第十話:死神とお出かけ。
ペースダウンしてまいりました。
クオリティもダウンしてまいりました。
リメイクを考えていると、どうしてもこっちが遅くなるんですよね・・・。
俺にとっては永遠とも思えた時間の後、ルカの笑い声はやんだ。
言葉のとおり、死神の笑い声だ。きっと、彼女のような死神に命を奪われるときはあんな声を聞くことになるのだろう。
「……本当のことですわ、ソテツ」
俺の心中を察するかのようにトトがその事実を肯定する。
「人間は、魂と肉体で構成されている。というのは教えましたわよね?」
「……ああ」
おぼろげながらも覚えている。確か、トトの地獄の死神講座の中でそういうことも書いてあったはずだ。
「肉体は、魂によってその存在を繋ぎとめていられますの。ですから、一般的に言われるように魂という中身を肉体という器に閉じ込めているというような表現は間違っていますの」
確かに、そんなことも書かれていた気がする。
「それで、俺の身体の中には魂がない状態、と」
「ええ、かなり無理やりでした。私がソテツを生き返らせようとしたとき、すでにあなたの魂はその肉体をはなれていました。でも回収している暇はなかったのですあれ以上遅くなると身体が腐っ――」
「もういい。大丈夫だ」
トトの頭に手を置いて、言葉をさえぎる。最後のほうは一気にまくし立てるように言葉を出していた。
「ほら、一回深呼吸しな」
かなり興奮していたようだ。その顔は上気し、まるで桃のような色合いになっていた。
「――でも、でもソテツ……」
「俺は大丈夫だ。なんとか、なるんだろ?」
「けけ、生き残りたいのか。贅沢な野郎だぜ」
「分かってたんだろ?」
まるで何でもお見通しですよといわん顔だ。
「まあ、な。飯の礼だ。ヒントくらい教えてやるよ」
そう言って、一枚の紙を取り出した。
そしてそれを机の上に広げる。
「……地図、か?」
「ああ、ここから2時間ほど離れたとある住宅街だ」
見たこともない地名が並んでいる。
「これの……ここ。ここに行ってみな。もしかしたら何とかなるかもだぜ?」
ルカは地図上のある一点を指した。
何の変哲もない一軒家に見える。
「……ここに、何があるんだ?」
「行ってみてのお楽しみぃ、ってやつだぜ」
そうして、ルカは入ってきたときと同じように突然にこの家から消えていった。
果たして、信用してもいいものなのだろうか。
「行きますわよ、ソテツ」
俺が行くかどうか悩んでいると、とっくに準備を整えたトトが俺を促す。
「大丈夫なのか? 一応、俺を殺そうとした張本人からの情報だぞ」
「ええ。ルカさんは、そこまで非道なことはしません。きっと何かがあるはずですわ」
その目は、確かに何かしらの確信を得ていた。
少なくとも、俺は彼女のパートナーだ。
彼女が信用するのなら、俺も信用せねばなるまい。
「わかった。お前の言うこと、信じるぞ」
朝食の後片付けも早々に、俺たちは出発した。
さあ、明日からはまたスイッチを入れなおそうっと。