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9、MMORPGでアイテムをつくりたい件について

 料理の材料を取りに、『フロンティアランド』のフィールドをキャラクターたちが冒険する。


 ひとりひとり、お気に入りの乗り物に乗って。

 MMO RPGにはありがちだけど、乗り物はたくさん、いろんな見た目のものがあった。


 現実にありそうな車とか、バイクがあるかと思えば、ファンタジー全開のドラゴンやユニコーンがいたり。

 妙にリアルなしまうまやパンダがいたり、何かのアニメやゲーム作品とコラボした時のキャラクターがいたり。

 クエストをこなして報酬でゲットできるものもあれば、課金でしか入手できないのもある。中には期間限定で、コンビニとかでコラボしてゲットするようなのもあった。

 

 みんな、自分の乗り物を「これがお気に入り」ってアピールして、

 データでしかないそれが宝物なんだって感じで楽しそうにしていて――そんな時間が、なによりの『思い出』という宝物になるんだなって、俺は思った。



   9、MMORPGでアイテムをつくりたい件について


 空は本物みたいにリアルに白い雲を流していて、広々とした明るい緑の草原がそよそよしている。

 地平線に山のシルエットが青々としていて、モンスターが点々と生活してるような動きを繰り返して、なんだかとても和むのだ。

 道端には可愛い花が咲いていたりして、よく見ると花弁にちいさな赤いテントウムシがいて、作り手のこだわりを感じる。


 ちょろちょろと水音をBGMに追加して流す川の辺りには、釣りを楽しむキャラクターの姿もある。

 家を持つことも出来てしまうこのゲームを『もうひとつの世界』として人生に寄り添わせる人は多いらしい。


「メイくん、あったよー!」

「ありがとう! りんりんごさん!」

「こっちもあったぞー」

「ありがとう、後藤さん!」


 一緒に材料を探す『仲間』が材料アイテムを見つけて、トレード機能でメイのキャラクターに渡してくれる。


「ただ貰ったら姫プレイだし、自分で集めた感じもしないから、相場と同じ代金は払うよ」

「姫プレイしようよ!」

「あはは」


 代金を払いつつ、自分でも材料を集めていけば、何回か失敗しても余裕でアイテムができるだろうって数が集まった。


「よし、材料集まった!」


 チャットとエモーションをすれば、みんながお祝いするみたいにエモーションをしたり、ぴょんぴょんしたりしてくれる。


「記念に『写真』撮ろうよ」

 りんりんごさんがチャットでそんな提案をして、まわりのキャラクターたちが並んでポーズを取る。


『写真』とはつまり、ゲームキャラクターたちの集合した画面をスクリーンショットして思い出に残そう、ということだ。


「撮るよー!」

 メイのキャラクターにポーズを取らせてスクリーンショットを撮れば、なかなか見栄えの良い一枚が撮影できた。


「あとでSNSに投稿しようかな」

 チャットで言えば、みんなも「わたしもアップする!」とワイワイしている。


 ――とてもよい雰囲気で、いい!


 浮かれてSNSにスクリーンショットを投稿すると、ガクがハートをつけてくれた。

 チャットアプリを見ると、「『フロンティアランド』配信外で遊んでたのか、レベル上がった?」と気にかけている様子――ああ、レベル差が付くとコラボしにくくなるんだ。心配させている……!

 

 それに気づいて、俺は慌てて返信した。


「戦闘はしてないから、レベル上がってないよ!大丈夫!」

 了解ってメッセージつきの可愛いスタンプが返ってくる。

 こっちからもお気に入りのスタンプをお返しして、俺は休憩した。

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