そこぉ……駄目ぇ……。
「希伊人、ところでなんで私と同じ部屋で寝てるの?」
ずれたキャミソールの肩を直しながらニーナが。
「……なんでってここは俺の部屋だからだよ。」
「ふぅーん。」
欠伸をしながら素っ気無く返事をされた。
くそっ!昨日お前の所為で散々な目にあったのにっ!。
「あ、希伊人っ。」
そんな俺をまじまじと見つめてくるニーナ。
そしてもぞもぞとベットから抜け出し、四つん這いで近づいてから。
「……ボタンずれてるよ。」
そう言われて今更寝巻きのボタンがずれて着ていた事に気がついた。
「直してあげる。」
ニーナがおもむろに俺の寝巻きに手を伸ばし、ボタンを一つ一つ丁寧に外し始めた。
「ちょっ!?それくらい自分で直せるからっ!?」
「ふふっ任せて。」
プチっプチっと外されていくボタン。
その度に俺の鼓動は加速していき、心臓がドクドクと全身に血液を世話しなく送る。
そしてボタンが外れるたびに姿勢が低くなるニーナ、それに伴ってキャミソールから彼女の膨らみかけていてお饅頭のような胸がちらちらと顔を覗かせるのだ。
これはまずい。
「ちょっとストップっ!ストーっプっ!!」
これ以上は色々耐え切れそうにないのでニーナの肩を掴んで止めに入る。
「もう少しだから離して。」
「いや後は自分で直せるからっ!」
「だーめ。私がやる。」
ここぞとばかりに強引さを見せるニーナ。
ここは姉譲りのようだ。
止める俺に対してそのまま強引にでもやり遂げようとするニーナ。
力と力の反発。
それが引き起こすのは。
「うわっ!」
「きゃっ!。」
両者共バランスを崩し、倒れる。
そして。
「痛てて……ってうおっ!?」
倒れる俺に乗っかる形で覆いかぶさるニーナ。
彼女のあどけなさを残しつつも整った顔が僅か数センチ単位の距離にある。
それだけでも心臓が破裂しそうな爆発力はあるのだがそれだけではない。
そう、それだけではないのだ。
むにむにっ。
柔らかく心地の良い感触が俺の手に感じる。
例えるならちょっとお高めのクッションを触っているような。
なんだろう、この手触りは。
むにむにっ。
もう一度触って確かめるがイマイチ正体が掴めず。
そのかわり段々とニーナの顔が赤くなっているような……。
むにむにっ。
「んっ!」
なんだなんだ?
むにむにっ。
「んっ!……んにゅ……。」
俺が何かを触る度にターニャが甘い声を漏らす。
何が起きているんやら。
むにむにっ。
「そこぉ……駄目ぇ……。」
俺は一体何処を触っているんだろうなー。
むにむにっ。
「おしり触ったら駄目っ!」
ドカっ!
「ぶばらっ!!」
思い切りグーで殴られ快音が部屋に響く。
「希伊人っ!?何だ今の音は……ってなぁーっ!!!」
音を聞いて慌てて入ってきた裸エプロンのターニャ。
そして俺達の状況を見てワナワナと震えだして。
「希伊人貴様っ!妹に手を出すとは……許せんっ!」
ターニャの腕時計が一瞬にしてサイコガンに変身。
ま、まずい……っ!
「お、落ち着けターニャ、これには深い訳があるんだっ!」
「問答無用っ!砕け散れっ!」
バキューンっ!
放たれた閃光、そしてドカーンという爆音。
ああもう滅茶苦茶だよっ!




