表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
46/46

アレクシの成長

文章が稚拙なのでちょいちょい改稿します。

 あれは私がまだ五つのころの話だ。親が勝手に婚約者を決めた。


 それは別にかまわない。なぜなら、自分は王太子であり婚姻相手を親が決めるというのは当然のことだったからだ。


 それでも、アドリエンヌが婚約者に選ばれた時、自分でもよくわからない感情に支配され振り回された。


 それは、国王の跡継ぎとして絶対に表に出してはいけない感情なのだと自分に言い聞かせ、心の奥底へその感情をしまいこんだ。


 その後、アドリエンヌはいつも私に気に入られようとしていた。それでも私は彼女に心を動かされることはなかった。


 いや、そう勘違いしていた。


 そうして五つの頃から、私の隣にアドリエンヌがいるのは当たり前のことであり、ただの日常でしかなかった。


 学園に通うようになってもそれは続いた。


 ある日、いつも朝は出迎えてくれていたアドリエンヌが出迎えにこなかった。


 病気でもしたのだろうか? そういえば先日体調が悪いと言っていた。今日は休みなのだろうか? 大丈夫だろうか? だが、屋敷に見舞いに行けば疎ましがられるかもしれない、やめておこう。


 そう思っていた時、教師が出欠を取るためアドリエンヌの名を呼ぶと、彼女の元気のよい返事が聞こえた。


 私はその時初めてアドリエンヌがわざと私を出迎えなかったのだと知った。


 だが、特に気にしないようにした。彼女が出迎えなかったぐらいどうということはない。


 そう思い込むようにした。


 翌日からなぜかアドリエンヌではなく、シャウラが出迎えるようになった。


 だが、シャウラの出迎え方は大仰(おおぎょう)で押し付けがましく、鬱陶しく感じることもしばしばあった。


 私は部下に言って、シャウラの出迎えを止めさせたほどだった。それでもしつこく出迎えることがあったが。


 考えてみればアドリエンヌは慎ましやかで、私の邪魔になるようなことはなかった。


 出迎えのことだけではない。彼女が私から離れてから日常的に不便だと感じることが頻繁にあり、普段からアドリエンヌが私が過ごしやすいよう居心地のよい空間を作ってくれていたのだと気づいた。


 それだけではない。アドリエンヌ自身が私の横にいない。それが私をとても不安にさせた。アドリエンヌの横にいること事態が私を居心地よくさせてくれていたのだ。


 そうして、私はいつもアドリエンヌのことを考えるようになってしまっていた。


 私は彼女の様子が気になり、いつもアドリエンヌをめで追っていた。そうして今のアドリエンヌを観察していると、とても楽しそうに笑っていることが増えたようだった。


 私の隣で彼女があんなふうに笑っていたことがあっただろうか?


 私はアドリエンヌに与えてもらってばかりで、なにも返していないことにこの時やっと気づいたのだ。


 王太子として生まれ、与えられるのが当然だと思って生きてきた。だが、当然それでは誰も幸せにすることはできない。


 一人として幸せにすることもできない人間が、国を背負うことなどできるものだろうか? 私はそう自問した。


 そんなことを考えているうちに、私はアドリエンヌを幸せにしたいと思っている自分の気持ちに気づいた。


 私は彼女の笑顔を見たい。今までのように感情を抑えた作ったような微笑みではなく、幸せそうに私の隣で微笑んでいてほしい。


 そう強く思うようになった。


 そうして私は五つの頃から抑え続けていたこの感情を思い出した。


 私はずっと昔からアドリエンヌが好きだったのだ。そして、そばにいるうちにアドリエンヌを愛し始めていた。


 それに気づいた今、今までのようにアドリエンヌに一方的に与えてもらうだけの関係ではダメだと考えた。


 確かに、彼女のサポートがあればとても快適に過ごすことができたが、私が今望んでいる関係はそういうものではない。


 お互いに本音でなんでも言い合い、そしてお互いがお互いを支える。そんな関係になりたいと思った。


 そんな時にエメからアドリエンヌについての報告書を受け取った。その内容はアドリエンヌが素晴らしい女性であること、それと私に対しての興味を失ってしまっているということが書かれていた。


 私はショックを受けた。だが、これは自分が招いたことだった。


 これからは話す機会を増やし、少しずつでも信頼関係を気づく必要があるだろう。


 だが、私自身どう彼女に接するのがよいか分からなかった。それでもなにもしないよりはましだ。


 彼女は私自身を成長させてくれた大切な人であり、絶対に失うことのできない存在である。


 絶対に彼女の気持ちを取り返して見せる。


 私はそう決意すると、ニヒェルの書斎へ向かう彼女のあとを追った。

誤字脱字報告ありがとうございます。


※この作品フィクションであり、架空の世界のお話です。実在の人物や団体などとは関係ありません。また、階級などの詳細な点について、実際の歴史とは異なることがありますのでご了承下さい。


私の作品を読んでいただいて、本当にありがとうございます。


この作品は続編を出す予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ