5話
5話
手紙には美人じゃ金に困るが大金持ちの女房なら一生、遊んで暮らせると嬉しそうに書いてあった。ニノは「金のために豚と結婚してくれ!」と、強く書かれていた。ニノが挨拶するようになって一か月が経過した頃、豚からラブレターが来ていて中を読むと香水をたっぷり塗った気味悪い内容にニノは背筋が寒く感じていた。そして恐怖の写真が一枚入って居た。
ニノは「俺はマニアじゃない! これも将来の金のためか…」と、奥歯を噛みしめた。そして豚は徐々にニノになれなれしくなって周囲からニノに「なによ! あの豚は!」と、声を荒げる女達が居た。ニノの周囲は騒がしくなっていった。そんな時に同級生たちから「ニノはマニアだったなんて~♪」と、ジョークを言われたが学校一の美人は「マニアかぁ~」と、少しだけ微笑んだ。
ニノは「これもあれも金のためならと思いつつ、だけど楽しい青春を捨ててまでするものなのか?」と、自問自答を繰り返していったが豚は相変わらず「ブヒブヒ」と、独り言を言い放ち益々ニノは豚から離れて歩いた。そして更に季節は秋に進む頃には豚は少しぽっちゃりとなり、冬の初め頃にはスタイルを子豚から美人へと姿を変えて行った。そして気付けば豚は瘦せ細りその風貌を美人へと変えて行った。
そしてこの頃からニノの周囲は「あの豚! 何で… あんなに… 美人だったか~?」と、驚きの声が聞こえて来る頃には子豚はすっかり瘦せ細って女の顔になっていた。だが机の上のレターは最近は書き込まれてはいなかった。更に数日が経過したがレターには何も書かれてはいなかったが子豚は仇名になっていて誰も名前で呼ぶヤツも居なかった。
そしてニノが大学生の頃になると子豚と同棲しつつもいつのまにかニノの隣には美人の女性が凛として起って居て、近所のスーパーで仲良く買い物を楽しんで居た。更には高校性の頃に来ていた手紙は何も書きこまれてはいなかったことで「これで良かったのか?」と、手紙に呼びかけても返事は来なかった。そして数年後に大学を卒業したニノは隣の美人さんと結婚して大企業で幹部候補として働いていた。