第5話
アマヤさんと亮介くんの高校2年目
鈴木くんのスポーツは名古屋のここの季節のように変わる。去年は野球部に入っていたのに、この二年目はサッカーに興味を持つようになった。
「ねえ、来年はもっと上のレベルに行って、ダンススポーツ部に変えたら?社交ダンスみたいな?」ある時、彼をイライラさせるために鈴木くんに言った。体育で体育館の中にいた。今は水分補給の休憩中だ。
怠け者の鈴木くんは、私たちが課されたスポーツをやり終えた後、上段のベンチに座って、またサボっていた。
「面白いつもり、アマヤさん?」体育館のコートから私を見下ろしながら言い返した。「コメディアンとしては最悪だね」
私は鈴木くんに顎を向けて、拳を見せた。「じゃあ実際にあなたの顔を殴ろうとするのはどう?」
彼の顔が明るくなった。唇を舐めて、あの変態的な笑みを浮かべた。「はい、どうぞ」鈴木くんは挑発して、頬を差し出した。「君の拳が何でできてるか見てみよう」
ほら?鈴木くんを相手にするのは無意味だ。結局、意図した以上に二倍イライラした。「気が変わった。ワニ革みたいに厚いその顔で拳を汚したくない」
でもこの男子はただイライラする笑い声を上げた。「やばい。チャンスを逃したね、アマヤちゃん。弱いね」と言った。
動かないつもりだったので、立ち去った。
転がっているボールを見つけた時、それを掴んだ。本能的に戻って、突然彼にボールを投げつけた。鈴木くんの目が大きくなったが、私の鋭い投球を何でもないように避けた。
「わあ。ちょっと」鈴木くんはからかうような笑みを浮かべて、目と舌を突き出した。
唇をきつく結んで、鋭く彼を見た。でも、鈴木くんと議論しても何にもならない。彼に目を回して、活動を続けた。
もう鈴木くんの気持ちなんてどうでもいいという段階に来ていた。なぜなら鈴木くんはクソ野郎として知られているから。
彼が人気者になるチャンスはあった。でも暴力を見せつけたせいで、女子からの可能な憧れはすべて消え去った。
美雪ちゃんから聞いたところによると、鈴木くんはA組の一番人気の臼井さんとC組の二番人気の倉ンさんに対して、三番目に人気のある男子にランクされていたらしい。
「もったいない」美雪ちゃんはため息をついた。
美雪ちゃんは手に頭を乗せた。美雪ちゃんは肩までの黒髪で、丸い体型だ。でも美雪ちゃんは学校の噂なら何でも知っている情報源だ。
「亮介くんは私たちのクラスを代表できたのに、本当にもったいない」とよく言っていた。
あのクズのことなんてどうでもいい。
「美雪ちゃん、まだNewJeansのペンライト持ってる?キーホルダー見たけど、Bunnies用でしょ。美雪ちゃんもBunnyなの?」と聞いた。
彼女は振り返って、驚いた。「え?あなたもNewJeansファンなの?」
「音楽が好き」私は微笑んだ。
「わあ!」律ちゃんとエミリーちゃんが歓声を上げた。「同じ」と声を揃えた。
「好きなNewJeansの曲は?」エミリーちゃんが聞いた。
「Supernaturalかな?」
律ちゃんは輝いた。「私も!Right Nowが好き」
「はい」私はにっこりした。「私もその曲好き」
興奮して、K-POPについて延々と話し続けた。最後のMAMAアワードについて話し合い、誰か東京のツアーに行くか聞いた。
私は首を振った。「行ってない、母が許してくれない」
「はい…...」美雪ちゃんはため息をついた。「私も外出禁止。東京は一人で行くには遠すぎるって」
残りの私たちも同意してうめいた。「早く大人になって東京のアイドルのコンサートに行きたい!」エミリーちゃんが爆発した。
「はい」律ちゃんが続いた。美雪ちゃんも。私も自分の意見を言おうとした時、突然誰かが私たちの隣に座った。
「美雪ちゃん、律ちゃん、エミリーちゃん、どうも」鈴木くんが挨拶した。魅力的な笑みを浮かべてウィンクし、私たちのテーブルに片腕を置いた。「元気?」
次章:亮介くんの止まらないカラオケの話。