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写真なんて撮りたくは……むぅ

 放課後、特に学校には用事がないのでターニャを置いてさっさと帰ろうとしたのだが。


 「希伊人、今日は一緒に帰ろうなっ!」


 ちっ、早速見つかった。


 無視して帰ろ。


 スタスタ。


 「ちょ、おい無視をするなっ!」


 ぎゅううぅぅうう。


 「くっつくな!離れろよっ!!」


 「いや、離さん。決して離さんぞ。ふふっ今日こそは一緒に帰ってもらおうか。」


 「ああもう、わかったから一緒に帰ってやるから離れろよっ!」


 「そうか、やっと一緒に帰ってくれる気になったか。全く硬い奴め。」


 「お前の方が強情だけどな。」


 つか、俺と帰って何が楽しいんだか、俺が女だったら絶対断る、むしろお金払ってでも断るレベルなんだけど。


 あれ、自分で言っておいてなんだが悲しくなってきたからもうこの話は止めよう。


 「おーい!二人ともー!」


 俺が自分の妄想に涙を流しかけていた時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてくる。


 振り向くと友子が笑顔でこちらに手を振ってきた。


 そして。

 

 「二人ともこれから用事とかありますか?」


 「用事……ふむ、私は特にないが。」


 「俺もないけど。」


 「あ、よかった。じゃあこれからショッピング行きませんかっ!?」


 「「ショッピング?」」




 俺たちは今、この町最大のモールに来ている。


 「おお!希伊人!店が沢山あるぞ!」

 

 ターニャが目を爛々と輝かせてブンブンと首を動かし、店を眺める。


 「宇宙じゃ珍しいのか?」


 「いや、文明圏の星ではこのような所はいくつかあるがこんな大規模な所は初めてだ。おい希伊人あれはなんだ?」


 指さしたのは今人気の日曜朝アニメの顔出しパネル。


 「あれは穴が開いてる所に顔を出して写真を撮るんだよ。」


 「そうなのか。ううむ、興味深い。」


 「ほれ、行くぞ。」


 「あ、ああ。うむむ……。」


 「なに?写真撮りたいのか?」


 「い、いや別に。あれは子供用なんだろ?私も一応大人だしな。写真なんて撮りたくは……むぅ。」


 「……ほら、撮ってやるから早くしろ。」


 「そ、そうか。希伊人がどうしてもというなら仕方ないな。」


 なにこいつ面倒くせぇ。


 「撮るぞー、はいチーズ。」


 パシャリ。


 「ど、どうだ?」


 「ああ、すげー良い笑顔だよ。」


 あんだけ言っておいて満面の笑みって所がまたすげーよ。


 そんなターニャと俺と友子の楽しいショッピングはまだまだ始まったばかりなのであった。

 

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