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あっ!希伊人あれはなんだっ!?それからあれもっ!あれもっ!

その後も特に何もすることなく、漫画を手に取って立ち読みしていると。


 「二人ともお待たせしましたー!」


 ホクホク顔の友子がレジ袋を持って帰ってきた。


 「お帰り友子、収穫もまずまずのようだな。」


 「はいっ!これは好きな作家さんの新作に、そして前から気になってた本でしょ?それからそれから……。」


 「楽しそうだな、お前……。」


 「楽しいのなんのって!はぁ……早く帰って読み()けたいですぅ。」


 ほわぁっと呆けた顔でこれからの楽しみに思いを馳せている様子の友子。


 彼女が早く読みたいというなら。


 「そんじゃ早く帰ろうぜ。」


 そう、早く帰らせてあげるべきだろう。


 考えて見て欲しい。


 最近はターニャが四六時中隣にいるが普段の俺は学校でボッチ……。


 そんな俺が外で女の子二人と楽しくショッピングなんておかしいだろう。


 なまじターニャが可愛いせいで学校でも目立つし、先程から人の視線も痛いし。


 こういうのは非常に落ち着かないので早いところ帰りたかったのだ。


 「いえいえっ!二人ともまだショッピングしたいだろうし今日も私の為に付き合ってくれたしもう少し回っても……。」


 「いや、俺は別に」


 「そ、そうかなら仕方ないな。希伊人。もう少し付き合ってもらおう。」


 やんわり断ろうとした所でターニャが食い気味にそれを断る。


 「おい、どういうつもりだ。もういいだろ早く帰ろうぜ。」


 「折角来たのだ。楽しんでいこうじゃないか。」


 ターニャがまるで遊園地に連れてきてもらった子供の様な瞳で目を輝せながら。


 「なに?どこか行きたい場所でもあんの?」


 「……先程ちらっと見て気になる所があってだな。」


 そういって少し恥ずかしげに指をさした。


 指さす方向にあるのは眩い光と音出しているゲームセンターだった。


 

 「おおっ!凄いぞここはっ!、まるでグリュンベルの戦いの様だっ!」


 「なんだよその分かりにくい例えは。」


 「む?グリュンベルというのはな」


 「ああもういいからっ!」


 「そうか、あっ!希伊人あれはなんだっ!?それからあれもっ!あれもっ!」


 そわそわしながらあちらこちらと視線を移しわくわくが抑えきれないようだ。


 「あ、あの私ちょっとお手洗いに行ってきますね。」


 そういってスタタっと消え去る友子。




  うへぇ……こんなテンションのターニャと二人きりかよ。

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