これがエイリアンバスターである私の強さだっ!!!
辺りには衝撃からの砂埃が立ち上り、ぱらぱらと瓦礫が崩れる音が響く。
「や、やったのか?」
恐る恐るターニャに聞いてみる。
だがターニャは表情を崩さず、ただ一点を見つめた。
そして。
「く、クフフっあはははははっ!!!」
消えていく砂埃の中から現れたサキュバーナ、かなりのダメージを受けている様だがそれでも立ち上がっていた。
「いいわぁ、すごくいい。ここまで追い詰められたのは何時振りかしらぁ。」
「…………もう立つのでやっとの筈だ。おとなしく降参しろ。」
「降参?はっ馬鹿言わないで頂戴。こんないい獲物がいるのに引ける訳ないでしょう?」
「そうか、ならば仕方ないっ!」
ターニャがサイコガンを構え発射。
その閃光をサキュバーナは頬をかすめながらも回避。
そして、一気に距離を詰めて。
「死ねぇぇぇエイリアンバスターっ!!!」
凶拳がターニャに振りかざされた。
だがしかし。
ガシッ。
「なっ?受け止めただとっ!?」
そのまま力を込めてもターニャは拳を離さない。
「それならこうだっ!!」
左膝でターニャの腹部を蹴り付けるも彼女は動じない。
それどころか益々力を増してサキュバーナの拳を握りつぶしそうな勢いだ。
「何故だっ!?何故効かないんだ!?お前も相当ダメージを受けているはずなのに。」
「……私には譲れない物がある。プライドや自尊心などではない。たった一つのことだ。…………それは守る事。宇宙の平和を、地球の平和を。そして希伊人を守る事。その為だったら私はどんな事にだって頑張れるのだ。」
「はぁっ?何を言って」
「希伊人の為だと思うとこうも身体に沸々と力が湧く。どんなに辛くても乗り越えられる。……ただ獲物を喰らう貴様らにはわからない守るべき者がいると言う強さだっ!」
バッと中でサキュバーナの拳を話す。
そして。
「これがエイリアンバスターである私の強さだっ!!!」
ドギャーンッ!
ターニャのサイコガンから特大の閃光が解き放たれた。
それは雲を裂き、空を貫いて宇宙まで、まるで支柱でも立っているかのようにどこまでも伸びていった。
「ふぅ、終わったな。さて希伊人、帰ろうか。」
戦闘で汚れた端整な顔を拭いてからターニャはニカっと何時も通り笑った。




