占い
肩を落としとぼとぼ帰宅していると、リードをつけて散歩中の兎に遭遇した。
しばらく目で追っていると一階にペットショップがあるショッピングモールへ入っていった。
なぜだか誘われるように私もそのショッピングモールに入店していた。
その兎は常連なのか笑顔の店員に抱きかかえられトリミングルームへ消えていった。
まるで「不思議の国のアリス」のような展開だがふと、我に返る。
せっかくショッピングモールに来たんだしぶらぶらしよう。
二階のフードコート脇のフリースペースに占いブースができていた。
「三十分千五百円」
この料金なら今の持金でいける。
「すみません。予約はしていないのですがお
願いできますか。」
温和しい雰囲気のおばあちゃん占い師が笑顔で手招きしてくれた。
「何を占いたいですか。」
「将来どうなるのか知りたいです。」
「では恋愛運と仕事運を占いましょうか。」
「お願いします。」
氏名と生年月日を伝えて手相も併せて占っていく。
「お仕事は両極端になりそうですね。
これだというものに出合えるとその仕事
一筋になり、それに出合えないとなると
転々としてしまう。
恋愛は…モテますね。
んん〜ただですねその好意を寄せてくれ
るのが想い人ではなかったり、ストーカ
ーになったり曲折があるかもしれませ
ん。
結婚は……一、二、三……………。」
と言いながら手のひらのシワを数え始めた。
占いって良いことを並べて気持ちよくさせておいて、あとここだけは気を付けてねというスタイルが主流だと思っていたが今のところ気持ち良くはない。
「結婚は二十三歳までにできなかったら縁
が無いようです。」
「えええええーーー。」
ちょっと待って。二十三歳までに結婚できなかったらって、今年十九歳であと四年しかないってことなの。しかも職探しも厳しそうだしどうしたらいいの。
「あの今、彼氏もいません。というか今ま
でお付き合いの経験もなくてどうやって
見つけたらいいのか…。
それに仕事もどんなものが向いているのか
知りたいです。」
「『みんな死ぬの』と尋ねると『定めならね。
従うしかないんだよ』と答えた方もいらっ
しゃる。
おや、ここで三十分です。」
へっ、なになに。どういうことなの。意味が分からないよ。
もんもんと眠れない夜を過ごし、曙の色となる頃スタンドの灯りをつけまた求人誌を見ていた。
「フロアレディ募集」