フンフンフフーンっ。
サキュバーナとの激闘から数日、また俺たちには何時も通りの日常が戻ってきた。
その帰り道、夕日が街中を赤く染めている中を俺とターニャは歩いていた。
今晩の買い物をするためだ。
「フンフンフフーンっ。」
鼻歌を歌いながらどこかご機嫌なターニャ。
「何か良いことあったのかよ。」
「いや、サキュバーナの一件以来、希伊人が私に優しくなってな。こうして買い物にも付き合ってくれるし。嬉しいのだ。」
「そ、そうか。」
ぷいっと顔を逸らし、顔の火照りを隠す。
ま、まぁ助けてもらってばかりだし?買い物付き合うくらい別に構わないし?
「それで希伊人、今日の晩御のメニューなんだがハンバーグでどうだろうか?」
「あ、ああ。別にいいけど。」
「よし、そうと決まれば急行だ。ほら、行くぞ。」
そう言って俺の腕に腕を絡めつく。
「お、おいちょっとっ!」
「ふふっよいではないか。」
むぎゅぅぅぅぅっ。
いや、流石にそれは恥ずかしいんだけど。
その、こいつの裸には多少慣れたが、胸の感触というか、おっぱいの柔らかいこの感じはその、男子高校生のはキツいっていうか。
その後もターニャに連れられスーパーで挽き肉などを購入した後、家に帰る。
そして家の前に到着。
何時も通りポケットにしまってある鍵を取り出して鍵穴に刺す。
だが。
ガチャガチャっ。
鍵が掛かっている感触がしない。
おかしいな、ちゃんと学校に行く前に閉めた筈なのだが。
つかこれすげーデジャブなんだけど。
嫌な予感がしつつも恐る恐るドアノブを握りドアを開けてみる。
すると。
「…………おかえりなさい。えーっとご飯にする?おやつにする?それとも私?」
「…………どなたですか?」
俺の目の前には見知らぬ女の子がいる。
しかも裸エプロンで。
「おお!ニーナではないか!」
「あっ!お姉ちゃん、おかえり。」
ターニャが見知らぬ女の子に駆け寄りハグをする。
女の子も満更ではない表情だ。
そんな状況に一人取り残された俺。
これどゆことぉー。
「おい、ターニャ説明してくれ。」
「む?そうだな。この子はニーナブラウス。同じエイリアンバスターで私の妹だ。」
へぇー妹ね。
確かに銀髪だし、どことなくターニャの面影がある。
だが聞きたいのはそういう事じゃなくて。
「なんで妹が裸エプロンで俺ん家にいるんだよ。」
おかしいだろ色々。
後、ご飯かおやつかって選択肢もおかしいだろ。
「確かにそうだな。ニーナ。どういう事だ?」
ニーナという女の子はずり落ちているエプロンの紐を直してから。
「詳しい事は中で話す……。後この格好は上司がこれ着ろっていたから。希伊人は年増もいかない女の子がこういう格好するのが好きだって。」
「違うわっ!」
誰だそんなデマ流した奴はっ!?
取りあえずお前らの上司、絶対に許さん。




