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文章が稚拙なのでちょいちょい改稿します。

 それを聞いて全員が無言になった。そこでアドリエンヌが口を開く。


「でも、きっと騎士団がなんとかしてくれるはずですもの、絶対に大丈夫ですわ」


 そうは言ったものの、アドリエンヌ自身も不安な気持ちに変わりはなかった。こうしてこの日はみな、なんとなく暗い雰囲気になったまま解散となった。


 屋敷へ戻ったあと、アドリエンヌはエメから聞いた話が遡る前の課題で発生したモンスターの大量発生とも関係があるかもしれないと思い、原因を突き止め解決した方がよいだろうと考えた。


 自分が神の子だからとか、この力でなにか人助けがしたいという訳ではない。ただ、この幸せで平和な今の日常を壊されたくない。そう思ったのだ。


「西の渓谷に行ってきますわ」


 そうアドリエンヌがリオンに言うと、リオンは一言。


「そうか」


 とだけ答えた。


「リオンは反対すると思っていましたのに」


 驚いて、クッションの上で丸くなっているリオンの背中を見つめる。すると、リオンはゆっくり起き上がり伸びをするとあくびをしたあと言った。


「お前のことだからそう言い出すのではないかと思っていた。お前の力は強大だ、モンスターなど何体いようが問題ないだろう。好きにすればいいじゃないか。それで、渓谷にはこれから行くのか?」


「流石リオン、話が早くて助かりますわ」


「ここ数日お前と行動を共にして、お前という奴がわかってきたところだからな」


 そう言うと、リオンはアドリエンヌの肩に飛び乗る。


「さて、行こうじゃないか」


 アドリエンヌは頷くと西の渓谷へ瞬間移動した。


 空から渓谷の様子を観察すると渓谷と城下町へ続く森の境界の辺りで、篝火のようなものがチラチラと光っており、時折大きな炎が上がるのが見えた。


 きっとそこで魔法騎士団が押し寄せるモンスターを食い止めているに違いなかった。


 アトラスの父親が屋敷へ帰ってこれないのも、ここで前線を守っているからなのだろう。


 それを見ていて一つ疑問に思ったことがあった。それは、このモンスターたちはどこから来たのだろうか? ということだ。


 この世界にはある程度のモンスターが生息しているものの、時々人里にやって来る程度で住み分けができており、城下町の方へこんなに大量に押し寄せて来るのを見たことがなかった。


 きっと、手前にいるモンスターを消滅させたとしても発生している元を叩かなければ、いくらでも押し寄せて来るだろう。


 アドリエンヌは渓谷の奥へ進み、モンスターがどこから来るのかたどることにした。


 その時、渓谷の崖の上に二匹の鳥がグルグルと回るように飛んでいるのが見えた。


 こんなところにいれば、モンスターの餌食になってしまうと思ったアドリエンヌはそこへ近づくと、その鳥はどうやら(つがい)のようだった。


 どうしてそんなところで飛んでいるのかと不思議に思ったが、近づいてその理由がわかった。


 その(つがい)の子供らしき鳥が、怪我をして崖の上で動けなくなっていたのが見えたからだ。


 おそらく親鳥と一緒に飛ぶ訓練をしていて何らかの理由で怪我をし、飛べなくなってしまったのだろう。


「お節介な奴だ」


 リオンにそう言われながらも、アドリエンヌはその鳥をそのままにすることはできなかった。


 うずくまっている鳥にアドリエンヌが治癒魔法をかけると、勢いよく親鳥の元へ飛び立っていった。


「きっと渡り鳥ですわ。無事に目的地へ行けるといいですわね」


 そう言って鳥を見送ると、改めて渓谷の探索をはじめた。すると、渓谷の上流に一ヵ所とても嫌な気配がする場所があった。


「気づいたか?」


 リオンに言われてアドリエンヌは頷く。


「きっとあの場所ですわね」


 アドリエンヌは瞬時にそのそばへ移動し、上空からそれを観察する。


 すると、そこにはなにやら瘴気を放つ巨大な宝石が落ちているのが見えた。アドリエンヌは自分を取り囲むように結界を張っていたため、特に問題はなかったが、その結界がなければどうなっていたかわからない。


 モンスターがここに集まっているだろうと予想していたが、予想に反してそこにモンスターはいなかった。


 アドリエンヌはそれを見ると困惑した。


 なぜならモンスターだけではなく、その瘴気を放つ宝石の半径五十メートル以内に、モンスターどころか動植物などの生き物という生き物すべてが存在していなかったからだ。


 その時、先程の親子鳥がこちらに向かって飛んでくるのが見えた。アドリエンヌは慌てて鳥たちの侵入を防ごうとしたが、親鳥の下を飛んでいた子どもが瘴気にあたってしまった。


 アドリエンヌは子どもは死んでしまうだろうと思っていたが、思ってもいないことが起きた。


 その鳥の子が突然大きくなりモンスター化したのだ。そして咆哮をあげると、よだれを撒き散らしながらアドリエンヌを見つけ突進してきた。


 親鳥はなす術もなく上空で旋回しており、アドリエンヌはこの状況に困惑した。


 どうしても襲ってくるモンスター化した鳥を消滅させることができず、目を固く閉じた。


 お願い、もとに戻って!!


 そう心の中で強く願った。すると、アドリエンヌにぶつかる直前にその鳥が光輝くと元の姿に戻った。そしてその鳥から、なにか結晶のようなものが分離された。


 アドリエンヌは慌てて気を失って落ちそうになる鳥と結晶を下で受けとめ、安全な場所にその鳥を寝かせる。


 しばらくすると鳥が回復し目覚めた。見た感じでは元の鳥に完全に戻っているようだった。


 その鳥はしばらくぼんやりしていたが、上空から聞こえる親鳥の鳴き声に気づくと、慌てて飛び立ち親鳥と合流した。


 その後、三匹はお礼を言うかのようにアドリエンヌの周囲を回ると飛び去って行った。


 それを見送るとアドリエンヌは呟く。


「今のは一体どういうことですの? モンスターは動物たちだということですの?」


 リオンは呆れたように言った。


「なんだ、そんなことも知らんのか」


「知りませんでしたわ。それにあの瘴気を放つ宝石はなんですの?」


「仕方ない、教えてやろう。あれは邪気が結晶化したものだ。邪気は溜まると結晶化する。その結晶から瘴気が放たれそしてモンスターが生まれる。だが、私もなぜあれほど巨大な結晶ができたのかは知らん」


「なぜ国はその事を隠しているのかしら……」


 そう呟くと、アドリエンヌはその巨大な結晶を消滅させた。

誤字脱字報告ありがとうございます。


※この作品フィクションであり、架空の世界のお話です。実在の人物や団体などとは関係ありません。また、階級などの詳細な点について、実際の歴史とは異なることがありますのでご了承下さい。


私の作品を読んでいただいて、本当にありがとうございます。


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