表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/35

第いちきゅう話:死神と未亡人。

「――ええ、ですから、ご主人がお亡くなりになられたことを人づてに聞きまして。それでこうやって弔問に訪れさせていただいたのですが……」

「そうですか……主人の。すいません、変な誤解しちゃって」

「いえ、誤解されるようなことをしてしまったのはこちらですから…」

「すいません、本当に。あ、お茶淹れてきますね」

「では、お焼香だけでもさせていただいていてよろしいですか?」

「ええ、どうぞ。……主人も喜びます」

そういって、女性は奥へ(おそらくキッチンへ)と入っていった。

その間に仏壇の正面へと向かう。どこにでもある普通の仏壇。しいて言うなら、一般的な家庭で見るものよりも多少小奇麗にされているというくらいか。

そしてそこには、当然といえば当然だが遺影が飾られていた。


ここは例の工事現場でなくなっていた男の家だ。さっき殺されていた男のことではない。

それよりも前、一週間ほど前に同じ工事現場で違う男が死んでいたのだ。

もちろん面識も何もない。実を言えばほんの数時間前まで名前、いやその存在すら知らなかった。それを知ることになったのには深い理由なんてありもしない。

工事現場に戻ったとき、野次馬の中で前にも事件があった風な言葉を聴くことができたからだ。その人に話を聞き、ルカの諜報能力のおかげでようやく夕暮れにはその被害者の身元がわかった。

ルカにそんな特技が合ったことにも驚いたが、とにかくこれで一歩また核心に近づいたのだと思う。

現段階で犯人(犯魂?)として一番怪しいのはこの人だ。その魂のことについての情報がおおければ多いほどいいらしい。

いや、何がかは知らない。だが、ルカが言うにはそういうことなのだ。

「おい、ソテツ。お前、ここのやつを知り合いだったのか?」

突然耳元でそう囁かれて少しびびる。

「おぅわっ!? と、なんだルカか。どうしたんだ?」

「いや……、ここに来てからお前こいつの――」

仏壇を指す。

「――知り合いだったみたいに話してただろ? どういうことだ?」

あぁ。とため息混じりに自嘲する。

「それなりに仕事もできるようになるとさ、そうやっていかないとうまくいかないんだよ。知ったかぶりってやつ、かな。その方が、信用も得られるしそれになにより自分が有能そうに見えるだろ?」

「はぁー、それでも趣味の話とかしてただろ? あれも知ったかぶりか?」

「あれは……、まあコツがいるんだ。部屋の中にあるものとか、奥さんの反応とか。最悪はずれてても奥さんの知らない趣味が合った。そういうことになるだけだ」

「ソテツ・・・、さすがにそれは危ないんじゃないですの?」

「実際はもう少し考えてるから大丈夫だよ。それにもう何年もやってるから慣れてるし」


それからしばらくして、奥さんがお茶を持ってきてくれた。

飲みながら、ぼろが出ないように情報を聞き出す。まあ、どんなことでも構わないらしいから当たり障りのない会話をしていた。

最初のほうこそ世間話のようなことをしていたが、いつの間にか奥さんとの馴れ初めを話し出し、

「――あの日……、主人がなくなった日。あの日は、息子の誕生日だったんです」

ついにはとうとう命日にまでたどり着いた。

「あの人は、いつもは仕事で家に着くのが息子が寝てからなのに……。あの、日のために無理をして……うぅっ」

とうとう泣き崩れてしまう。

「ちょ、奥さん! え、だ、大丈夫ですか!?」

「任せろ」

ルカが奥さんに駆け寄る。

そして耳元でなにか二言三言囁くと、奥さんは疲れ果てたかのようにそのままぐっすり眠ってしまった。

「…ルカ、お前、何をしたんだ?」

「死神様の特殊能力ってやつよ、けけ」

不適に笑うとそのまま部屋を出て行こうとする。

「おら、ナにやってんだ二人とも。おいてくぞ」

「え、……でも」

「いいンだよ。どうせこれ以上粘ったってろくなこと聞けやしねぇ。それとも、あれか? 旦那をなくした未亡人の傷ついた心をしっかりケアして女心をがっつりキャッチ! って寸法か? ん?」

「な、そんなわけないだろ。いいよ、行くよ。行けばいいんだろ?」

若干のせられてしまった感じはあるが、そのまま家を後にする。



「しっかし、こんなのでよかったのかなぁ……」

いまさらながら、不安になる。

「ああ、まあ生活空間見れただけでも上等だ。明日には準備もできるだろ」

「そうか……、ならよかった。って、あれ。トトはどこ行った?」

あたりを見回しても銀色の影は見えない。

「まだ家ん中じゃねえの?」

そういうのとほぼ同時にトトが扉の影から姿を現した。

「おう、トト。もういいのか?」

たずねるのはルカである。

それにあごを引いて答えるトト。

どうやら二人の間ではきちんと伝わっているらしい。


なら問題ない。

俺は、俺にできることをするだけだ。

「ソテツ? どこにいくのですか?」

「ちょっと、な」

いつになくクオリティが低くなってしまいました。

申し訳ないです。


この小説の最初のほう、とういうかまあここにくるまでの流れといいますか。

今書き換えようと思ったら絶対にいいのができます。そりゃもう確実に。

なので、ソテツくんが死を回避しましたら一旦改稿作業します。

当社比200%くらいで帰ってまいります。

お待ちください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ