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第十九章 亮太、合コンに参加する

亮太は泉と秋山家に同居して心配していた遺産問題も落ち着いて平和な日々を送っていた。

粉雪舞い散るある日、昌子は手足がかじかんで寒い思いをしながら通勤で駅から会社まで歩いていると、後ろからきたセドリックが赤信号で停車した。

追い越された時にドライバーは薄着だったので、信号待ちしているセドリックの横を通った時にドライバーを見ると亮太でした。

昌子がそんな亮太を見て、私は駅まで走って満員電車に揉まれて、夏は汗だくで冬は手足がかじかみ梅雨や台風の時はずぶぬれで苦労して通勤しているのに陽子のやつ、会社の地下駐車場まで優雅に車通勤しやがって・・・と不満そうでした。

腹の虫がおさまらず、亮太を陥れようとして麻里や文子に誘いをかけても、「陽子さんは秋山官房長官の娘で、辞退したとはいえオリンピック選手に選ばれているのよ。今考えると秋山官房長官に見つかる可能性があるとして辞退したのかしら。とにかく相手が悪いわ。もし、秋山官房長官の耳にはいれば怒らせるわよ。“チームワークを乱すあの女を除外しろ”と社長に命令すれば、私達は簡単に解雇されるわよ。」と誰も昌子には従わず、亮太の味方になっていた。

昌子が、「オリンピックと会社とは関係ないじゃないの、退職して正式にコーチになればいいじゃないの。」と反論した。

文子は、「バックに秋山官房長官がいるし、陽子さんは男性社員と話を合わせるのが上手で、男性社員の人気も高いのよ。男性社員に止められるわよ。私が陽子さんのデマを流そうとした時に男性社員からこつかれたのよ。」と誰も昌子には従いませんでした。

    **********

そんなある日、総務部女子社員、滝山真由美より、「東証一部上場商社と合コンする事になり、先日他部署にも依頼して参加希望者を募りました。」と合コンの予定がある事を伝えた。

亮太は、「そういえば、そんな回覧が女子社員の間で回っていたわね。私は男性と付き合う気はないので断ったわ。」と回覧の返事を伝えた。

真由美は、「その結果、参加人数が三人足りないのよ。人数合わせでお願いできませんか?」と女子社員からの人望が厚い亮太が参加すれば、他に数人参加するかもしれないと、期待している様子でした。

亮太は、「なんで私が合コンに参加しなければいけないのよ。第一、男性と付き合う気がないので相手の男性に失礼でしょう。」と断った。

真由美から、今更断れないと、強く依頼されたにも関わらず断っていた亮太の様子を見て、昌子は何かあると疑った。

「陽子さん、付き合う気がなければ断ればいいじゃないの。ただの人数合わせだと気軽に考えればどうですか?私も参加しますのでね。陽子さんと熊川先輩とは仲がいいので、熊川先輩を加えた三人で参加しましょう。」と亮太には何か秘密がありそうなので、暴こうとして亮太を安心させる為に、泉にも依頼していた。

泉は乗り気で、「いいじゃないの。陽子ちゃんは嫌がっているの?大丈夫よ、今晩私が説得するから任せて。明日には返事できるわよ。」と女性として男性と向き合うチャンスだと判断して引き受けた。

    **********

帰宅後泉は、「亮太、総務の真由美が幹事をしている合コンの件ですが、男性と向き合う練習よ。合コンだから私もいるので絶好のチャンスよ。」と説得した。

亮太は、「男性なら会社にもいるよ。」と消極的でした。

泉は、「何言っているのよ。会社の男性は同僚で恋愛対象ではないでしょう?」と合コンとは違うと主張した。

亮太は、「何で男と恋愛しなければならないんだ。」と逃げた。

泉は、「亮太は、まだ男性から告白されてないでしょう?男性から告白された時の練習よ。」と説得して、亮太も泉に頼まれると断りきれずに渋々了承した。

翌日泉は昌子と真由美に亮太を説得したと伝えた。

昌子と真由美は、「さすが熊川先輩、陽子さんと仲がいいだけあって、あれだけ反対していた陽子さんをよく説得できたわね。」と感心していた。

合コン当日、昌子は、亮太が合コンの事を忘れているようでしたので、「陽子さん、何しているの?行くわよ。」と声かけした。

亮太は、「そんなに慌てなくても、少しぐらい遅刻しても大丈夫よ。」などとグズグズしていた。

そこへ泉が来て、「何しているのよ。陽子、いくわよ。」と本当にいくのか?と嫌がっている亮太を更衣室まで無理矢理引っ張って行った。

昌子はその様子を見て、さすが親友なだけあって強引だわね。私には格闘技の達人の陽子さんにあそこまでできないわ。と感心していた。

    **********

合コン会場に到着すると、相手の商社マンの中に泉と亮太の大学時代の知り合い、谷垣仁がいた。

お互いの自己紹介中に谷垣が泉に気付いて、「熊川じゃないか。元気にしていたか?亮太が死んだので合コンで新しい男を捜しにきたのか?」と懐かしい再会に浮かれていた。

商社マン達は、「谷垣、お前の知り合いか?」と確認した。

仁は、「ああ、俺の大学時代の同級生だ。熊川には彼氏がいたが交通事故で亡くなった。今はフリーだ。熊川、お前の隣にいる娘は可愛いじゃないか。紹介してくれよ。」と泉に依頼した。

亮太は泉にだけ聞こえるように小さな声で、「何で俺が谷垣と付き合わなければならないんだ!」と不愉快そうでした。

泉は、「谷垣君、この娘はあなたに合わないと思うわよ。」と亮太の友達だったので、亮太の事を気付かれないように断った。

仁は、「そんなの付き合ってみなければわからないじゃないか。君、名前は?」と亮太に興味がある様子でした。

亮太は、「さきほど自己紹介したでしょう?覚えてないの?私に興味があれば覚えているはずよね。私は秋山陽子です。」と再度自己紹介した。

仁は、「全員の名前は覚えられないよ。そう言うのだったら、俺の名前を覚えているか?」と確認した。

亮太は、「谷垣仁さんですよね。」と返答した。

仁は、「さきほど、興味があれば名前を覚えていると言っていたが、私の名前を覚えているのは私に興味があると考えてもいいですか?」と亮太に迫った。

亮太は、「それは自信過剰ですね。私は亮太さんとも知り合いでした。亮太さんから谷垣さんの事は聞いていたので、たまたま名前を覚えていただけですよ。突然突風が吹けば、前を歩いている女性のスカートがめくれそうだと喜んで注目していたそうね。」と笑った。

他の女子社員から、「いやらしい。」と睨まれた。

仁は、「何言っているんだ!亮太だって、・・・」とリベンジしようとしていた。

泉が、「亮太がどうしたの?まさか死んだ人の事を悪く言うつもりじゃないわよね。」と睨んだ。

仁は、「そんなつもりはないが、男だったら誰だって気になるよ。亮太もその中の一人だと言いたかっただけだ。」とかわした。

亮太は、「亮太さんは気にしていなかったようですよ。谷垣さんが注目したので気付いたそうよ。あの亮太さんが、泉以外の女性に目を奪われる事はないわよ。」と相手にしなかった。

仁は、「だから、それが普通の男だよ。」と不愉快そうでした。

亮太は、「それじゃあ、亮太さんは普通じゃなかったの?谷垣さんは女に貢がせて、金がなくなったら新しい女に貢がせると言っていたそうね。それが普通の男だとでもいうの?」と自分が普通の男ではなかったと言われたようで不愉快でリベンジした。

真由美達女子社員は、「本当なの?騙されないようにしよう。」と警戒していた。

    **********

仁は立ちあがり、「熊川!その女、何者だ!」と焦っていた。

泉は、「谷垣君が紹介してくれと言った、あなた好みの女性よ。」と仁の裏の顔を亮太が教えてくれたと感謝していた。

亮太は、「なんでこんなのに好まれなければならないの?女は一発やってしまえばこっちのものだ。いくらでも貢いでくれるよ。と言っていたそうね。それが普通だと考えているのでしたら、皆さんもそうなのかしら?」と他の商社マン達の様子を窺っていた。

仁は、「五月蠅い!黙れ!熊川!お前より亮太の事をよく知っているじゃないか。お前は亮太に遊ばれていただけで、本命はこの娘だったんじゃないのか!」と八つ当たりした。

泉は、「そんな事ないわよ。この娘は亮太と私の共通の友達よ。」と反論した。

亮太は、「そうね。亮太さんは、結婚は泉としか考えてないと言っていたわ。私の事は眼中になく、妹のように思われていたようね。」と笑っていた。

他の商社マン達は、「谷垣!お前のおかげで、俺達の印象も悪くなったじゃないか。」と不愉快そうでした。

結局今回の合コンは、真由美達女子社員が、“五月蠅い!黙れ!”だなんて酷いとドン引きした為に失敗に終わった。

帰り道、真由美は、「熊川先輩、陽子さん、あいつらの正体を暴いて頂いてありがとうございました。何も知らずに付き合っていれば、酷い目に合うところだったわ。噂どおり、陽子さんは頼りになるわね。」と他の女子社員達と感謝していた。


次回投稿予定日は、4月27日を予定しています。

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