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『コポルクク、ハイラムの写本』 513頁
運び屋のルール。
1)パッケージのなかを覗かない。
2)官憲に捕まってもクライアントを売らない。
3)暴力は禁止。
4)眼鏡は禁止。
5)雨天の料金割増は10%まで。
【ガル】「これはどれくらい真剣に守るんだ?」
【音楽隊通り22番地の男】「3と4はやぶってもいい。だから、その眼鏡は捨てなくてもいいぞ」
【ガル】「助かる。もう書記オートマタではないから、かける必要はないが、製造されてからずっとかけている。ないと落ち着かないんだ」
【音楽隊通り22番地の男】「度は?」
【ガル】「入っていない」
炭焼きのゴルポウスはミアベラを裏切者と罵りながら、雄牛の角に結びつけたたいまつに火をつけ、狂った牛を結婚式の場へと放った。
――『コポルクク、ハイラムの写本』 513頁