黒い鳥の怪物
一応主人公の登場です。
名前は金城志魯です。
漕ぐ、漕ぐ、漕ぎ続ける
いくらでも、何回でも、、
金城志魯は、up downが激しい坂道を登り降りしていた。
すでに陽は没している、でもそれがいい
沖縄の10月は日中30度を平気で超えてくる。
志魯はなんだかたまらなくなると、
自転車を持ちだす、そして、どこまでも走る
歩くのはきらいだが、ペダルを漕ぐのは別だ、、
ずーっと漕いでいると、脚が機械になったように感じるのが好きだ。
あの永久機関になったような感覚がいい、、
星が出てきた、329をずーっと下ったり上ったりしている。
沖縄工業高専の前を横切った頃、
頭上を飛んでいたCH53ーEが、突然煙を吐いた。
志魯は反射的に自転車を停めて、ポケットの携帯を獲り出す。
「すげ また米軍機の事故だ」
夢中で、蓋を跳ね上げ、携帯を操作し、煙を吐くCH53Eを撮影する。
「これ、ツイートしたら、すごいイイねつくよな」
一人で呟く、興奮する、、
その時だ、、
傾いたCH53ーEに、黒い塊が激突した。
途端に
ドカァーーーン
機体は爆発して砕け散った。
黒い塊は、翼を羽ばたかせていた。
パイロットが死んだ、、まずそう思う、、
ただリアリティはない、、それより、
黒い塊に視線が釘付けになった。
なんでって?
黒い塊が、こっちを見たような気がしたからだ。
志魯は携帯を仕舞って自転車を引っ掴んで
漕ぎだした。
漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ、見るともなく上を見る
黒い塊は、こっちをロックオンしている。
今はハッキリと姿が見える、、
鳥じゃない、鳥レベルの大きさじゃない
人間に翼が生えた、真っ黒い羽根が生えた怪物
(殺される・・)
さっきから、わけがわからないが、
それだけは確信が持てた。
あの米軍ヘリを破壊した怪物は、
それを撮影していた志魯を見ていた
そして、ビックリするほど、ゆっくりと
羽根を羽ばたかせ、志魯の後を追っている。
こんな時に限って、車も人も通らない。
通ったからどうする?
助けて!警察呼んで!
そんな映画みたいな・・
考えが錯綜する、意外に冷静に思える
その時、チッという音がして、
黒い何かが、自転車の前輪に突き刺さった。
空気が抜ける、派手に前転した。
真っ暗だ、鼻の頭がいたい、、
血が出てる、、それより、逃げないと・・
志魯は駈け出した、その先には森がある。
周辺はヘノコ岳だ、、広大な森だ。
中に入れば、空からは見えない
志魯は森の中に駆け込んだ、、
ほとんど同時に、怪物が地に降りる
羽音がした・・
読んでいただきありがとうございまう




