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第二十三章 亮太、大学時代の親友にばれる

亮太は泉のいない時に、男性だったころに使っていた昔の携帯で昔の親友とメールしていた。

ある日、亮太が部屋で昔の携帯を使用しているときに泉が入ってきた。

亮太が慌てていたので泉も気付いて、「ちょっと亮太、その携帯、男性だった頃に使っていた昔の携帯じゃないの?まさか解約せずにまだ使っているの?声が違うから話もできないでしょう?それに名前も変わったし、亮太は死んだ事になっているからどうやって料金を支払っているのよ。」と昔の携帯で、何をしているのか気になっている様子でした。

亮太は、「ばれたか。料金支払いに指定している亮太名義の口座はまだあるよ。キャッシュカードで口座に入金している。しかし、お前、俺の携帯をよく覚えていたな。」と感心していた。

泉は、「そりゃ気付くわよ。今時、ガラ系の携帯使っている人はいないわよ。白石亮太はこの世に存在しないのよ。偽名を使っている事になるのよ。これは犯罪だから、ばれたらやばいわよ。」と心配していた。

亮太は、「大丈夫だよ。主人の銀行口座を女房が使っている事はよくあるよ。銀行も、白石亮太の家族だと思うよ。」と全く心配していませんでした。

泉は、「本当に大丈夫なの?私を変なゴタゴタに巻き込まないでよ。メールしているの?死んだ人からメールがくれば気味が悪いでしょう。そのあたりからばれないとも限らないわよ。本当に大丈夫なの?」と危険を冒してまで亮太が何をしているのか理解できない様子でした。

亮太は、「実は、仲の良かった数人とメールしている。確かに、何人かには気味悪がられたが、数人は信じてくれてメールしている。皆、俺に会いたがっているが、とても会える状態じゃないと断っている。」と現状説明して白状した。

泉は、「死んだ事になっている亮太が生きているとよく信じてくれたわね。何故なの?」と不思議そうでした。

亮太は、「俺しか知らない友達の秘密をメールで指摘したからだ。それで信じてくれた。」と説明した。

泉は、「そうか。秘密を知っている友達だけ信じてくれたのね。だからあんな連絡があったのか。」と納得していた。

    **********

亮太は、「あんな連絡って何だ?一人で納得するなよ。」と何があったのか心配そうでした。

泉は、「その携帯見せて。」と電話帳を確認した。

その後泉は、「やっぱりあったわ。この人よ。松島友彦さんから亮太は生きているようだが会ってくれない。何か知らないか?と聞かれたわ。どうするのよ。私を変なゴタゴタに巻き込まないでよ。」と亮太がメールなんかしているから、生きていると信じてくれた友達が、なんとかして亮太に会いたがっている事を伝えた。

亮太は、「俺の事を泉以外にも色々と聞いて、変な噂が広まらないようにする必要がある。松島は信頼できる親友だ。俺が電話しても声で信用されない。俺を連れて行くと連絡してくれ。どこか人目につかない場所が良いな。」と自分が蒔いた種なので、昔の親友に会う事を決意した様子でした。

泉は、「だったら、メールして待ち合わせすればいいじゃないの。何度も言わせないでよ。私を変なゴタゴタに巻き込まないで!」と巻き込まれないように警戒していた。

亮太は、「会っても信用してくれないかもしれない。証人として同席してほしい。同席してくれなければ会うのは無理だ。泉に止められたとメールしておくよ。」と携帯を出していた。

泉は、「そんなメールしたら、私が亮太の事を知っている事になり、悪人になるじゃないの。わかったわよ。電話するわよ。」とどうなるか心配でしたが、亮太を信じて友彦に電話した。

    **********

「先日の件だけれども、確かに亮太は生きているわ。今亮太を説得しました。松島君とだったら会っても良いと言ってくれたわ。どこか人目につかない場所を希望しているわ。そう言えば、松島君も亮太も焼き肉が好きだったわよね。焼き肉屋の個室を予約するので、明日の夜、そこで会いましょう。亮太も連れて行くわね。亮太を見て驚かないでね。私も事故後、病院で亮太に会って信じられなかったから。話をすれば間違いなく亮太だったわ。」と連絡した。

友彦は、「なんだ、それ。死ぬかもしれない事故で助かった事を考えると、フランケンシュタインみたいな怪物になったのか?」と心配そうでした。

泉は、「むつかしい質問ね。でも、普通に町を歩けるわよ。怪物ではないわ。亮太と会って、その目で確かめるのね。」と信じてもらえないと判断して、亮太の説明はしませんでした。

友彦は、「それは、普通では考えられない事なのか?せめてヒントだけでも教えてくれよ。」と亮太の事に興味がある様子でした。

泉は、「そうね。顔は変わっていないわ。体が変わったのよ。これ以上は自分の目で確認しなさいね。」とヒントを与えた。

友彦は、「わかったよ。」と電話を切り、体が違うって、サイボーグにでもなったのかな?何か特別な能力があるのかな?それでスパイにでもなっているのかな?それで会いたがらなかったのかと考えていた。

    **********

翌日泉は亮太に、「女性になった事を強調する為に、私が以前選んだブリッコ服を着て行くのよ。」と準備させて、焼き肉屋で松島に会った。

泉は亮太を、友達の秋山陽子だと紹介したが、友彦は亮太がサイボーグになったと思いこんでいて、秋山陽子はサイボーグの責任者なのかな?しかし、色っぽい責任者だな。亮太のやつ、こんな色っぽい女の毎日会っているのかな。羨ましいな。俺と会うから責任者もきたのかな?と考えていて、美人女性になった亮太に全く気付きませんでした。

焼き肉屋の個室に入って注文しても亮太は来なかったので友彦は、「所で亮太は?」と後で来るのかな?とそわそわしていた。

亮太は携帯で友彦の携帯に電話した。

友彦は、「あっ、亮太から電話だ。」と電話にでた。

亮太は、「泉が、顔は変わってないと説明しただろう!目の前にいるのに気付かないのか!ボケ!」と片膝立てて松島を指差して怒鳴った。

友彦は、「えっ!?亮太?」と美人女性が亮太だと知り言葉を失った。

    **********

亮太は電話を切り、「セックスチェンジじゃないぞ。本物の女になってしまった。」と全てを説明して、他の友達には喋らないように口止めした。

友彦は、「何故俺ではなく泉さんに相談したんだ。俺が信用できなかったのか?」と不愉快そうでした。

亮太は、「お前に女の何がわかるんだ。お前に生理の処理ができるのか?不正出血した時の対処はできるのか?女の体の事を相談できる泉に相談した。生理の処理は、いまだに泉に助けて貰っている。」と泉に連絡した理由を説明した。

友彦は、「そうか、だから俺ではなく、泉さんに連絡したのか。亮太も色々と大変だったんだな。」と亮太の苦労を考えていた。

亮太は、「ああ、大変だったよ。最初はトイレや風呂でパンツを脱ぐだけで興奮したよ。排尿後、トイレットペーパーで拭く事を忘れて泉に何度も怒られたよ。女性のそんなところ触れないと逃げようとしたが、泉に捕まって、トイレに連れ込まれて、パンツ脱がされて拭かれて、パンツが汚れたと何度も怒られたよ。」と笑っていた。

泉は、「笑いごとではないわよ。女性は男性に比べて尿道が短いから、尿路感染になりやすいのよ。私が何もしなければ、亮太は尿路感染になっていたわよ。トイレだけじゃないのよ。風呂に入れるのも大変だったんだから。服脱いだら興奮してぶっ倒れるだとか言うから。」と亮太の為に、色々苦労した事を説明した。

亮太は、「最初はそうだったが、少し慣れてくると、姿見の前で裸になり楽しんでいるよ。」と笑っていた。

泉は、「あの姿見は、そのために置いているの?」と呆れていた。

    **********

友彦は、「いつでも、若い女性の裸を見られるなんて羨ましいな。所で亮太、お前、今は何をしていて、どこに住んでいるんだ?」と亮太の現状を知りたそうでした。

亮太は、「女子大を卒業して現在OLしている。最初は、俺の体は誰のものであるのか不明だったが、やがて、秋山官房長官の娘のすみれさんの体だと判明した。秋山夫妻の強い要望もあり養子縁組して、現在は秋山官房長官の娘の陽子として同居している。俺の連絡先は教えるが、頻繁に電話してくるなよ。俺は箱入り娘のお嬢様なのだからな。」と亮太ではなく、陽子の携帯番号とメルアドを教えた。

友彦は、「了解した。この番号が、秋山陽子さんの番号なのだな。しかし、亮太のどこが箱入り娘なんや?あばずれの間違いじゃないのか?でもメールだったらいいだろう。ラインで連絡するよ。今の亮太は女だから、女の友達も大勢いるんだろう?誰か良い女を紹介してくれよ。」と周囲に気付かれないように連絡する事を考えている様子でした。

    **********

亮太は、「ああ、心当たりは数人いる。今、連絡するよ。」と返答して亮太の昔の事を知っている昌子から、男性を紹介してほしいと頼まれていたので昌子に連絡する事にした。

亮太は昌子に電話して、「陽子です。昌子さん、男を紹介してほしいと言っていたよね。今から焼き肉屋に来られるか?」と昌子を呼び出した。

昌子が来ると亮太は、昌子の事を同僚だと紹介して、友彦を、男だった頃に通っていた大学の親友だと紹介して、四人で雑談していた。

亮太は、「お互いに気に入ったら、連絡先を交換しろよ。後はお前達に任す。」と全員焼き肉屋を出て、今日の所は別れた。

翌日亮太は昌子に、「松島と付き合うのか?」と興味本位で確認した。

昌子は、「連絡先を交換しました。今週末にデートする約束をしました。しばらく付き合って結果を報告するわね。」と嬉しそうでした。

亮太は、昌子に男ができればトゲトゲしい性格も変わるだろうと期待していた。


第二部はこれで終了です。次回から、第三部の投稿を開始します。

次回投稿予定日は、6月4日を予定しています。

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