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刻まれた衝撃

心は無限の世界。想像力や思いやりの心を持つことが、希望の未来へと繋がる。

 絵莉は自分の部屋の布団に寝転んで、真梨に先程の話を詳しく聞くためにスマホで電話をした。


 「絵莉ーっ、もうねー、おっさんの服が一瞬で消えてねー、おっさん焦って歩こうとしているのに、前に進んで行かないのよ。しばらくしてさ、いきなり、変態露出狂は消えたのよお!!マジで、マジで、マジでなの!おっさん、すごく、腹が出ていたよ」と真梨は分かりにくい説明をするのみだった。


 「ちょい!真梨!何の話か全然よくわかんないんだけども、おっさんはマジシャンか、大道芸人か、チンドン屋か、なんかなの?」と絵莉は辛抱強く話を引き出す事にした。


 「別にふつーう。普通のおっさんだよ。あれはどう見てもマジシャンではないよう。

 とにかく、目の前で消えたのよ!!皆、驚いてたわ」


 「ふ〜ん。真梨が興奮しているのはよく分かった。他に何か変わったものは見なかったの?」と絵莉は何故か粘り強く話を聞いていた。



 「えっ!?、なんだろう!?他に…、う〜ん。そうだねぇ〜、そういえば、占い師がいたような気がする。


 あっ!そうだ♪占い師の側にね、イケメンが居たことくらいかな?占い師も目が独特な色をしていたよ。カラコンだろうけどさぁ」と真梨は思い出しながら言った。


 「いきなり消えるなんてさ、あり得ない話だよね。怪しい」


と絵莉は低い声を出して言った。


 「マジシャンと言えば、最近、絵莉はどうなのよ。マジシャンの夢に向かって順調なのかい?私は絵莉の夢を応援しちゃんうんだからねっ♪諦めないで、前にいくんだよお〜!


 わかった?絵莉?私は絵莉のマジックが大好きだしマジシャンの姿が、ぜっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜たい、に似合うと思うよお♪大丈夫だからね!絵莉はさ、マジシャンになるよ!」と真梨は優しく絵莉を励まして勇気づけてくれた。


 真梨は天然だが優しくて素直な女の子だった。


 真梨とは高校の入学式の日にすぐに打ち解けて仲良くなり硬い友情で結ばれていた。

 真面目な性格の絵莉にとって、真梨のホンワカとした性格に何度救われてきたことだろう?と思いながら喜んで真梨の励ましに耳を傾けていた。


 「真梨、いつもどうもありがとう!真梨がいないと私はダメになると思うよ」と絵莉はしんみりとしながら言った。


 「何言ってんのよ〜ん♪照れるじゃんかよおう!えへへへ。絵莉は肩に力が入りすぎる時があるからさ、もっと、楽しむように気楽な感じも大事なんだよお」と真梨は言ってあははと声をあげて笑った。


 「分かりましたっ♪サンキュー、真梨。頑張るわ」

 「うん。絵莉、頑張りよん♪あっ、あっ、だっ、ぶはあーっ!!」と真梨が叫び出した。


 「ど、どうしたのよ!?」 「絵莉、テレビ見てよ!テレビ、テレビ、テレビ、早く!テレビを見てみそ!!出てるう!ニュースに出てるわ!消えたおっさんが出てるのよ!!」


 絵莉は茶間の間に駆け出した。幸輔と敬子が何事かと絵莉を驚いて見ている。

 「どうしたのよ。血相変えて」と母、敬子は腕を掻きながら言った。


 「おかあさん!ニュースにチャンネル変えて!」敬子はチャンネルを変えた。

 「あー、ドラマを見ているのに」と敬子はしょげながら言った。


 確かにニュースに問題のおっさんがインタビューに答えていた。


 通行人が偶然に撮影したという動画をインタビューの間に重ね合わせて写し出されていた。おっさんが前を歩きたいのに進んでいかない状態や、服が消える瞬間が鮮明に写し出されていた。撮影者が笑っているために、時折、映像が激しく横にブレる。


 絵莉は、おっさんの服が直って服が元に戻ったのを見た時には『これは恐ろしいことが、起こりつつあるんじゃないのか?』という今までにない不安が過っていた。


 「なによ、これ?露出狂の悪ふざけなの?」と敬子は苦々しく吐き捨てた。


 「真梨が目撃したんだってさ。今、その話を真梨と電話していたの」


 「あらま、真梨ちゃん、元気なの?」敬子は話を変えた。


 「うん。元気だよ」と絵莉は言って頷いた。


 『真梨は他に何か見ているかもしれない』と絵莉は感じていた。絵莉は腕を組ながら画面に近づいた。


 おっさんは明らかに動揺していた。悲壮感を顔に浮かばせて怯えていると体が宙に浮き上がると音もなく一瞬にして姿が消え去ってしまった。


 消える瞬間に、赤い光が放たれていたのがリアルだった。


 驚くべき光景を目にして絵莉と敬子は言葉を無くしていた。


 絵莉は下げたままのスマホを耳に当てた。


 「真梨…、見たよ。本当の話だったんだね」と冷静な落ち着いた声で話し掛けた。


 「絵莉、改めて見てみると、笑えないよね…。夢を見ているみたいな事が現実に起こったんだからさ。絵莉、私、なんだか怖くなちゃったよお」と真梨は声を震わせて言った。


 「大丈夫よ。私がついているからね」


「ありがとお」と真梨は甘えた声を出した。


 おっさんは、首を前に出してマイクに向かうと話し始めた。


 「怖かったですよ。体が言うこと効かなくて。自分の体に、突然、病気の脳梗塞か、ボケが急激に降りかかってきたんだと怯えましたよ。


 体が言うことを効かなくなるというのは、本当に恐ろしい。自分が何故、デパートのトイレにいたのかもよくわからないんですよ。便座にすわっていたんですから」とおっさんが汗を拭きながら言っていた。


 何度も繰り返し通行人が撮影した映像が流されていた。映像が更に消えた後の周りの喧騒を捉えていた。

 『男…。真梨が言っていた二人の男だわ』と絵莉は思った。


 「真梨、もっと詳しく話を聞かせてくれない?」と絵莉は静かに言いながら自分の部屋に戻った。


 「そうだねぇ、あっ!そう言えば占い師の男も僅かな時間で姿を消したように思えたわ。ハンサムな男性がテーブルの傍で立ち尽くしていたようにも思う。確かじゃないけど」と真梨は深刻な声で話した。


 「真梨、分かったわ。明日の午後に、その場所へ私を連れていってくれない?一緒に行きましょうよ!」と絵莉は早口で言った。


 「分かった。行こう!」と真梨は力を込めて言ったが、不安な心を感じさせる心細い声だった。





つづく

ありがとうございました。また、よろしくお願いいたします!

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