始まり①
なんか、変だな……
手足が動かない、ぼうっと下頭では何が起こっているのか分からない。
「起きたか」
大男が、こちらをじっと見ていた。手にはアサルトライフルの様なものを持っている。
(誰、この人)
逃げようと、立ち上がろうとするが、起き上がれない
両手足に、結束バンドのようなものがつけられているようだ。
「ザック、怖がらせちゃってるじゃない」
明るい、女の子の声がした。
体をねじり、そちらの方を見ると同い年くらいの、活発そうな女の子が立っていた。
「あの、どうして私の家に...」
震える声を抑えて、言葉にしてみた。
「昨日、あの現場にいただろ」
大男が立ち上がり、銃口を私の方へと向けた。
「選べ」
段々と混乱が深くなる。頭が真っ白になり、何も考えられない。
「ここで死ぬか、仲間になるか」
さっきまで明るい表情をしていた女の子も、冷たい顔でこちらを見ている。
「仲間になります!」
えらく早口だっただろう、震えた声だったかもしれない。
私は何も考えることが出来ずに、即答した。
大男が、銃が下ろされ、拘束具をとかれる。
私はそっと胸を撫で下ろした。多分、涙が出ているんだと思う。
一気に視界が真っ黒になった、顔に布の当たる感覚がする。
「もう、泣きすぎだよぉー」
女の子が、涙を拭いてくれていた。
それもあって落ち着いてきたのか、今まで気づかなかったことに、気づいてきた。
大男に見えてていたが、実際はあまり身長は高くなく、
女の子の腰には刀がついていた。
「私はヒマワリ、よろしくね」
元気に挨拶された。あの冷たい顔が嘘みたいな、明るい表情だ。
「よろしくおねがいします」
頭を深々とさげ、挨拶をした。挨拶なんて、普段しないし、なんなら人とも話さないので、どうすれば良いか分からず、血迷った結果だ。
「そんな、土下座みたいに挨拶しなくても...」
ヒマワリは若干引いたような顔でこちらを見ていた。
思わず顔が赤くなってしまう。
「こっちはザック、隊長さんだよ〜」
またもや、表情が笑顔に急変し、隊長さんのことを語り出した。
ちょっと、情緒不安定気味な人なのかな?
初めとは、別の意味で怖い。
「行くぞ」
隊長さんがヒマワリの話に割って入る。
「行こう、桜ちゃん」
話をピタリとやめ、ヒマワリは私の手を掴んだ。
「なんで、私の名前、知って...」
ヒマワリは全く話を聞いていないようだ。私の手を力まかせにぐんぐん引っ張っていく。
どこに連れていかれるんだろう、危なくない場所だったらいいな。
私これからどうなってしまうんだろう。
為す術なく車に乗せられ、私はずっとそんなことを考えていた。
処女作ですので、大目に見てくれると幸いです
出来ればブックマーク等をして下さると嬉しいです
よろしくお願いします。