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『旧記』 第8章 第8節

 騎馬像の台座によりかかりながら、販売オートマタのケリーと、ゴート党の機関紙を売るのが一番お金になると、話していた。

 黒い頭巾と馬衣をかぶせられた二頭の馬がガラスをはめた黒い霊柩車を曳いていて、ガラスのなかではごく小さな棺桶があり、街じゅうから買い集めた白い花が衝撃吸収材みたいに押し込められていた。

「気のふれた母親や酒におぼれる父親はいるか?」

「いないな。抑制された中産階級風の葬式だ」

「さては子どもは愛されてなかったな?」

「さすがにその推測はひどいな」

「おれに子どもはつくれないけど、作ることができたら、もっと派手に泣くぜ」

 馬車が市場の商店の並びの前を粛々と進む。

 果物店の前で、あの男を見かけた。

 買っているのはザクロだった。

 ザクロは好きだけど、ザクロジュースは飲めない。

 そういうことだろうか。

 オートマタ的に考えてみた。

 マッコウクジラの脳は食べられるけど、脳油は飲めない。

 ありえないな。

アラバンは袋に詰めた鶉一羽だけで、一万の信徒を従わせ、サガト荒野を横断した。

                       ――『旧記』 第8章 第8節

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