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死ぬ事で分かると人との繋がり

作者: トム

目を覚ますとそこには、君がいて朝「おはよう」いい「おはよう」と返す。

そんなありふれた日常が僕には、宝物でとても大切だった。


君は、いつものように仕事に出かけた、彼女は、僕よりも早く家を出る、そういえば彼女出る前に「今日は、帰りが遅くなる」と言っていた。


そんなことを考えてるのもつかの間、僕も家を出る時間だった、今日は一段と寒いな、そんなことを考えながら仕事に向かった。

夜になって家に帰るとまだ彼女、帰っていなかった。帰りが遅いと言ってたのでさほど気にとめずめていなかった。


夕飯を食べ、風呂に入り、テレビを見てそろそろ寝ようかと思ったその時は、もう深夜の1時流石にここまで遅いと心配になり、電話をして見たがしかし繋がらない、とても心配になったが、電話が繋がらない以上彼女を待つしかなかった。


少し外を見に行った。あまり彼女は、お酒とかは飲まないが、酒は弱いため飲んだらベロベロになってしまう。もしお酒を飲んでいて帰ってこれなくなっていたら大変だと思って、探して見たが彼女は、見つからなかった。


家に帰ったが寝れなかった、もし彼女が事件や事故に遭遇していたらと考えると、ますます不安になった。


しかし何度電話をしても繋がらない、どうすればいいかわからなかった僕は、交番に行った。


交番で捜索願いを書き警察に頼んだ。そしてうちに帰ると、少し落ち着いてすぐ寝てしまった。


次の日の朝、僕は驚いた。彼女はまだ帰っていなかった。その時僕はあることに気づいた、それは一昨日の記憶が全くない、そして思い出そうとすると激しい頭痛がする。


とりあえず僕は、もう一度交番に行き、そして警察の人に彼女の捜索願いについて聞くと、「そのような捜索願いは、出されていません」と、信じられない言葉が返ってきた。僕は怒りを通り越して呆れて、言葉が出てこなかった、そして正気に戻ると昨日の夜のことを警察に説明した。


しかし彼ら、そのことを全く覚えていない、ましてや僕のことさえも覚えていないのだ。僕は、呆れて家に帰った。


家に帰るとまず会社に休みの連絡を入れて、彼女の実家に電話をした。そして「昨日から帰ってきていないのですが、何か知りませんか」と聞くと、「そんなことは、知らないですし、まずどなたですか?」と言われたので、僕はまた喋るのを忘れてしまった。そして何が起きているのか全くわからなかった。


ぼけっとしてる間に、「失礼します」と言われ電話を切られてしまい、全く理解のできないまま床に倒れ込んでしまった。一体何が起こっているのか、立て続けに不思議なことにが起こり何も考えることができなくなった。


そのままずっと座ったまま、夜になってしまった。不思議なことにお腹が空かなくて、トイレなどにも行きたくならない、しかしとても眠気に襲われる、そしてそのまま寝てしまった。


次の日の朝、目を覚ますと午前10時を回っていた。あいかわらず彼女は、帰ってきいなくて電話も繋がらない、しょうがなく遅刻だったが会社に向かった。


そこで僕は驚いた。怒られるどころか部外者扱いをされ、そこには僕のデスクは無く誰も僕のことを覚えていなかった。


このおかしな現象が全くもって理解できず、ただただ身近な人々に忘れられていく、感覚がとても虚しかった。そしてそれと同時に急に不安になった、それは親父とお袋この二人が自分のことを覚えているかどうかだった。


僕は、恐る恐る電話を手に取り実家に電話をかけた。するとすぐに繋がった、「もしもし」とお袋声が聞こえた。僕は今にも泣き出しそうな気持ちで、震える声で、「もしもし、裕人だけど」と返すと、お袋は何も言わなくなり少ししたら、泣き出しそうな声で「本当に裕人なのかい?」と聞いてきた。僕は全く理解できず「どうしたの?当たり前じゃん」と言った。するとお袋は、「だってあんたちょうど一年前、アパートで泥棒に入られて取っ組み合いになって、その時は頭打って脳死状態で今も病室で寝たっきりって聞いたから」と答えた。僕は頭が真っ白になったそれは、自分の全く身に覚えのない話だった。


そして悟った僕は、死んだんだと。みんなに忘れられていく、死というのは生きている間にできた人との関係を断ち切り旅立つのだ感じた。


しかし断ち切れないものが一つだけあったそれは、親という存在それは、僕に生を授けたものだからこそかもしれない、そしてもう一つ知れたそれは、みんなのから忘れられたとしても僕は、忘れない絶対にそして電話は、すでに切れていた。


僕は、なんだか満足してしまった。その瞬間急に、僕の体光だし天に昇って行った。それと同時に沢山の奥底の記憶たちがまるで光の速さで、呼び覚まされ涙が止まらなかった。これが死ぬということなのかそう思って雲を抜けると眠りにつくように目を閉じた。


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