表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さよならマーチェンナイフ  作者: 湯島結代&水鳴倫紅
幼女編
3/28

冬鳥の白布


「どーしてこんな所で寝てたの?」

私は男性に話しかける、包丁をちらつかせながら。

脅迫だってことくらいは、分かってるけどすごく楽しい。

男性は困ったように笑う。

「な、情けないことによく分からないんだ。

僕は、この国の布『冬鳥の白布(はくふ)』の商人なんだけど……。

何者かに、襲われて」

そうやって話をつづけながら、私は何者かの気配を感じる。

ゆっくりと、振り向くと……。


「編みぐるみ!?」

白くてふわふわ、柔らかくて暖かそうなウサギの編みぐるみ。

「こ、こいつだよ! こいつが僕の布を取って、縛り付けて眠らせたんだ!

鎖を投げてくるから要注」

「ブッ刺しー!」

私は走って飛びあがって、ウサギに襲い掛かる。

それはあっさり半分に切れて、崩れて。

冷たい氷の欠片が舞った。

綿のような、温かそうな白は、

結局氷の繊維……雪の欠片のような物だったらしい。

そしてひらり、編みぐるみが抱えていた布が舞い降りた。

刺されたはずなのに、傷ひとつついていない。


「はい」

手渡すと、男性はへらりと笑った。

「ありがとう、あの……よければこれからも僕たちを守ってくれないかな?

この国の案内はするからさ」

願ったりかなったりだ、私はうなづいて男性に飛びついた。




3話目担当 水鳴倫紅

3話目サブタイトル 楓

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ