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少女ギャル  作者: シーケー
第3章
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第10話

期末試験と誘惑

 算数で、根号を簡単にするなら、平方根の余りを取り除いて、その余りから係数を作らなければならない。


 そうでしょ?


 整数になる?


 頭を掻きたかったけど、ため息をついてからもう一度ノートを見直さなければならなかった。


 クソ。


 今日は学校の試験だ。昼食を食べた後、これから始まる数学のテストの復習をすることにした。これは今まで直面した中で最も難しい科目の一つだ。


 グーグルで検索してみたけど、複雑すぎる。ChatGPTに聞いたら、幻覚を起こして間違った答えを出すかもしれない。仕方ない。昔ながらのノートを見直す方法に戻った。


 まず、完全平方を見つける。


 次に、余りを取り除く。でももしその余りを逆に計算したら、掛け戻すのか、それとも—?


「ダメ!」大きな声が叫んだ。「やらかした!蓮くん、助けて!」


「おい!」別の声が響いた。「来たー!」


「よっしゃ!」男子のグループが声を揃えて言った。


 はい。


 男子たち……


 なんでいつもこんなにうるさくしなきゃいけないの?!


 眉をひそめて席の前を見上げた。そして叫び声の主が他でもない、他の男子たちと輪になって座っている鈴木くんだと分かった。


 鈴木くんをにらみつけた。でも他の子たちと同じように、鈴木くんも携帯ゲームに夢中すぎる。


「ねえ、何やってるの?」うるささに気を取られたクラスメートの一人が聞いた。


「コール・オブ・デューティ」金田蓮くんが言った。「中国本土の人たちと競ってる」


 金田蓮くんが中国本土の人と言ったのは興味深い。金田くんは台湾系中国人だから。


 でも、金田くんは自己紹介で日本で生まれ育ったと言っている。


 鈴木くんがまた女の子みたいに叫んだ。「ああもう!」


 ちっ。鈴木くんの声、すごくうるさい!


 ノートを置いて、息をついた。


 この男子たちは教室をネットカフェにして、大声でお互いを応援するだけだった。


「男子たち、うるさすぎるよ」(りつ)ちゃんがついに言った。「後でテストがあるのに心配じゃないの?」


 金田くんが顔を上げて一時停止した。ゲームに注意を戻す前に、他のみんなに静かにするよう忠告した。


「亮介くん」金田蓮くんが静かにさせた。


「やー」鈴木くんがうめいた。「数学は得意だから、律ちゃん」


 この男子の厚かましさ!鈴木くんは空気読めないの?


「亮介くん」律ちゃんが懇願した。「お願い、おとなしくして」


 律ちゃんは金田くんの方を向いた。「蓮くん、もう亮介くんを励まさないで」


「はい」金田くんは簡潔に答えた。「鈴木くんをチームから蹴り出すよ」


 鈴木くんは女性Vtuberみたいに甲高い声で泣いた。「律ちゃんを俺より選ぶの、蓮くん?もう俺のこと愛してないの?」


 なにこれ?


 鈴木くんと金田くんのやおいストーリー?


 鈴木くんの携帯のゲームの銃声が突然静かになった。


 金田くんは本当に彼をチームから蹴り出した。


「きゃー!」鈴木くんはまた女性的な叫び声を上げた。「ダメ。蓮くん、こんなことしないで」


 金田くんは彼を無視して、男子たちと一緒に進行中のゲームに集中し続けた。


 鈴木くん、ざまあみろ。


 鈴木くんは、そらされたけど影響されずに、律ちゃんを見上げた。「まあ…」と始めて、姿勢をリラックスさせた。


「大きな声で律ちゃんを不安にさせたから、お詫びのしるしとして律ちゃんにおごらせて。ね、律ちゃん、一緒に食堂に行かない?」


 金田くんはすぐに横目で見た。「サボるなよ、亮介くん。ライバルが亮介くんをターゲットにし続けるから一時的に蹴り出さなきゃいけなかったんだ」


 鈴木くんの注意が奪われた。「あ!そう」と頷いた。「ああもう!このゲームの初心者なんだから。蓮くん、少しは手加減して」


 すぐに鈴木くんの携帯が鳴って、彼は拍手してからゲームに戻った。「律ちゃん、撤回する。結局蓮くんは俺を選んでくれた」


 律ちゃんは息を吸って落ち着いてから、本に注意を戻した。


「静かにして。みんな」律ちゃんが言った。


 ほら、この三人には進行中の三角関係がある。


 無関心な鈴木くんは、律ちゃんが密かに鈴木くんを好きだということを知らないほどぼんやりしている。


 一方、律ちゃんは金田くんが自分に気づいてもらおうとしているのが見えないほど盲目だ。


 律ちゃんはいつも昼休みに髪の両側に紫のリボンのポニーテールをしている。


 彼女は外向的で優しい女の子で、鈴木くんが幼なじみのようにからかうのが大好きだ。


 鈴木くん、美雪ちゃん、律ちゃんは小学校からのクラスメートだった。


 唯一の問題は、それが律ちゃんへの恋心の発展につながることだ。


 いつも見ていた。


 鈴木くんが席で退屈すぎると、律ちゃんの席に移動して律ちゃんのポニーテールで遊ぶ。


 はい。


 彼らはそれくらい仲がいい。


 律ちゃんは鈴木くんが自分の気持ちを真剣に受け止めないことを知っているから、告白したことがない。


 美雪ちゃんが最初にこのことを教えてくれた。


「鈴木くんは律ちゃんを思わせぶりにする最低な奴だ」と一度つぶやいた。「なんで律ちゃんは金田くんを見ないの?金田くんは律ちゃんが好きなのに」


 エミリーちゃんが答えた。「悲劇的よね、鈴木くんはまだ小さな男の子みたいに遊んでる。律ちゃんの気持ちを発展させる可能性について全然分かってない。はい。鈴木くんは金田くんみたいに成熟してない」


 長い間鈴木くんの隣に座っていると、エミリーちゃんの言葉がより納得できる。


 鈴木くんは女の子のことになると、めったに真剣に受け止めない。


 鈴木くんがクラブでビールと—について言ったことを思い出すまで。


 ダメだ。鈴木くんは本当にクズになりうる。


 律ちゃんは同じ優しさで扱われるべきかわいい子だ。


 あのクソ野郎の鈴木くんじゃない。私はむしろ律ちゃんを金田くんの隣に押しやりたい。

次章:試験結果、そして迫る体育祭

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