第9話
アマヤさんの真の混乱。
「はい」鈴木くんが言うのが聞こえた。
手が枕を探してしっかりと抱きしめられるようにもがいた。
また痛みの波が来た時にできる限りきつく。
ドアがきしむ音が聞こえて、看護師が入ってきた。なだめるような声で話した。「どうしましたか?」
それで、私は泣いた。すすり泣き続けると、看護師は私を慰めて鎮痛剤をくれた。
放課後のチャイムが鳴るのが聞こえるまで何時間も眠った。目がパチパチと開いて、一人残されていることに気づいた。
カバンを取って起き上がった。やっと力が戻ってきて、痛みも和らいだ。校門を出ようとした時、壁にもたれている鈴木くんを見た。「元気?」
月のものの時期だ。「また会っちゃったから、いいえだ」そして歩き続けた。でも、彼はついてきた。
「家庭教師のセッションがあるんじゃない?」彼は聞いた。
「マジ?」振り返った。「今日は休みよ。毎秒あなたの顔を見ないで休憩させてくれない?」
「あ...…」鋭く息を吸った。「とりあえずカバン渡して。月のものの時期は女性は疲労するって聞いた」手招きした。
鈴木くんをちらっと見て、慎重にカバンのストラップを外した。「これ」
鈴木くんがキャッチし損ねた時、地面に投げた。
「拾って」
「ちっ」鈴木くんは拾いながら言った。「失礼だな」
「鏡の前でそれを言いなさい」と言い返して、鈴木くんより速く歩いた。
鈴木くんは追いついてきた。二つのストラップを胸に巻き付けて。それで鈴木くんはバカみたいに見えるけど、鈴木くんの顔はいつも無関心だ。我慢した。
「紳士のふりして恥ずかしくないの?」
彼は歩調を緩めて私の方を向いた。「なんで?いらない?ほら、重いカバンを喜んで返すよ」
「鈴木くんは文句言ってる」とけしかけた。
「まさか、アマヤちゃん?それがアマヤちゃんの感謝の表し方?」
肩をすくめた。「誰かが本当によく教えてくれたから」
「うるせー」
彼を無視して、歩き続けた。私の家に着いた時、彼はカバンを返してくれた。「アマヤちゃんのカバンです。じゃあね。家まで気をつけて」鈴木くんは言って、何でもないかのように振り返った。
混乱のために彼が歩いていくのを見ていたのを覚えている。
鈴木くんはいつも失礼な男の子だし、こういうことで私の悪い意見を揺るがすべきじゃない。
でも鈴木くんがする思いやりのないことすべてに対して、鈴木くんは一瞬でも立ち止まることを知っている。
結局、彼をどう理解すればいいのか分からない。
次章:期末試験と誘惑