32.発見
俺たちは宿屋で一夜を過ごした後、付近のダンジョンを探索することになった。
しかし……
「城下町、なぁ……。」
宿屋の地図を見て頭を抱えていた。というのも、付近のダンジョンが城下町にしかなかったからだ。
城下町と言えば、あのリーブルとかいう奴がいる場所だ。しかもお姫様だっている。宝石を探し出す前に、あの街にいくのは気まずい。
加えて、俺の能力も既に広まっているだろう。
「何か身を隠せる物はないか?」
「うーん……私のマントくらいしかないわね、それでも良いなら貸すけど。」
「構わない、貸してくれ。」
城下町は相変わらず賑わっていた。リーブルを称えるポスターが至る所に貼られていて、俺は思わず肩身が狭くなる。
「気持ち悪い……。」
ラミはそのポスターを見るたびに顔を背けて、マントをより深く被った。まあ、あんな目に遭ったのだから当然だろう。
「それで、ダンジョンはどこにあるんだ?」
「地図によるとこの辺り……でも、城下町にダンジョンが出るなんて。リーブルが知っていてもおかしくなさそうだけど。」
その時、目の前に突然人がわらわらと集まってきた!
「なんだなんだ!?」
「何、この人だかり!」
俺たちは突然のことに対応できず、人混みに押されて段々とその場から離れていく。しかも__
「ラミ!」
このせいで満足に歩くこともできず、ラミともはぐれてしまった!
一体何なんだ、この騒ぎは……!
そんなことを考えながら、抵抗もできず街の端へ端へと流されていると、あの最低な声がこだました。
「さあさあ皆さん!この【剣聖】リーブルが、華麗にこのダンジョンを攻略してみせましょう!」
正体は勿論リーブルだ。あいつの声高らかな宣言に、人々は興奮しながら次々と賛美を叫ぶ。
気付いてくれ、みんな……!そいつは俺の大切な仲間を傷つけた挙句、人のことを見下す最低な野郎だぞ!
俺の声は届かない。届くはずがない。
賛美を受けて調子に乗ったリーブルは、自慢の剣を空に掲げた。
「僕が来たからにはもう安心!何も恐れることはありません!天より授かりしこの力で、皆さんを守りましょう!」
リーブルの周りには、改めて捕まえたであろう仲間が三人いる。男が二人と女が一人、見る限り剣士、武闘家、賢者のようだ。
「もう行きましょう、リーブルさん。私、早く帰りたいんですから。」
「そうだね、ミーティア。それじゃあ皆さん、また後で!」
人々の称賛と歓声に見送られながら、リーブル一向はダンジョンの中へ入っていった。




