STEEL BLUE
2012年02月 初稿
BGM by
鋼鉄の朝/BURGER NUDS
鉄格子に囲まれた、空っぽな心と虚ろな眼。
躰は鉛のように重たくて、横たわって息を潜めて、朝が来るのを待っている。
……どうせここには陽の光など差さないのに。
僕はどうしてここにいるのか、一体いつからここにいたのか。
この場所ではすべてが無機質だ。そして僕の心音も、機械のように冷たい。
時計の針さえ錆びついてしまって、感情が死んでいくとともに表情筋も動かなくなって。
僕には本当に血が通っているんだろうか。この躰に赤い液体は流れている?
僕は静かに決意して、鈍く光る針を握る。
反転、乖離。
辿り着いた日々の果て。
スチールブルー――ハガネイロ。
僕の魂は解き放たれ、夜明け前の空を見た。
中も外も生も死も、同じ鋼色だった。