第25話
生徒会長、臼井一樹
「セネカさん」誰かが言うのが聞こえて、臼井さんの声が聞こえた。「それともアマヤさんと言うべきかな?」
また教室に二人きりになり、手で顔を覆った時に赤面した。これは恥ずかしい。私は立って最敬礼をした。「嘘をついて本当にすみません、会長。ごめん。ごめん」
彼はくすくす笑ってドアの近くにもたれた。「大丈夫。立って。今、何をまたここでしてるの?」
「あ、あの…」私はつぶやいた。
「一樹くん!」外で誰かが叫ぶのが聞こえた。「そこに女の子を見た?フィリピン人」
くそ。ここは鈴木亮介!
私は何度も首を振って、手をこすり合わせて懇願した。「その男の子に言わないで、臼井さん。お願いします、会長」
臼井さんは驚いて目を丸くして外を見た。「亮介くん、どうも」
近づいてくる足音が聞こえた時、私は周りを見回して、掃除用具の引き出しの中に隠れることにした。
ドアを叩く音が聞こえて、鈴木くんの声が空の教室に溢れた。「あの女はどこに行った?最近、門の前を歩いているのを見ていない」
「誰のこと?」臼井さんが聞くのが聞こえた。
「バンビコ・アマヤ。茶色い肌の女の子。見た、一樹くん?」
「学校は君が桔梗ちゃんと別れたことを知っている。今度は別の女の子と何の関係があるの?」臼井さんが返事した。
横山さんの名前が出た瞬間、私の心臓は緊張して鼓動した。私は敗北してまばたきし、ほうきと湿ったモップの匂いがするこの暗い場所の中を見下ろした。
鈴木くんが舌打ちするのが聞こえた。「なんで?桔梗ちゃんが好きなの?持っていけばいい。うまくいかない、彼女の口から出てくるものが好きじゃない」
臼井さんはため息をついた。「それは君が彼女を安心させないからだ」
「面倒くさいな」鈴木くんはうめいた。「元カノのことで喧嘩するつもりはない。俺より彼女を理解してるなら、どうぞ。君もテニスをやってる、それはいいスタートだ。デートに誘えよ」
その瞬間、静かになった。鈴木くんの足音だけが聞こえるまで。
「彼女はここにいない。バンビコ・アマヤさんはここにいない」臼井さんが言うのが聞こえた。
私の喉と心臓は安堵でリラックスした。よろしく。ありがとう、臼井さん。
「本当に?じゃあなんで誰かと話してるみたいに長くここにいるの?」鈴木くんがまた聞いた。
「幽霊が見える目を持ってるって言ったらどうする?」
「畜生」鈴木くんは息を吐いた。「じゃあ帰る。じゃ」彼の速い足音が走り去るまで。
その後、臼井さんの笑い声が爆発するのが聞こえた。それは柔らかくて旋律的な笑いだった。学校で最も人気のある男の子の美しさ。私はキャビネットを開けて敬礼した。「ありがとう、臼井さん」
臼井さんは手を振った。「小学校以来、亮介くんがあんな風になるのを見たのは久しぶりだ。いつも逃げるのが速い人」それから彼はまた笑って、少しお腹を押さえた。
その後、彼は落ち着いて、頭から軽くお辞儀をした。「笑いで不器用になって申し訳ない、アマヤさん。でも、なぜ亮介くんを避けているのか本当の理由を知ってもいい?偽名まで使って」
次章:臼井さんは神様じゃない?