3話:旅立ちの日③
この《フィーディリア王国》では7歳から14歳まで基礎学習を行う。7年間で算術、歴史、読み書き、倫理、経済、魔術基礎の6科目を学習する。そして卒業までに進学、就職、冒険者のうちから進路を決めるのだ。
高等学校は国のお役所や研究職・教育職を目指すために必要な進路でお金持ちや成績優秀者が進学をする。
就職は文字通り街の仕事に就くことで、今年も兵役についたり家業に就いたりする人が多かった。
冒険者は数々の依頼をこなす。迷い猫の捜索から魔物の討伐まで、所謂「なんでも屋さん」と言った感じだ。危険を多く伴っていたり、報酬も不安定なのであまり選ぶ人は少なかったが《一攫千金》という夢がある。俺は酒飲みのクソ親父の姿にうんざりして、この小さな田舎町で一生を過ごしたくない。母さんをもっと楽にさせたいから冒険者を選んだ。
冒険者は登録更新のため3年に1度は故郷の町にに戻り再登録が必要だ。更新料は徐々に高くなる最大6回で6回更新した人はギルドマスターと呼ばれ各冒険者ギルドの長や国の兵役訓練長などに就くことができる。
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【冒険者更新料】
順当に冒険者更新をするとこのようになる
・初回登録料金銀貨1枚(1万円)……14歳以上
・1回目銀貨6枚(6万円)……18歳
・2回目金貨3枚(30万円)……21歳
・3回目金貨12枚(120万円)……24歳
・4回目金貨30枚(300万円)……27歳
・5回目白金貨1枚(1000万円)……30歳
・6回目白金貨3枚(3000万円)……33歳
冒険者の更新がされなかったものは再びギルドの依頼に就くことはできない。しかし更新料を払う事ができない冒険者は、次回払う更新料を1.5倍にする事で3年の猶予をもらえる。
しかし冒険者は若さも武器にも繋がる。1度でも更新を怠ったものは自分から就職の道に進む者がほとんどだ。