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さよならマーチェンナイフ  作者: 湯島結代&水鳴倫紅
幼女編
5/28

どっちがいい?

ちょっと微修正

白い雪の世界から変わって、そこはおもちゃ箱をひっくり返したような世界。

「あ、危ない!」

亀裂に落ちそうになった私を、男性は抱き上げた。なんだか、懐かしい匂いがする。

顔が違い、ふと見つめ合って、恥ずかしくなって、目をそらした。

優しい顔した男性、でもその顔は、ちょっと険しくなった。

その視線の先には、見知らぬ男性。

「ああ、来たのか。ようこそこの世界へ」

仮面の男性は、両手を広げて静かに笑った。



仮面の男性を威嚇するような顔つきで、私を抱き上げていた男性は、私をおろし、自分の後ろに隠す。そして口元に手を当てて、『喋らないで』と合図する。

「わかるのか、お前は自分が誰か、ここがどこか」

「全て・・・わかっているさ」

「それを疑問に思わず従うってことは・・・そいつを守るためか、お前が弱いか、どちらだろうな」

「・・・・・・」

「なぁ、チビもそう思うだろ?」

チビという言葉にムッと来たけど、約束は守る。喋らない。

「あの子を・・・巻き込まないでくれ」

「むしろ巻き込まれているだろ」

2人の会話は、難しくて分からない。

「まあそれよりも、お前、四つん這いになれ」

「は?!」

あれ?なんだか急におかしい方向へ。

「さっさとしろ!」

「痛っ!」

私を守ってくれる男性は、仮面の男性にお尻を蹴られて、壁の前で四つん這いにされた。

「よし、動くなよ」

「へ、変なことするなよ・・・」

「するかボケ!」

何をするかと思えば、踏み台にするようだ。

けれども、私を守ってくれるあの人は、いわゆるヘタレ。踏み台になる体力などはなく、仮面の男性が乗った瞬間、ベシャリと潰れてしまった。

「・・・役立たずが」

「いや、何だったんだよ今の」

仮面の男性は、クイッと首を上にあげて、『上を見ろ』のジェスチャーをする。ヘタレも私も、上を見る。

するとそこは、壁と天井の間に隙間がある。きっと、あの壁を登れば、新しい道がある。

「このまま3人なんて無理だな」

「決めつけなくても・・・」

「お前はヘタレ過ぎて使えないんだよ」

「・・・っ!」

どうやら、ヘタレは仮面と知り合いで、苦手みたいかな?

「チビ、お前が選べ。力もあって、ドアをこじ開けることが出来る俺様かこいつか」

「えっと・・・僕は何も出来ないけど、頑張って君を守るよ」

私にそんなこと、決めさせないで欲しい。でも、決めなければいけない。


私は・・・


ヘタレを選ぶ   仮面を選ぶ

あなたはどちらを選びますか?


5話目&5話目サブタイトル担当 楓

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