ここで戦わなくちゃあ男じゃねぇっ!
「んんっ!? 」
衝撃の出来事に思わず身体がよじれた。
何とかマダンナを振り払おうとするが彼女は俺の腕を掴んで離さない。
「こらこら逃げようとするんじゃない。……まだ始まったばかりだろう? 」
そう言ってもう一度唇をこちらに向けてくるマダンナ。
まずいっ! なんとかして回避せねばっ!
自由の効く首を振り回して必死に抵抗する。
だが。
ガシッ!
「もがっ! 」
その首も彼女の両腕の中に捕まってしまった。
そして。
ちゅっ。
またしても唇が重なり合う。
「ふふっどうだ? ターニャより柔らかくて気持ちがいいだろ? 」
「く、くぅ……。」
ターニャの唇も確かに柔らかい。
だが、マダンナもそれに劣らずだ。
「今度はもっと気持ちよくしてやるからな……。」
三度彼女の唇が俺に迫る。
最早俺に抵抗する術はなく、ただ流れに従うまでになってしまった。
ちゅっ。
唇が、また重なる。
しかし、今度はそれだけではない。
にゅるっ。
「~~っ!!」
彼女の舌がにゅるりと俺の唇の間を割って侵入してくる。
そしてそのまま俺の舌と絡みついてきた。
にゅるにゅるっ。
「はぁ……んぅ。」
彼女の甘い吐息が俺の鼻と耳を犯す。
舌がねっとりと絡み合い、その凄まじい快楽が俺の脳内を痺れさせる。
まずい……このままだとっ!
だんだんと頭がボーっとしてきて何も考えられなくなっていく。
このまま快楽に身を任せれば、きっととても気持ちよくて楽しくなれるのだろう。
だが、しかし。
俺は……俺は……っ!
頭の中でターニャの顔が浮かんだ。
俺はこんなことで屈しては駄目だっ!
ここで戦わなくちゃあ男じゃねぇっ!
ぶちゅうぅぅぅっ!
「んんっ! 」
俺は絡まっている舌を高速回転させた。
「ん……はげしっ! 」
マダンナが一瞬怯んだのか、舌を抜き取ろうとする。
しかしっ!
ぱくりっ。
「ひゃんっ! 」
逃げようとする舌を俺は唇で掴んだ。
この好機逃しはしねぇっ!
「散々攻められたからなっ! 今度はこっちのターンだっ! 」
じゅるじゅるっ。
「あっ舌が入ってくるぅ……。」
じゅるじゅるっグッポグッポっ。
「はぁん……凄い、口の中侵略されてるぅ。」
「まだまだここからだぜっ! 」
舌が絡み合い、いやらしい音が牢屋の中に響き渡る。
じゅるじゅるっ! じゅるじゅるっ!
「あぁっ! キちゃうっ! これキちゃうっ!!! 」
「うおおおおおおおおっ!!! 」
じゅるじゅるっじゅるっぽじゅるっぽっ!!!
俺は全て力を振り絞り、舌を回した。
勝つ為に、また、あの日常へ戻る為に。
そして。
「はぁあああああんっ!!!」
全身をガクガクと痙攣させてそのままバタリと俺の身体に倒れこむマダンナ。
勝ったんだ、俺がマダンナを倒したんだっ!!




