている!
僕が混乱していると突然目の前が光った。
「まぶしっ」
目が~目が~と悶える僕。
「あなた、結構余裕がありますね。」
突然目の前から話しかけられる。先ほど光が迸った場所に女神みたいに綺麗な人が佇んでた。
「「女神みたい」じゃなくて、本物の女神です!」
心読まれてる?
「はい!読んでます!」
元気が良さそうで何よりだ。
「何おじいちゃんみたいな事言ってるんですか!」
混乱しすぎて逆に落ち着いてしまった。
「混乱させてしまった事はごめんなさい。説明させて貰っても良いですか?」
神様のわりに丁寧な人(?)だなぁ
とりあえず話を聞かないと何もわからないし続きを話して貰おう。
「簡単に説明させていただくとあなたは地球で死亡しました。」
そっか~死んじゃったか。
本当はもっと慌てるのが普通なんだろうけど、生憎、闘病生活中に覚悟はしていたので、僕は死んだという事実をすっと受け止める事ができた。
「それで貴方には私の管轄する世界、オリーブに転生してもらいます。」
転生か!ライトノベルなんかで鉄板の展開だ。
けどなぁ。絶対に魔王と戦うとか、使命を背負うとか無理だと思う。だって地球にいた時はただの高校生だよ!しかも病弱な!
「安心してください。」
女神様が僕の思考に答える。
「特にこれといった使命などはありませんよ。」
えっ?ないの?
「ないです!私はよく、別世界の早くして亡くなった方を、私の世界に呼び寄せているのです!なので貴方も他の方のように自由に第二の生を生きて下さい!」
それなら良かった!モンスターと戦ってみたいとは思うけど(男の子だもん!仕方ないよね!)さすがに魔王とかは無理だしね。
っていうか、ライトノベルとかの転生に引っ張られてるけどオリーブはどんな世界なんだ?
「おおよそ貴方の考えてる通りの世界ですよ。剣と魔法のファンタジーってやつです。」
.........やったぁぁぁぁぁぁぁ!!
これを聞いて喜ばない男子がいるか!いや、いない!
「ちなみに職業とかステータスとかもあります。」
ありがとう。そして、さようなら。僕は喜びで永遠の眠りについた。
皆様、ご愛読ありがとうございました。
「終わらないよ!まだ0話なんだから!むしろ始まったばかり!」
はて?0話とはなんぞや?
「そこは~、その~、気にしないで!」
笑顔で乗り切られた。
「そうだ!転生する人にはある程度融通をきかせてるんだ!貴方はなにか望みはあるかな?」
ごまかされた気がするが、まあ、いいだろう。それよりも、要はチートだよな!何がいいかな~。僕はルンルンだ。
「そろそろ決まったかな?そういえば言い忘れてたけど、鑑定はみんなにあげてるよ。全く何も知らない世界で鑑定がなかったら大変だからね!」
確かに!というか、浮かれてて全然まともに考えてなかった。手からレーザーとか使い勝手悪そうだもんね。あぁ…レーザー...打ちたかったなぁ...。
はぁ、そっか、下手したら転生してすぐにまた死んじゃうかもしれないんだしなぁ。剣とか近接は怖いな、弓とか当たる気がしないし。そしたら僕が望むのは
全部の魔法を使えるようにして下さい!
「かなり欲張りだね。」
さすがの女神様も若干呆れ顔だ。
「最初から全部の魔法使えるなんて無理だから、レベルアップで徐々に使える魔法が増えてくって感じでいいかな?」
それでいいです!というかあんな無茶みたいなお願い、叶えられるんだ!
「貴方の思ってる通りさすがに無茶だったので、他のところで調和を取りました!」
えっ?なんか笑顔で不穏なこと言わなかった?
「それでは!いってらっしゃーい!」
地面に穴があく。
ちょっ!待って!あ~れぇぇぇぇぇ~
僕の視界は暗転した
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