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 緑龍様の爆弾発言を聞きながらも反対することはしない。

正直嫌だ、人間などイセカイジンだとしても吐き気がする。しかし僕の事情を踏まえてなお黒龍様はイセカイジンをここに誘導したし、緑龍さまは好みだと発言した。つまりそれだけの何かがあるということだ。むやみに反対しても意味はないだろう。


『反対しないの?』

「僕は神龍様方を信頼していますから」

『んもう、可愛い事いうんだからぁ。……彼の能力が私にとってすごく都合がいいのよ(ぼそっ)』


 都合がいい?

またイセカイジンをよく観察してみる。潜在能力……こちらの基準でいくと多いほうだが発現は一切していないようだ。と言うか回路がこれでもかって言うほど厳重に閉じられているから潜在能力はあってもその辺の雑魚以下だ。属性……ああ、これかな?彼から感じる属性はその膨大な潜在能力に反してたった一つ、植物だけだ。なるほど、緑龍様ならあの固そうな回路もこじ開けられるだろうしその上であの純粋な植物の属性はとても魅力的だろう。なるほど、『好み・・』か。


 納得しているとイセカイジンが動いた、ようやく正気に戻ったらしい。

まあ緑龍様の登場の仕方って独特だしね、僕もまだ結構ビビるし。


「……はぁ、いきなり森のなかに飛ばされてしかも現れたのはドラゴンとか。あいつらマジで俺のこと殺しにかかってるよな(ぶつぶつ)」

『「?」』


 はて?彼をここに誘導したのは黒龍様だって緑龍様が言ってたけど。『あいつら』って誰だ?


『ああ、なるほど』

「緑r『お義母さんは?』お義母さん何か分かったの?」

『予測だけどね。てっきり異世界からの召喚に直接干渉したんだと思ってたけどどうやら彼はすでに・・・この世界にきていて、また・・転移させられたようよ?……殺すためにね』

「殺す?なんで?」

『おそらくは召喚した目的に合わなかったんでしょう。彼の能力は完全に閉じた状態のようだし』

「……ニンゲンって同じ外見特徴の種族でもあっさり殺そうとするんだね。僕らのような異種族を皆殺しにできるわけだよ」


 なるほど、黒龍様はニンゲンがイセカイジンの誘拐だけじゃなく殺害までしようとしたから干渉したのか。そしてイセカイジンの潜在能力とかが緑龍様と相性抜群だからこっちに送ったと。……まさか彼が水や火の属性だったら青龍さまや赤龍さまのところに送ったとか言わないよね?あの龍たちの住処って水の中と火山地帯だぞ?


『さ、さすがにそこまで単純じゃない……と思いたいわ』


 うん、『もしも』は考えないようにしよう。結果が怖いし。


「……ふぅ、このままじっとしてても死ぬなら一応あがくだけあがいてみるか。まだ死にたくねぇしな」


 そしてこのイセカイジン勝手に何か結論出してるけどどうするつもりなのかね?


「手元に……ター………………後はうまく…………灰……………させられれば……」


 なぁんかものすごい小声でぶつぶついってるなぁ?しかもものすごく僕にとって不愉快なことな気がする!そんな時は先手必勝なのだ!


 僕は周りに風の渦を作り出して威嚇する、風の刃は視認できるほど僕の魔力で色濃く映しだされ、その鋭い刃は見るものに切り刻まれる恐怖を植えるけるのだ(ドヤァ)!


「っし、都合よく風系か!」


 ……都合よくとな?


『ちょっとウルイちゃん、風が灰を巻き上げてるわ』

「!?ドラゴンが喋った?」


 緑龍様に言われ僕はあたりをよく見回す。確かに僕の刃に巻き上げられて僕と緑龍様の周りに灰が舞っている。ふむ、これはだめだ、息苦しいじゃないか。風の渦を解除したが一度舞い上がった灰はなかなか下に降りない。


「今更遅え、ドラゴンが喋ったことに驚いちまったがこれで――――」

「仕方ないか。『水よ舞えウンディーネ』」


 イセカイジンがなにか投げようとしたが僕の言霊で発動した水を含んだ灰は即座に全て下に落ち、イセカイジンは水の塊にベシャッといい音をさせて押しつぶされた。しかし何をしようとしたんだろうね?


「よし、これで咳き込む心配はないね!」

『言いたかったこととちょっと違ったけど結果は同じだからいいのかしら?』


 何やら緑龍様が首を傾げながら疑問符を上げているがなにか問題があったのだろうか?


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