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20、『ゆっくりでいいんだ』

 視聴者たちが集まるコミュニティ限定配信で、俺はいそいそと報告をした。


「み、みんなのおかげでオーケーしてもらえた……!」

 コメントがお祝いをしてくれる。

「俺の家で、これから一緒に暮らす事になったんだ」



   20、SIDE:ガク/『ゆっくりでいいんだ』


 お姉さま方は気が早い様子で、押し倒す話などを始めている――、


「い、いやあ。押し倒すのは……」

 俺は真っ赤になった。

「そんな、襲ったりなんて……でも、キスはもうしました」


 コメントが狂喜している。

 祭りだ。祭り状態だ――、


 日々を一緒に過ごす生配信者と視聴者の関係ってのは不思議なもので、なんだか人生の一部に日々寄り添ってもらってる感じなんだよな。


「俺は、攻めというポジションはまず譲りたくない……でも、いきなり関係を進めるのはアレなんで。大切にしたいから……ゆっくりでいいんだ」


 それにしても、チャットアプリのログが見てるだけでのぼせてしまいそうな宝箱みたいに甘い。

 好きだよってメッセージをもらって、メッセージを返して、スタンプを送り合って。


「今、メッセージアプリですげえイチャイチャしてる……でも、見せられない! これは二人だけのだから!」


 そしてこの日から、俺のコミュニティ限定配信では二人暮らしの相方との進捗を語ったり、仲を深める相談会をするようになったのだった。

 

「ほんと内緒で頼む! ガチで秘密で! お姉さま!!」 

 限定配信のお姉さま方は、やさしかった。

 ありがとう優しい世界。

 世界よ、これからも優しくあってくれ――。


 そして、そんな生活が続いた果てに、俺はついに楓を押し倒したのである! めでたし、めでたし!


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最後まで読んでくださってありがとうございました!

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