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さよならマーチェンナイフ  作者: 湯島結代&水鳴倫紅
幼女編
13/28

最後の試練

(次の世界はどんなとこなんだろう?)と、考える余裕が出てきた。

前回の食事会で、少しリラックスできたからかな?

でも、次の世界は予想外で、思わず嫌そうな顔をしてしまった。

「刺だらけ・・・だね」

ヘタレが、ポツリとつぶやいた。

「どうしようか」、とは言わない。いや、どうしようもない。

だって、壁も床も刺だらけで、一歩歩けば刺に刺さる、そんな状況。必ず、傷ついてしまう。

打開策を考えて俯いていたとき、ヘタレが声をかけてきた。

「ねぇ、あれ見える?」

「ん?」

彼の指差した方向には、白い台座。その上には光る球。

その輝きは、なんだか神秘的で、優しい感じ。

そして思った。

「あれに触れれば、帰ることが出来るんじゃないかな?」

「うん、私も、同じこと考えてた」

「だよね・・・」

「・・・」

それ以上、私たちは何も言わなくなって、しばらく無言が続いた。

台座の周りには刺がない、いわゆる安全地帯だ。

でも、そこまでどうやっていけばいい?RPGゲームみたいにさ、鉄の靴とかあればいいけど、そんなものないし・・・。

グルグルと、考える。誰も傷つかない方法を。

と、その時。

「よいしょっと」

「うわっ!」

ヘタレが、私を肩車したのだ。

天井に刺はないから、肩車は安全、でも・・・。

「おろして!」

「・・・これで、いいんだよ」

私の目を見てそう言った、彼の目は、覚悟を決めた目立った。

一歩、踏み出すと、ズブリと彼の足に刺さる刺。

彼は、痛そうな声を漏らす。それでも、進む、どんどん進む。

「とまれ!」

私の声を無視して、彼は進む。進みながら、私に話しかける。

「僕は・・・君を守るため、救うためにこの世界に来た。この世界の商人っていうのは、嘘なんだ。あみぐるみに渡された、そういう設定」

どんどん、彼の足は、赤く染まっていく。

ハゲる位に髪の毛引っ張って、止めようともしたけど、流石に可愛そうだ。

「君が笑ってくれるなら、僕は喜んで傷つく、そんな人間なんだ」

「お前がいなきゃ私は笑えない!」

「なら・・・生きてくれるだけでいいよ」

「っ!」

そう微笑んだ彼の顔は、やっぱり・・・。

「あ!」

台座のとこまで来た瞬間、ぐらりと倒れる彼。

よく見れば、あの刺はだんだん大きくなっていた。彼の足はもう、ボロボロだ。

「うー・・・」

彼も気になる。でも、あの球も気になる。

「すぐ戻るから!」

そう言って、私は1人で球に触れた。その瞬間、光は私だけを包み込む。

彼に触れようとしても、もう届かなかった。



13話担当&13話サブタイトル担当楓


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