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第17話:死神と魂。

寝不足のまま、昨日の工事現場の近くまでたどり着いた。

途中、見覚えのない道を通った気がするなーとか思ったが、気のせいだということで解決する。うん。後ろを向いたら見覚えあったし、たぶん昨日も通った道なんだろう。

まあ、今回は自力で歩いてきたわけで。もちろん俺の着衣に乱れはない。

破れてなんかいない。ましてや汚れひとつついていない。

でもなんだろうか。この周囲を歩く奥様方の奇異の目は。

まるでニュースに出てきた犯罪者を見つけたときのようないぶかしげな視線は。


井戸端会議を始める奥様方。ひそひそ話を始める奥様方。

「警察に……」「……最近の……」「うちの……」

なんて言葉もちらほらと聞こえてくる。

ええ無事です。この服は。俺の身体は。

でも、俺の心はずたぼろです。はい。


「みんなソテツのこと見てますわね。知り合いですの?」

不安そうにそう尋ねてくるトト。

全ての元凶であるはずのトトは自分が原因になっているなどこれっぽっちも考えていない。

気がつこうともしない。

なんだったら、今この瞬間だってその原因になっている。

どこか不安そうにあたりを見回し、きょろきょろと警戒をしている。

それに加えて、後ろにはニヤニヤ顔を緩ませたルカ。こう言っちゃなんだが、かなりの悪人面をしている。

うん、いや、はい。僕たちは誘拐をしているわけではないです、はい。

もう半ば投げやりな気持ちで歩を進める。

「……と、あれは。どういうことだ?」

ルカが突然声を上げる。

よく見るように目の上に手を当て、僅かにつま先立ちだ。

私見てますよーな感じ。

釣られて、俺もその視線の先に目をやる。


ちょうど俺たちの目的地の工事現場のところだ。

周りに十数人くらいだろうか、この住宅街の住人らしき人たちが集まっている。

「たしかに、不思議だな。まだ家は完成する様子もなかったのに」

すると、いつの間にいなくなっていたのか人ごみの中からルカが現れた。

「大変だ、トト、ソテツ。どうやらここの作業員が殺されたらしい」

「……ルカさん。それって?」

「ああ。そういうことだろうな。見た限りではそんな感じだった」

「じゃあ……?」

「先にそっち終わらせるしかないな。そうじゃないともっとめんどくさいことになる」

「……でも、それじゃあソテツは……」

「しかたないな。そうじゃないと……」

「……分かりました。急ぎましょう。行きますわよ、ソテツ!!!」

俺の手を引っつかみ、すぐに走り出そうとするトト。

その尋常じゃない膂力で引きずられそうになる。自然、昨日の惨劇が思い出される。

あれだけは回避せねば!


なんて努力が通用するほどの力量差でもなく、俺は無残にも地面をはいつくばることになった。ああ、周りにいる奥様方の視線が痛い……。

結局、俺が電柱に激突するまでそれは続いた。とだけ言っておこう。

それ以上のことは聞かないでくれ。


「……ふぅ。トト、せめて事情を説明してから進んでくれ」

先ほどの工事現場からさほど離れていない公園。

少なくとも住宅街から俺たちの姿が見えるような場所ではない。

「……そうですわ、ルカさん。それくらい説明しないとソテツが混乱するじゃありませんか」

「「いや、お前のせいだ」」

わざとらしく目をそむける。いや、こいつこんなにお茶目なやつだったか?

どこかトトの雰囲気が違うような気もする。

いや、それは後でもいいだろう。今は目の前のことを解決しないと。

「で、本当にどういうことなんだ? トトがあそこまで焦るなんて、あの時なにを話してたんだ?」

「…………」

二人は押し黙ったまま何も言わない。

その内、救急車やパトカーのサイレンが聞こえてきた。

それからしばらくして、トトが小さな声で話し出した。

「さっきの事件。たぶん……というか、おそらく私たちが追っていた魂が犯人ですわ」

「魂が犯人……って、どういうことだ。魂は物体に干渉できるのか?」

昨夜の光景を思い浮かべる。中庭に集まってきていた魂の中には壁を通り抜けてきたやつもいたはずだ。あれが人を殺す姿なんて想像つかない。

「正確には、『憑いてる』状態、ですわ。他の物体の主導権を握ることで、間接的に物理的に干渉することもできるのです」

俺は人間に霊が取り付いてわけのわからないことを叫ぶような番組を思い出した。

「しかも、それは人間相手とは限りません」

そこでトトはチラッとルカに視線を送る。


「ああ、そうだ。工事現場で殺されていたやつ。あいつは、……工具に食い殺されていた」

最近、プライベートでもうひとつ脚本を書き始めました。

はい、こっちは脚本なのです。ですから、それが終わればまたもとの投稿ペースを取り戻せるかと・・・。

はい、ぼやいててもしょうがないですね。

面白ければいいんです。

面白い小説がかければいいんです。


ただひとつ言うなら。

コメディをみたくて検索した人ごめんなさい。

もうこれファンタジックホラーだろ、とか。

自分で気がついてますよ、ええ。

でも、面白ければいいですよね? ね?


はい、そんなわけで。

これからも面白くできるようにがんばります。

明日からも「にゃはははー」っていいながらがんばります。

そんな私をよろしくお願いします。

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