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しにがみといえば黒。

タロットカードの13番は何か知っていますか?

「死神」もしくは「死」ですね。

でも、実は13番という数字はタロットにおいては存在しなかったのです。

12と14の間は空白だったんですよ。知ってました?

帰ってくると、家の中がきれいに片付いていた。

ルカに壊された壁も、扉も、その全てが俺が始めてここに来たときよりもきれいに片付いている。よくみると、明らかに俺たちが出て行く前にはなかったものまで置いてある。

「おい、トト。これどういうことだ?」

見たことのない――でもちょうど俺と同じサイズの――服を摘み上げながら問う。

「……多分、ルカさんですわ。私へのお祝いのつもりですかね」

トトはというと、これまた真新しい服を持ち上げて眺めている。

全体的に、黒やグレーの服が多い。

中には淡い色の服も混ざっているが、ほんの僅かだ。死神のセンスというものだろうか。

「これ、もらって良いものなのか?」

「良いですわよ。着替えもほとんどありませんでしたし、ちょうど良いですわ」

トトからのお許しも出たので、早速着替えてみることにする。

俺の服は、誰かに引きずられたお陰でぼろぼろなのだ。どこかの漫画のように二コマぐらいしたら勝手に直るような服が欲しい。

とりあえず、無難にジーパンとポロシャツを着た。

普通に生活する分にはこれくらいで十分だろう。

トトは、今までの制服のような格好から黒いワンピースに着替えていた。


ワンピースのデザインはいいのだが……黒?

どこか喪服のような雰囲気さえある。やはり死神のセンスというのはそういうものなのだろうか?

「ソテツ。作戦会議ですわ」

トトが黒以外の服を着ているところを真剣に考えていると、声をかけられた。

「作戦会議、ね。わかった。とりあえず飯食べながらでも良いよな?」

こっくりとうなずく。

俺は頭の中のファッションショーを中断して帰りに寄ったコンビニの袋を広げた。

服装より、とりあえず今この現状をどうするか考えないとな……。


どこかの主人公みたいに、まず死なないなんてことはありえないのだ。

生き延びたければ、自分で解決するしかない。

必ず生き延びてみせる。

強い決意とともに、おにぎりの封を開けた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「で、結局どうするんだ? さっきはたまたま誰もいなかったから良かったけど、いつもあんな風に入れるわけでもないだろ」

トトは少し考えるそぶりを見せると

「そうですわね。……でも、いつもあそこにいる必要もないですわ。要は、魂を捕まえればいいのですもの」

「……確かにそうか。もぐもぐ。そういえば、俺たちがいたときはその魂は見つからなかったのか?」

おにぎりを咀嚼する。うまいな、焼きたらこおにぎり。

「ええ、あの場にはいなかったようですわ。……もしかすると、今は違うところにいるのかもしれません。負の力も薄まっていたみたいですし、その線が濃厚ですわ」

あ、ネギトロおにぎりとられた。くそっ、あれ楽しみにしてたのに。

「ですから……聞いてますの?」

「だったら俺はこの焼き豚足おにぎりを……え?」

俺がおにぎりのことに気をとられているうちに、トトは何かしら話をしていたようだ。

いや、多分聞いてる。あのー、そのー。あ、魂が濃厚だとか。

多分そんな感じだったはず。うん。


「あ、ああ。確かに濃厚なんだろうな」

半透明だし、どろっとしてそうだ。

どんな味がするんだろうか。

「ええ。聞いていたのなら良いですわ。ですから、その魂が行きそうな場所を特定したほうが早いと思いますの」

「行きそうな場所、ね。……。なあ、俺たちと同じように魂を捕まえようとしている人とかいないのか?」

主に食べるためにー。

「……餅は餅屋、ですわね。ええ、いることにはいますわよ」

おお、そうなのか。

魂ってどうやって食べるんだろうか。

刺身? いや、何か調理したりするのかな。

そういえばどっかの武器は生のまま丸のみだったか?

「そいつ、すぐに会えるのか!?」

トトは複雑な表情で微笑んで、

「ええ、多分もう家の中に」

「――え?」


その瞬間、俺たちの真横にある窓ガラスが割れた。

ガラスの破片があたりに散らばる。

外からの光を反射するガラスはとても美しく、まさに絶対の美。

そして、その光をまとって現れた女性は――――

「――それはまあ暴力的で粗野な死神さんでしたとさっ! ちょ、おい。痛い。痛いって! ガラスを破って入ってくるな! もっとまともな登場はできんのかお前はぁっ!!!」

「そりゃまあ、な。記録よりも記憶に残る人間でありたいんだよ俺は」

立ち上がり、服についたガラスを払いのけながら唯我独尊なルカはそう宣言した。

「もはや人外のくせに何を言うか」

「ソテツ。ルカさんに正論では敵いません。所詮頭の中も人外な方ですから」

早速、というか仕事が速い。

ほうきと、何かに使うだろうかととっておいた新聞紙を持ってきてガラスの掃除を始めた。

俺は目の前の人外を殴りとばしたくなったが、敵うわけもないことを思い出す。とりあえず、ガラスの撤去を手伝うことにした。


数分後、多分全部のガラスを取り除き終えた。

部屋の中はとてもすがすがしいことになっている。

「ああ。すがすがしいな。家の中なのにまるで壁がないように風が吹き抜けていくぜ」

「文字通り窓がないからな。……で、何しに来た」

何とか生活できるようにした部屋の中で、今はテーブルを囲むように座っている。

「そう邪険にするなって。あれか、トトとの逢瀬を邪魔されたのがそんなに嫌だったか?」

「なっ! 私たちはそんなこと――!」

簡単に乗せられてくれるな、トト。

「……はぁ……。もうそういうの良いから。さっさとしよう」

ルカに反論する新米死神を何とかなだめて話を進めさせる。

「で、結局何しに来た? くだらないことだったら窓直してさっさと帰れ」

「あぁ? 多分俺のことを必要としてるんじゃねえかなって思って来てやったんだぜ?」

にやりとその口を歪める。

「はあ? お前のことなんか――」

ちょっとまて。こいつが来る前にトトと何を話していたんだった?

確か、魂を捕まえる人がどうとか……。

「おい、まさか?」

「その通り。俺こそが『魂魄の使役者ルカ』様だ!」

大げさに手を広げてポーズを決める。

と、床の上に広い残したガラスの破片を見つけた。瞬間、その上にルカの足が下りる。

「~~~~~~~~~!!!!!!」

声にならない悲鳴を上げるルカ。


『魂魄の使役者』とか何とかはわけが分からないが、とにかく現状を打開することができそうだ。

期待に胸を躍らせて、トトと一緒に地面でうずくまる人外を眺めるのであった。

どうやら、ルカさんはギャグ要員のようです。



とりあえず、ストーリーの展開は決まっているのですが、その間をつなぐストーリーがうまくできません。


ほんと、文章力とかどっかに落ちてたり販売してたりしないですかね……。

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