第自由児話:死神とクレープ。
まあ、適当な長さで。
いい感じの区切りで終わろうとするとどうしても長くなってしまいます。
確実に二倍以上は書かなければいけません。
なので、毎度引きが微妙です。
「お、おい。捕まえるって、どういうことだ?」
「文字通りですわ。捕獲。捕縛。緊縛。どれでもお好み、ただただ魂を捕らえるだけの話です」
最後のはたぶんいけない気がする。が、
「そういうことじゃない。『なんのために』捕まえるか。それを聞いているんだ」
トトはつぅと視線をちゅうに向けた。
「足りないなら、補えばいい。ないなら、捕まえてくればいい」
「っな。それって……」
捕まえてきた魂を、俺の魂の代わりに使うということか……?
俺の思いを肯定するかのように彼女は続ける。
「魂は、、替えがきく。少なくとも、それでしばらくの間は普通に生活することが可能です」
「で、でも……そいつは生きていたんだろ? そんなこと、人殺しと変わらないんじゃ……」
「いえ、彼――彼女かもしれませんが――は少なくとも非業の死を遂げた。これは間違いありません。こんな土地を作ってしまうほどに深い負の感情に満たされているのですから。ですから、このまま無理やり成仏させられてしまうよりは遥かに幸せなことですわ」
そう彼女は言いきる。
確かに一理あるかもしれない。
しかし、助からない病人を殺すことが良いことなのかと聞かれると、けしてそうではない。
死神と人間では確かに感覚が違うのだろう。心の中で、抵抗する感覚がある。
どうするべきなのか。
「いや……、やる。その魂、捕まえてやる」
考え方を変えればいい。
残された食べ物は、捨てられるより食べられるほうがずっと幸せに決まっている。
自分をごまかしているだけのような気もする。でも、トトはそのほうが幸せだといっているのだ。なら、それで間違いはないはず。
かというトトは、驚いたような顔をしていた。
「ん、どうした?」
「いや、もっとソテツは嫌がると思っていたのですわ。人間ってそういうものじゃないんですの?」
「ん、まあ……さすがに抵抗はあるけどさ。でも、その方がそいつも幸せなんだろ?」
「え、ええ」
「なら、そうするべきだと思っただけだ」
にっこりと微笑んでそう言う。
「で、具体的にはどうするんだ? ずっとここでいるわけにもいかないだろ?」
食事や寝るところもそうだし、工事の関係者も入ってくるだろう。
トトはというと、
「む……。考えてませんでしたわ」
腕を組み、眉根にしわを寄せて考えている。
「……とりあえず、家に帰るか? 急がなくても問題ないんだろ?」
魂とは、得てしてそういうものである。
よほどのことがない限り、強い魂ほど土地に癒着する傾向がある。なら、その魂もここ周辺にまた現れるはずだ。
「そうですわね。戻りましょうか」
考えるのをやめて俺のところにてとてとと歩いてくる。
「ところでソテツ? 少しお話したいことがあるのですが」
「話? ……なんだ」
そこで彼女は俺を真下から見つめて満面の笑みになる。
「ここに来る途中でおいしそうなクレープ屋さんを見つけたんですの。買ってくれないと、一人のお兄さんが警察さんに捕まってしまうかもしれませんわ?」
え、いや……満面の笑み? 顔は笑っているが目が笑っていない。どちらかといえば嘲笑に近い気もする。
「小さい女の子と一人の青年が暗い工事現場で二人きり……。女の子の叫び声を聞いて駆けつけた地域の方々がそんな状況を見つけたら――いったいどうなるのでしょうか……ねぇ?」
脅迫だ――!
こいつ、俺を脅迫してやがる!?
「お、お前まださっきのこと気にしてるのか!?」
「うふふ。……もう気にしてませんわ。ただ、どうなるのかなぁ、と思っただけですわ」
「…………」
「……すううううぅぅぅ」
トトが大きく息を吸い込み始めた。
「――っと、トト! ク、ククククレープでも食べて帰らないか?」
「――はああぁぁぁぁああ……。よろしいんですの?」
と、その表情は一変。穏やかなものへと変わる。
「あ、ああ。何でも良いぞ? 好きなのを頼め!」
ああ。軽く自暴自棄。
もういいや。どうにでもなれ。
帰りに買ったクレープは、涙の味がした。
クレープが食べたいというのは、軽く誰かに影響されております。
個人的には、甘いのよりもお惣菜的なクレープのほうが好きです。
洋菓子は肌に合わないんですかね。
そういえば、大阪は日本橋でストフェスがありますね。
輪音は人ごみが苦手なので行かないことにしました。
「萌えるごみぶくろ」ってw
で、第一章もこれで半ばくらいですかね。
ルカさんも再登場します。