第拾五話:死神の思い出。
短いです。はい。
言い訳はあとがきで。
「――それで、その時私にすごく世話を焼いてくれた人がいまして……恥ずかしながら、その人に少しでも近づけるように、とこの話し方を始めたんですわ。まあ、結局変な話し方みたいになってしまっていますけど」
短い、とは言ってもとても重い心を乗せた独白は、彼女の苦笑によって締めくくられた。
ほんの僅かではあるが、彼女がその心のうちを語ってくれたことに心なしか顔がほころぶ。
この数日間。たったそれだけしか生活を共にしていないが、それでも俺たちの間にはそれなりの信頼は結ばれていると思っている。
いや、確かに結ばれているだろう。そうでなければ、こんなことまで話してくれることはないと思う。
俺がこのまま死んでしまうと聞いて、彼女は積極的に動いてくれていた。俺よりも俺の生に対して執着していたといってもいいほどに。実際、俺を助けるために案を出したのも彼女だ。今だって、ルカの様子をずっと真剣な目で見守っている。
俺もそれに倣う。
……俺は今、幸せなんだろうか?
つまらなくはない。じゃあ、俺は今この人生を楽しんでいるのだろうか?
そんなつまらない疑問が頭の中をぐるぐる回る。
分からない。
分かるはずがない。
幸せな人間は、幸せを実感し得ない。
なら、俺は幸せなのだろう。
ほんの僅かな時間でもいい。こんな幸せなひと時が続いてくれるのなら。
そんな願いを胸に、俺はそっと目を閉じた。
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気がついたら……いや、飽きてきたから寝てしまっていた。
俺の方を揺さぶる感覚で目が覚める。
「……ん、おぁ。な、んだ?」
「もうそろそろ準備ができるみたいですわ。起きてください」
繊細な声が俺の鼓膜を揺さぶる。
「……あれ、え――と?」
トトのお陰か、すっきりと目が覚めて――
「あ、トトさん? コレハイッタイドーユーコトナンデショーカー?」
「魔方陣ですわ。こっち(人間界)の言葉で言うとそうですわよね」
見たまんまのことを教えてくださるトトさん。
ええ、はい。今俺たちの暮らしていたマンションの中庭の真ん中にそれはそれは巨大な魔方陣がありましたとさ。まる。
「え……と、これ、どーいぅむぐぅっ――」
問い詰めようとしていたところをトトに口をふさがれて止められてしまう。
「しっ。始まりますわよ」
むがむが。
何がなんだか分からないが、とりあえず従っておこう。
トトが指差す先には、魔方陣。そしてその中心。
そこにはやはり、というかまあやっぱりルカがいた。
「今から何が――」
始まるんだ、と言いかけて口をつぐむ。
ルカの両手に光が宿ったのだ。
冒頭のトトの独白はほんとうはもっと長いんですって。
14話と15話の間でもっと話してるんですって。
で、なんかもう、ね。
疲れたよ、ぱとらっしゅぅ(カリスマ崩壊)
はい。短くても更新することが大事。
そのうち慣れてきたら文章量は増える。そう信じてます。
次回あたりで急展開できればいいなぁ。