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ふふっこの私を相手に威勢がいいなっ!上等だっ!

 友子がトイレに行き、今は俺とテンションあげあげなターニャ二人きり。


 面倒くせぇ……。


 このままバックレようかな……。


 気配を消してそそくさとゲーセンを後にしようとした所で。


 「おい、希伊人っ!あれはなんだっ!?あれをやろうっ!」


 ガシっと肩を掴まれそのまま引きずられるような形で連行される。


 ……面倒くせぇ。


 ターニャに連れてこられてたどり着いた先にあるのはゾンビを銃で撃つシューティングゲームだった。


 「中々面白そうだろっ!?二人プレイも出来る様だし一緒にやろうっ!」


 画面に映るゾンビたちに目を爛々と輝かせながら。


 正直シューティングは俺の得意ジャンルじゃないが……まぁ付き合ってやるか。


 「ところでこれはどうやって遊ぶのだ?」


 「銃でゾンビを撃つんだよ。百円でワンプレイだな。んでコンテニューでもう一回。」


 「ひゃくえんと言うのはこの国の通貨だな……。どれ。」


 ごそごそとスクール鞄から財布を取り出す。

 

 ガバッ。


 「……どれがひゃくえんかは知らんが取りあえずこの紙で足りるか?」


 「げっ……。」


 ターニャの財布には一万円札がびっしり入っている。


 「それじゃあ出来ねーぞ。つか隠せ早く!」


 ほら、また注目浴びてるからっ!


 仕方なく俺がなけなしの二百円をゲーム機に投入しプレイスタート。


 「ぐおぉぉぉ……。」


 ゲーム画面上のゾンビが不気味なうめき声を上げ集団でこちらに向かってくる。


 「ふふっこの私を相手に威勢がいいなっ!上等だっ!」


 ガシっ!


 俺の隣でターニャが腕時計をサイコガンにチェンジ、そして画面上のゾンビに構えた。


 「うぉいっ!待て待てっ!」


 「ぬ?何故止めるんだ?早くしないとゾンビが来るぞ?」


 「いや止めるわっ!何マジで戦闘態勢入っちゃてんの!?違うからっ!これゲームだからっ!」


 後目立ってるからっ!超目立ってるからっ!


 「ぐおおおおっ!!」


 そう突っ込んでいるウチにゾンビがこちらに襲い掛かりあえなくゲームオーバー。


 「お?希伊人、もう終わりのようだが……私のサイコガンさばきを披露する前に終わってしまった。」


 「披露しなくていいんでけど……。」


 

 あぁ、俺のなけなしの二百円が……。


 「よし、次はあれをやろうっ!」


 手を引かれ次にやってきたのはクレーンゲーム機。


 仲には可愛らしいぬいぐるみが並んでいる。


 「なに?ぬいぐるみ欲しいの?」


 「……私がこんな可愛い物欲しがって悪いか?」


 「いや、別にいいけど……。」


 「さぁ希伊人早くっ!」


 にぎにぎと手を動かし何か催促してくる。


 あぁ、はいはい金ね。


 全くこの女は。


 はぁーっとため息をついてから俺は百円を投入した。


 「このボタンで動かせばいいんだな?」


 「ああ、そうだよ。手順通りに一番のボタンが上下で二番のボタンが左右だ。」


 「ふむ、なるほど。……では早速。」


 ウィーン。


 「おお!中で動いてるぞ……!」


 ウィーン。


 「ん、むぅ、もう少し横、そうそう、ここ、ここだ。」


 ウィーン、ガシッ。


 「挿入(はい)ったぁ……。希伊人、見てるか?ちゃんと挿入ってるところ。」


 ウィーン。


 「いいぞ……そのまま動いて……そのまま。」


 ウィーン、ガシャンっ!


 「やったー!取ったっ!取ったぞっ!ふふっ可愛いやつめ。こいつはセリヌンティウスと名づけよう。どうだ、希伊人?」





 ……うん、ヨカッタネ。

 

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